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「理想の暮らしを叶える」ことを目的に、栃木県庁と共に「自分らしい地方移住」についての情報を発信している♯DiscoverTochigi 企画。

暮らすように滞在することで、旅とは異なる何かが見えてくるのではないか?

そんな期待を込めて、昨年は、栃木市、益子町、那須塩原市で「ショートステイ」を3名の方に体験してもらい、レポートする企画を実施。

地域のコミュニティに触れ、利便性や効率だけではない価値観の見つけ方をお伝えしました。

【フードデザイナー中本千尋さんが、益子町でずっと大切にしたいものに出会った5日間】

【NEXTWEEKEND編集部が黒磯・那須で見つけた、地域を深く味わう方法】

【家族5人。地域にとけこみ、いつもの暮らしの延長線で栃木市を楽しむ5日間】

 

定住だけではなく多拠点生活など、地域との関わり方が多様化している今。

2022年は、さまざまなスタイルで栃木に関わりを持つ方々から話を伺い、4つのエリア別に「栃木ショートステイプラン」をご紹介していきます。

「ショートステイに興味はあるけど、どこでどうやって過ごせばいいのかわからない」という人も少なくないはず。

その土地の人になった気分で滞在できるようなプランをもとに、旅とはまた違う視点で、暮らすように過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

第1回の案内人はこの方!

連載第1回の案内人は、宇都宮市へと移住した藏所 千尋(くらしょ ちひろ)さん。

実家がある宇都宮市内へ、2019年に家族でUターン移住をしました。

藏所さん:
「移住をしたのは、娘が小学校に上がるタイミングでした。当時住んでいた東京にあるNPO法人ふるさと回帰支援センターへ行ってみたのが最初です。そこで宇都宮市の移住担当者の方に出会ったのがきっかけで、宇都宮市内の大谷地域の今を知り、自分のこれまでのキャリアを生かせるような気がしました。そこから縁があって今の仕事にも出会え、わくわく感を持って大谷地域に移り住みました。」

東京では、印刷会社やミュージアムショップ、デザイン事務所などで働いてきた藏所さん。

“大谷地域に新たなムーブメントが生まれている”という噂を以前より聞いていたので、興味があったエリアだといいます。

藏所さん:
「ただ、実際に生活環境を確かめる必要があると感じ、移住前に大谷地域へと何度か自分の足を運びました。また、東京在住中に、地方移住することを早めに周りに公言したことで、“知り合いがいるよ”“あそこのお店知ってる?”と情報が自然と集まったりも。引っ越してから…ではなく、移住前にアンテナを張って行動しておくことが大切かもしれません。」

 

新しい発見や出会いがある、宇都宮市(大谷町)エリア

栃木県宇都宮市は、東京から新幹線で約50分と都市部からのアクセスも便利。

その中でも大谷地域は、古くより「大谷石」の産地として栄えた独自の文化が息づく場所です。

藏所さんが管理人を務める「OHYA BASE」は、コワーキングスペースなどを備えた多目的施設。

「大谷でできることを増やす場所」を指針に掲げ、周囲の個性豊かな店々やクリエイター、スモールビジネスを営む人とも繋がっており、人と人との橋渡し役を担っています。

この取材中にも、定休日にも関わらずOHYA BASEに訪れる人がちらほら。

地元の人が気軽に立ち寄り、地域に根ざしたコミュニティ活性の場であることを物語っていました。

藏所さん:
移住した土地に馴染むためには、ハブになる場所や人に出会えるかがポイント。ショートステイをする際も、移住前に地元の人と少しでも繋がれると、自分が生活するイメージもつきやすいと思います。」

そう語る藏所さんが提案してくれたのが、大谷地域を中心に、隣接する地域にも足をのばす2泊3日のショートステイプラン。

(▲記事後半でPDFデータをダウンロードしていただけます。)

リモートワークができるシェアスペース、地域に愛されるお店、子どもと休日に過ごすスポットなど、暮らしを楽しむために欠かせない要素を組み込んでいただきました。

 

ショートステイのすすめ1
「人が行き交う場所を拠点にする」

藏所さんが東京から移住して最初に実感したのは、ここでの生活には車が必須ということ。

今回のショートステイプランでも車移動を想定してプランニング(電車を使って栃木に来る場合は、宇都宮駅でまずはレンタカーを手配することからスタートすると便利)。

藏所さん:
「移住を意識したステイなら、その土地の人が行き交う場所を拠点にすると、自分の中に新しい視点が生まれてきやすいと思います。私が働くOHYA BASEもそのひとつ。コーヒーを飲みながら仕事をしたり、ローカルな情報収集をしたりと、便利に活用できる場所です。また、地域に根付いているカフェやご飯どころも、生活するなら知っておきたいところですよね。地産地消の食材を使った料理が味わえるOHYA FUN TABLE、イタリア料理を軸にした大人も子ども気軽に楽しめるPunto大谷町食堂は、どちらも店主が県外からの移住者。地域の人々の雰囲気もわかるし、県外からの滞在者にも優しい。東京から来た友人を必ず連れて行く、私のお気に入りです。」

