NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。

上手く伝えたいのに、言葉が出てこない。伝えられない。ということがよくあり悩んでいます。
Instagramのストーリーですら、ちょっとした文字を入れるのに悩んでしまい時間がかかり投稿するのも億劫になってしまいます。

仕事でも、保育士で毎日の連絡帳のコメントを記入するのですが、その日のその子のエピソードや連絡帳でのやり取りを記入するのも、伝えたいことはあるのにすらすら書けず時間がかかる。
そして、何だかありきたりな文章に思えてしまって、保護者の方はどう受け取っているんだろうと気になってしまいます。
後輩からの相談も、あとになって「ああ言えば良かった」と思うのですが、その場で気の利いたアドバイスができないと感じることも多々あります。

一方で、萌さんの言葉にはユーモアもありつつちゃんと相手に心地よく届く。
もっと読みたい!もっと聴きたい!という気持ちになります。
相談コーナーの記事でも、Instagramの投稿文やインスタライブでも、ラジオでも、萌さんの言葉や文章は、相手が欲しいものをしっかり届けられていて凄いなぁっていつも心を動かされています。
私からしたらこの相談コーナーの返答もどう返そうかとても悩むし、けっこう書く時間が苦痛に感じると思います。
この返答を書くのにどれくらい時間をかけているのだろう?スラスラ思うままに書いているのかな?と色々気になります。
ぜひ、萌さんの言葉の力はどこからくるのかなど色々教えて頂きたいです。

(28歳・女性・保育士)

このお悩みの原稿を書き始めようとした時に、予約していた“骨膜マッサージ”なるヘッドスパの時間がやってきて、今施術後にまたパソコンを開いているのですが…。全然違う…!すっきり!寒い雨の夜だったのですが、ミュージカルのように愉快な気持ちで帰路につきました。さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

相談者さんはきっと一生懸命で真面目な方なんだなと思いました。察するに、保護者の方にも後輩の方にも“伝えたい”という気持ちはしっかり届いていると思います。ただ、悩んでいらっしゃるのはそれに時間がかかることと、ありきたりな文章になってしまうということなのですよね。まず「事実」と「メッセージ」を分けて考えられるとよいかもしれません。

たとえば園児の子が、“沢山眠った”“ご飯を残した”“積み木をした”など、事実としてはそれでしかありませんが、保育士さんとして仕事をされる中で、園児それぞれの特徴が出ているなと思うことや、感動する瞬間が多々あると思います。相談者さんが気づいたその視点こそが、「メッセージ」の種です。

もちろん、子どもの命を預かっているので事実の報告は何よりも重要だと思いますが、もしそれにユニークさを付け加えたいのであれば、「メッセージ」の種を自覚した上で、相手にとってそれを一番響く形に編集していくのがおすすめです。

仮に「お人形遊びを楽しんでいました」が事実だとした時に、その事実を見てどこが可愛いと思ったのか、どう成長していると思ったのか、ご自身の視点を大切にすることと、それを相手はどう伝えられると嬉しいかを想像してみる。

そうすると保護者の方も毎日必死で育児をしている中で、子どもの成長はもちろん、自分が日頃家でしていることを肯定してもらえるのは何より自信になるはずですから、方向性が決まってきて、たとえば「お人形の髪の毛を丁寧にブラッシングしてくれていて、お家で○○ちゃんもしてもらっているのだな、と微笑ましくなりました」といったふうに、(きっともう書かれているようなことだとも思いますが…!)最終的にオリジナルの「メッセージ」ができあがるのだと思います。

人は基本的には自分が今必要としていることや都合の良いことが心に響くようにできています。なので、構成としては「自分の伝えたいこと」という中心にあるコアな1〜2割を「相手がかけて欲しい言葉」で8〜9割包むと、より一層伝わりやすいと思います。

自分の言いたいこと9割だと、伝わるものも伝わりません。(その逆も然りで、中心に自分のメッセージがないまま相手を気遣うだけだと何を考えているのか分からないという問題が起きてしまうこともあります)

そう考えてみると、言葉は溢れ出るものなので、言葉力を磨くには、想像力を磨くことと自分なりの視点で日々の出来事を感じてみるということが一番の近道かもしれません。

また、後輩の方にもっと良い伝え方があったなと思ったら後日補足すればいいと思います。言葉の成長は、一方的な発信ではなくリアクションがあってこそなので、その繰り返しで自分の考えと言葉が連動する瞬間がやってくるはずです。

最後に、ユーモアに必要なのは“余裕”かな…、と思いました。誰かを否定したり、攻撃的になったり、皮肉になったり…、それは何かを生み出すというよりは自分を守るために必死になるが故の行動なので、ブラックジョークはあってもそこにユーモアは存在しません。

ユーモアは、自分への納得、全体を俯瞰で見るということ、相手への想像力、それらが揃った時にその場を楽しくするという目的のために発言されるものだから、誰も傷つかずにくすっと笑えるのだと思います。これに関しては複合的に自分自身や、場の捉え方を磨いていくのが良いかと思いますが、ひとまず「ちびまる子ちゃん」を全巻読んでみる、でもいいかもしれませんw(割と本気です)

一生懸命な相談者さんの優しい視点が、しっかり伝わっていきますように!応援しています。

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

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「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。


▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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