器コーディネーター伊藤唯さんによるコラム「知っておきたい器のあれこれ」。
今月も器で楽しむテーブルアイデアをお届けしていきます。
知っておきたい器のあれこれ、8月のテーマはお茶のこと。
家でお茶を飲む頻度は少なめだったのですが、ここのところコーヒー同様に気分に合わせて楽しめるようになりました。
きっかけは、福岡県のお茶の産地 八女(やめ)市でお茶や紅茶、茶にまつわる器をつくるケシキの本田さんに出会ったこと。
彼女がもてなしてくれるお茶の時間はすごく心地よくて、魅力的。
どうやら、お茶選びやコーディネートも、ひとつひとつその場に合わせたものを、選んでいるのだそう。
伸びやかにお茶を楽しむコツを知りたくて、暮らしの中での取り入れかた、身の回りの道具で淹れる方法を伺ってきたので、今回はお茶と道具のお話をお届けします。
まずは身の回りにある道具で淹れてみる
「ついかしこまってしまうのですが、急須などがなくても、茶こしさえあれば、お茶は楽しめると思います」と本田さん。
お茶用の道具を持っていなくても、コップ状の器に茶葉と湯を入れ、お皿で蓋をして蒸らせば、それだけでもお茶を淹れることができると、実際にやってみせてくれました。
ちなみに煎茶をおいしく淹れるコツは、お湯の温度を70〜80度ぐらいにすること。
お茶の渋みや苦味は高温で抽出されるため、湯呑みに一度入れて冷ました湯を使うと、甘味や旨味を際立たせることができるそう。
びっくりするくらい味が違うので、ぜひ試してみてくださいね。
季節や気分に合わせて、飲み方を変えてみる
▲初めましての日、布や花を設えて、足付きの器にのせたデザートと茶で、もてなしてくれました。
日々のお茶は、アレンジを加えながら、季節や時間帯に合わせて飲んでいるそう。
「煎茶は熱を下げる効果を持つので、暑い夏の朝に選んだり。冬の夜なら、体を温める効果を持つ紅茶を。知識と体と相談しながらお茶を選ぶと、より楽しめるようになると思います」
確かに冬にお会いした際には紅茶を、先日八女に伺った際は、ハーブを香らせた水出しの煎茶を出してくださいました。
水出しはカフェインが少なくまろやかな味わいに仕上がるので、ごくごく飲めるお茶になるのだそう。
暑い日のお供に、わが家でも何度もつくっています。
【ハーブ香る、水出し煎茶のレシピ】
水1リットルに15~20gの煎茶を一晩かけて抽出する。
翌朝茶葉を取り出して、お好みの量のハーブをボトルに入れておくと2時間ほどで飲み頃に。
わが家で楽しむお茶の時間
本田さんのもてなしのコツを取り入れながら、自宅でもお茶を楽しんでみました。
取り入れたのは、それぞれにプレイスマットを敷いたことと、デザートの小さなアイスを足付きの器に盛り付けたこと。
▲足つきの器:sanakokato、湯呑み:ケシキ、スプーン:miyazonospoon
マットは空間を仕切ってくれるので、テーブルにパーソナルな空間をつくってくれますし、足つきの器は、テーブルから一段高さがあがる分、改まったおもてなしの雰囲気が出るように思います。
色々な話を伺って感じたことは、お茶って懐が深い。淹れ方ですごく色んな味を楽しめるんです。
好きな時間を増やす、ヒントが見つかれば嬉しいです。
お話を伺った人:本田絵理さん(ケシキ)
福岡県八女市で茶づくり、八女の植物を使った草木染め、茶のまわりの器づくりをされています。
https://www.instagram.com/eri_wv/
今月の器メモ
お茶をさらにおいしく淹れるなら、急須に加えて湯冷ましという道具を使うといいそう(写真左上のアイテム)。
急須のお茶を湯冷しにまとめて注いでから、湯呑みに注ぎ分けることで、濃度の揃った均一な味わいに仕上げることができるのだそう。
すっかりお茶ラバーになった今、私も次に取り入れたいアイテムです。
Editor:Tomomi Watanabe , ふじのあやこ
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