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日本だけでなく、世界各地で古くから伝わってきた植物療法。

新連載「植物で叶える。現代版おばあちゃんの知恵袋」では、植物療法士であるWeekender編集部代表コラムニスト齊藤 渚さんが、今の暮らしに取り入れやすいフィトテラピーTIPSをお届けしていきます。

皆さんは「おばあちゃんの知恵袋」と聞くと、何を思い浮かべますか?

私が真っ先に思い出すのは、アロエの葉。

子どもの頃、うっかりフライパンで火傷してしまった時、祖母がすかさず庭からアロエを切ってきて、中の白い果肉を患部に貼ってくれた思い出があります。

風邪をひいたら葛湯やハチミツ大根を飲み、あせもが出たら桃の葉エキスをつける。

その多くが身近な食材や植物が用いられ、これも一つの植物療法だったのだと感じています。

どこか懐かしく、手のぬくもりを感じられる、おばあちゃんの知恵。

このコラムでは、その知恵を暮らしに取り入れやすいTIPSとしてお伝えしていきたいと思っています。

 

さてさて、前置きが長くなりましたが、これから暑さが増す夏本番!

初回コラムでは、この夏を元気に過ごすために、植物の力を借りた夏バテ対策を2つご紹介します。

 

1.ビタミンCがたっぷり!
ローズヒップ×ハイビスカスのシロップ

日差しを浴びた肌ケアや疲労回復に欠かせないビタミン。

天然のビタミンCがたっぷり詰まったハーブのシロップで、おいしく美と元気のチャージをしませんか?

お仕事や家事の合間に、炭酸で割ってシュワっと一息。

朝食のヨーグルトやおやつとしてかき氷にかければ、やさしい甘酸っぱさに、心も元気になるはず。

サプリメントに頼り過ぎず、なるべく自然な形で栄養を補いたい方やお子さまにもおすすめですよ。

 

材料

・水:400ml
・ローズヒップ(ドライ):大さじ1
・ハイビスカス(ドライ):大さじ1
※ハーブティー用などの乾燥したもの。
・砂糖:大さじ6~8
・レモン汁:大さじ1

作り方

1.小鍋に水400mlとローズヒップ、ハイビスカスを入れ、火にかける。

2.沸騰したら弱火にして、少し隙間を開けてフタをする。
水分が半量程度になるまで煮詰める。
※コンロによりますが、20分が目安です。

3.火をとめて、ローズヒップとハイビスカスを漉す。
※ローズヒップにはビタミンEなどの栄養も残っているため、捨てずにシロップに入れて一緒に食べるのもおすすめです。

4.【3】に砂糖を加えて、とろみがつくまで再度火にかける。

5.甘さを確認して、足りなければ調整する。レモン汁を加えて混ぜたら完成!
※消毒した瓶に詰めて、冷蔵庫で保管。1ヶ月以内に飲み切ることをおすすめします。

植物の知恵袋メモ

ローズヒップ:
レモンの約20倍ものビタミンCを持ち「ビタミンCの爆弾」と呼ばれる。

ハイビスカス:
クエン酸やミネラル(カリウムなど)が豊富で、疲労回復を助ける。

この2つは相乗効果が高いと言われており、一緒に摂ることがおすすめ。
ブレンドのティーバッグが売られていることも多いです。
あまり酸っぱくしたくない方は、ハイビスカスを少なめにすると良いですよ。

ちなみにドライハーブは「ハーブマイスターセンター」のものがおすすめです。
化学薬品・除草剤・化学肥料不使用で、自然乾燥のこだわりハーブを扱われていて、少量パックから通販で購入できます。

また「生活の木」や「enherb」さんは店舗数が多く、店員さんも詳しくアドバイスしてくださるので、お近くの方はそちらもおすすめですよ。

 

2.エネルギーUPに。
ビワの葉×エキナセア×レモングラスのハーブティー

江戸時代、夏になると行商人がやってきて、“暑気払い”を宣伝文句に甘酒や枇杷葉湯(びわようとう)が街頭で盛んに売られていたそうです。

古くから滋養効果が高いお茶として親しまれてきたビワの葉。

このままでも香ばしく飲みやすいお茶なのですが、エキナセアやレモングラスを加えれば、さらにパワーアップできるお茶に。

やる気が起きない、疲れがとれない、夏風邪をひいてしまった時におすすめです。

 

材料

・水:200ml
・ビワの葉(ドライ):小さじ2
・エキナセア(ドライ):小さじ2
※どちらか一種類のみの場合は大さじ1程度
・レモングラス(ドライ):小さじ1

作り方は2パターンご紹介します。

お手軽に作りたい時はAを、エキスをしっかり抽出したい場合はBを参考にしてみてくださいね。

 

作り方A

1.ティーポットにビワの葉、エキナセア、レモングラスを沸騰した熱湯200mlを入れる。

2.フタをして5~10分以上蒸らせば完成。
※抽出時間が長いほど有効成分が溶け出していきます。

 

作り方B

1.小鍋に水200mlとビワの葉、エキナセア、レモングラスを入れて火にかける。

2.沸騰したら弱火で2分間煮出し、火を止める。

3.フタをして5~10分蒸らせば完成。

【植物の知恵袋メモ】

ビワの葉:
血液を浄化するほか抗酸化作用が高く、疲労回復におすすめ。

エキナセア:
弱った免疫力を強化。抗菌、抗ウイルス作用がある。
※キク科アレルギーの方は注意してくださいね。

レモングラス:
疲労回復。胃腸の機能を高めるため、食欲不振の時にも良い。

 

厳しい暑さで食欲がなくなってしまっても、シロップやハーブティーは、身体にするすると入り、助けになってくれるはず。

この夏、皆さんが太陽に負けず、輝けますように。

来月は、寝つきが悪い、熟睡できない、目覚めが悪いなど、夏休みの生活や暑さのせいで乱れがちな睡眠リズムを整えるコラムをお届けします。

 

<参考文献>
「メディカルハーブレシピ」ローズマリー・グラッドスター著/大滝百合子・訳(東京堂出版)
「自然ぐすり」森田敦子(ワニブックス)

 

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