NEXT WEEKEND DATE

はじめまして。
雑誌NEXTWEEKENDの出版元である世界文化社で、編集を担当しているD坂です。

4月14日に発売予定の雑誌NEXTWEEKEND2017春夏号に先がけて、今日から3回に分けて雑誌の特集ページの作り方をご紹介したいと思います。

普段本屋さんや美容院でパラパラとななめ読みしている雑誌も、こんな風に考えられて作られているんだなとか、意外とたくさんの人が関わっているんだな、ということを少しでもお伝えできたら、また違った楽しみ方をしていただけるかもしれません。

 

雑誌NEXTWEEKENDのスタート

雑誌の作り方をご紹介する前に、そもそもNEXTWEEKENDとの出会いについて少しだけお話します。

私がNEXTWEEKENDを知ったのは、おそらく村上萌さんの著書『カスタマイズ・エブリデイ』だったと思います。
何冊かまとめ買いした本の中にそれはあって、軽い気持ちで読み進めていたら、なんだか結構深いことが書いてあって、そこからウェブサイトをチェックしたり、ピンクの甘酒を取り寄せてみたりしていました。

はじめてNEXTWEEKENDのワークショップに参加したのは、確か2014年の秋で、渋谷でチョークアートを教えてもらいました。土曜日だというのに朝から雨で空はどんよりしていましたが、帰り道とっても満たされた気分になって、一日中ごきげんだったことを今でも覚えています。

その後も仕事でちょっと疲れたときなど、NEXTWEEKENDの動画を見たりして、いちファンとしてすごく好きな世界だなぁと個人的に楽しむ日々が続いていました。

そんな中だんだんと、NEXTWEEKENDが作った雑誌を見てみたい!NEXTWEEKENDとだったら、雑誌や動画やイベントが連動した新しい体験を生み出せるのかも?と思うようになり、ドキドキしながら、思い切ってウェブサイトに書かれていたアドレスにメールを送りました。

そこから雑誌版NEXTWEEKENDが動き出しました。

 

その1:企画を考える

前置きが長くなりましたが、本題である雑誌の作り方について、今回はひとつの特集の企画を考えるところから、撮影の準備をするところまでご紹介します。

企画

まずは企画。

紙の雑誌はページ数や1ページあたりの面積が限られているので、残念ながら思いついた企画全部を載せることはできません(泣く泣く今回は諦める、というテーマが毎回出てきてしまいます)。

編集長がすべての企画を考えるケースもあるようですが、雑誌NEXTWEEKENDでは編集部員内で、一人一人が考えた企画を持ち寄って、全体のバランスを見ながら企画の取捨選択をしていきます。

巻頭に大特集があって、そのあと小さめのテーマがいくつか続く、というのが雑誌の構成でよくあるパターンです。(NEXTWEEKENDでいうと、Weekend WishlistやDiscovery Weekendがいわゆる大特集に当たります)

 

 その2:ラフコンテをつくる

企画の大まかな内容やページ数を決めたら、コンテと呼ばれる手書きの構成内容をつくります(ラフと呼んだりもします)。

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(例えば、2016秋冬号の「Weekend Wishlist」と「映画めし」のコンテはこんな感じでした)

コンテにはモデルさんを入れたいとか、写真は背景を生かす(断ち落とし)形で入れるのか、切り抜いて(切り抜き)入れるのかなどのイメージも描き込んだりします。

タイトルのつけ方も結構重要です。
タイトルはもちろん後からでも変えられますが、企画全体をひと言で説明できているタイトルは、その後に続く構成も立てやすく、他の人に説明もしやすいので、いつもとても悩むポイントです。

ちなみにコンテを描かない、という編集部もあるそうです。

コンテのメリットは企画のイメージを共有しやすいし、撮り忘れなどを防ぐことができる反面、イメージを固定しすぎてしまうため、想像以上のものが生まれにくいというデメリットもあります。

実際に取材してみないと構成が固まらない場合などは、いったん仮でなんとなくのコンテをつくった上で取材をし、後日構成を変えたりすることもよくあります。

 

 その3:スタッフィングを考える

コンテができたら、次は写真を撮ってもらう人、スタイリングをお願いする人、モデルさん、ヘアメイクさん、レシピページだったら誰にレシピを依頼するかなどを決めていきます。

「あの人とあの人を組み合わせたら、こんな科学反応が起きるんじゃないかな?」とか、「ずっと気になっていたあの人に今回思い切ってオファーしてみよう」などと、作りたいページのイメージを想像しながら依頼をしていきます。

ここは楽しい部分であると同時に、いろんな方のスケジュール調整をしなくてはならないので、日々そわそわする時期でもあります。

 

その4: 撮影場所と、撮影に必要な小道具などを決める

お願いするフォトグラファーさんやスタイリストさんが決まったら、コンテを元に撮影したい写真のイメージを共有し、どんな場所で撮影したらいいかを相談します。

NEXTWEEKENDでは特集の内容によって、実際のお家みたいなハウススタジオ、自然を生かしたロケ、主に切り抜きカットを撮影する白ホリスタジオなどを使い分けています。

自然光を生かした写真にしたいのか、ストロボを焚いてパキっと見せたいのかなど、撮りたい写真のイメージによっても撮影場所は変わってきます。

行ったことのないハウススタジオやロケ場所の場合は、事前に下見(ロケハン)に行く場合もあります。

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(みんなで撮影スポットを探した、北海道のお花畑でのロケハン風景)

またロケの場合は事前に撮影場所に対して許可が必要なため、企画書を送って許可を取ったり(時には警察署に申請に行ったり)、交通手段であるロケバスを手配したりします(ロケバスの中でヘアメイクをすることも)。

撮影中の朝ごはんやお昼ごはんを用意することも意外と大切な仕事のひとつ(私は美味しいお弁当屋さんやケータリングを探しておくのが結構好きです)。

モデルさんの衣装や撮影小物などは、自分たちで探す場合と、スタイリストさんに協力していただく場合と、両方あります。
撮影用の小道具をレンタルできるリース屋さんで借りたり、ときには私物を混ぜたりもして、撮影の準備をします。

ちなみにファッション誌の場合だと事前にスタイリストさんが集めてくれたコーディネートを見せてもらう日(コーディネートチェック)を用意することが多いかと思いますが、NEXTWEEKENDの場合はグループLINEを使ってイメージの共有しています。

こんな感じで撮影準備をして、撮影の2日前までには香磐表と言われる撮影スケジュールをスタッフ全員で共有して、撮影にのぞみます。

次回は撮影現場の様子や、ページのデザインを作っていく過程などをご紹介できたらと思います。

 

編集D坂さん
雑誌NEXTWEEKENDの出版元である世界文化社で働く女性編集員。
やわらかい見た目に反して熱いハートと根性を持つ、縁の下の超力持ち。
4月14日に発売予定の雑誌NEXTWEEKEND2017春夏号に先がけて、
一冊の本ができるまでの裏側や制作風景をご紹介してもらいます。

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