日本中を旅する料理人 菅原梨沙さんの連載「行ってみたい食べてみたい日本の食めぐり」。
今日は島根県出雲の美味しいお醤油のお話と、一緒に楽しみたい炊き込みごはんのレシピをご紹介します。
縁結びの神様がいる島根で出会った日本の調味料
島根県といえば出雲大社。
そんなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
日本の大和大国がここから作られたと言われる島根県には言葉では説明しきれない不思議なパワーをたくさん感じます。
今回は縁結びの神様・出雲で出会ったお醤油屋さんのお話です。
まだ寒かった12月ごろの話、しんしんと雪が降り積もる奥出雲。
出雲から車を走らせて1時間のところにあるのは100年以上も家庭用醤油を作り続けている「奥出雲・森田醤油」さんです。
お父さんが7代目として、20代の息子さんとともにひとつひとつ手作りのお醤油を作っています。
日本ならどこの家庭でも食卓にあるお醤油がどんな風に作られているのか見学させていただきました。
本物の素材と人のチカラで作るお醤油
森田醤油さんのこだわりはなんといっても材料選び。
島根産の大豆やこだわりの麹・塩・出雲の山から出たきれいな湧き水。
醤油を作る最初の行程で行われる麹作りでは特に手間暇をかけて美味しい麹作りに励んでいます。
意外と知らないお醤油を作る工程を、少しだけご紹介します。
1.大豆と小麦と種麹で醤油を作るための麹を作る
2.塩水と合わせて醤油の樽でもろみを作る
3.約2年間毎日観察しながら発酵させる
4.もろみを絞って醤油にする
5.生醤油を火にかけて発酵を止めて完成
お醤油が黒いのはなぜ?
小麦に含まれる炭水化物の糖と大豆のアミノ酸がメイラード反応を起こし褐色の色になります。
日本語では糖化といい、お醤油の糖化は整腸作用や生活習慣病予防になります。
生醤油とは?
もろみから絞っただけの出来立てのお醤油です。
発酵が進みやすいので空気と触れないようなボトルに入っています。
ひとつひとつの行程を丁寧に説明してくださった森田さん。
中でも驚いたことは今では珍しい麹を室で作るところから行なっていて、その温度管理、湿度管理はもちろん美味しくできるかの良し悪しは人の手や足で確認してわかるそうです!
まるで我が子のように目を離さず、ずっと優しく見守る。
余計な手を加えない。でも目を離さない。
その優しさという愛情をかけられて育った2年越しのお醤油を一口いただくと、甘くて口いっぱいに旨味が広がる味。
なんだか懐かしくて、お母さんの料理のように安心できる味。
息子さんが一言。
「自分はまだまだです。少しでも役に立てるようにならないと。…でもね、実は高所恐怖症なんです」
そう話しながら2メートルもの高さからもろみを混ぜる姿は、謙虚ながらもしゃんとしていて、十分力強く感じました。
できあがったお醤油は使いやすいようにポン酢にもアレンジされます。
そんな今日は、お醤油のストーリーを感じながら炊き込みご飯を作ってみました。
感謝の気持ちを込めて「いただきます」
材料(4人前)
だし汁 … 480ml
米 … 3合
ごぼう … 1本
人参 … 1/2本
鶏もも肉 … 100g
干ししいたけ … 2枚
しょうが … 10g
【A】
しょうゆ … 大さじ2
みりん … 大さじ1
酒 … 大さじ1
塩 … 小さじ1/2
大葉や絹さや … (お好みで)
作り方
1.お米は洗って浸水させます。ごぼうは薄切りにして水につけ、人参は拍子切りにします。しょうがはみじん切りにします。
2.鶏もも肉は小さめに切って軽く塩をふっておきます。
3.材料を全て炊飯器に入れ、だし汁480mlと【A】をあわせて炊飯します。
4.お好みで大葉や絹さやを散らして完成です。
ポイント
鶏肉を一番上に入れると全体に旨味が染み込みます。
最後に余談ですが、こちらの写真は市販のお醤油と森田醤油の原材料の違い。
一目瞭然、右が森田さんのお醤油です。
普通のお醤油は水で薄めることが多いようです…。
森田醤油
住所:島根県仁多郡奥出雲町三成278番地
TEL:0854-54-1065
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