前述の「OHYA FUN TABLE」、築90年の石蔵をリノベーションしたベーカリー「POSTE DE BLÉ」など、大谷石を建築に使った店舗も多く点在しているので、その建築を見ながら町を歩いてまわるのもおすすめだそう。

 

ショートステイのすすめ2
「その土地の文化や自然に触れる」

栃木に来て変わったことのひとつが、小学校4年生の娘さんとの週末の過ごし方。

そんなライフスタイルの変化も、この場所に越してきて良かったと思える部分だそう。

藏所さん:
「東京では美術館などの作られた場所に行くことが多かったのですが、移住してからは、夏は川遊びや湖畔の散歩、冬は周囲の山々をぐるりと見渡せる開放的な屋外リンクでアイススケートをするなど、自然の中で思いっきり遊ぶことが増えました。今回のプランに入っている、(宇都宮市の隣に位置する)鹿沼市の大芦川は、関東随一の清流と呼ばれる透明度。冷たい水に足を投げ出してみるだけでも最高にリフレッシュします。豊かな自然が近くにあるのも栃木の魅力なので、ご家族でステイする際にもぜひ訪れてもらいたいですね。」

非日常としての自然ではなく、日常としての自然が身近にある。

五感をフルに使って体と心で感じたことは、子どもにとっても大人にとっても大切な記憶になるに違いありません。

また、ショートステイプランの最初に体験する、大谷地域に広がる地下空間を巡る観光ツアー「OHYA UNDERGROUND」(事前オンライン予約必須)は、藏所さんが働く「OHYA BASE」の看板アクティビティ。

普段は立ち入り禁止の大谷採石跡地を、ラフティングボードで探検するクルージングは、ここでしかできない貴重な体験。

古代遺跡のような石造りの巨大空間が見どころの観光スポット「大谷資料館」の見学も含め、その土地の歴史を知れる機会は、ぜひ予定に入れておきたいところです。

その他にも、宇都宮市民のソウルフード「正嗣(まさし)」の餃子を食べて、道の駅「ろまんちっく村」の天然温泉に浸かって…と、地元民御用達の魅力的なスポットがぎゅっと詰まった2泊3日。

ショートステイを終える時には、どのように感じて、どんな想いが生まれるのか。

それを確かめるためだけでも大きな価値になるはずなので、まずは1歩、気軽な気持ちで訪れてみてはいかがでしょうか。

 

ショートステイで
自分の“これから”を見つめ直す

藏所さん:
「もちろん都会に比べたら情報量やスピード感が違うので、最初は戸惑いもありました。ただ、地域に暮らす人々との何気ない会話で得られる情報には、また違った豊かさを感じられるもの。東京へはすぐに行けるので、いまでは物理的な距離感もそこまで感じません。つい最近も上京して、好きなアーティストのライブを楽しんできたところなんです。」と話す、藏所さんの明るい笑顔が印象的でした。

そして、「アクションを起こせば人とすぐ繋がれるのが、地方のいいところ。」と藏所さん。
「これが好き」「それ面白そう」と、同じ価値観を持つ仲間たちに出会い、深めてきたコミュニティは、年々、輪が広がっている様子。

今後、町全体がより一層盛り上がっていきそうな予感に満ちています。

藏所さん:
「私を含め、音楽が好きな仲間が多いんです。他の土地にはない風情のあるこの環境で、音楽フェスのイベントができたら…!というのが夢ですね。大谷地域にはまだまだ余白があるからこそ、自分が好きなことを持ってきて、自分たちの手で何かを実現することができる。そんな可能性を日々感じています。」

新旧の良さがバランスよく共存する宇都宮市大谷町。

ここでの「ショートステイ」という経験が、理想のライフスタイルを考えるきっかけになればうれしいです。

 

藏所さんが提案してくれた
2泊3日のショートステイプランニングシートはこちらより

 

ショートステイプランニングシート

ショートステイの実現がぐっと近くなる「ショートステイプランニングシート」を無料で配布しています。

下記よりダウンロードして、楽しんでいただけたら嬉しいです。

ダウンロードはこちらより

この記事は、NEXTWEEKENDと栃木県とのコラボレーションで制作しています。

 

Text:Hitomi Takahashi
Design : MOGAMI studio
Editor:Saki Goda

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