大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、好きなことをしていると罪悪感を感じてしまう、3人のお子さんのお母様からのお悩みです。
萌さん、こんにちは。
3人の子ども(3才双子、1ヶ月)をもつ専業主婦です。
萌さんも以前書かれていたように、わたしも小さな頃から夢がころころと変わる方でした。
幼い頃から絵を描くことが好きで、漫画家、イラストレーター、絵本作家などの夢を経て、大学卒業後は保育士になり、結婚を機に退職して今に至ります。
産後は育児育児育児な日々。
手伝いもほとんどなく、旦那も出張が多く、生後半年を過ぎた頃に転勤で見知らぬ土地で1人で育児家事を黙々とこなす毎日でした。
育児とは大変なもので、自分のやりたいことがほぼ出来ない、いつも子どものことを優先していたからか、いつしか自分が何が好きで、何がしたいのか、ということが段々と分からなくなっていっていました。
今は専業主婦ですが、いずれは社会復帰したいと思っています。
ですが、なんの仕事をしたら良いのだろう…と。
保育士の仕事は好きでしたが、元々母に強く勧められたのが勤めた大きな原因だった気がしていて、もっと自分の「好き」を仕事にしてみたい、と。
大学在学中、絵本をよく描いてプレゼントをしていて、「絵本作家になったらいいよ!」とみんなから言われていました。
わたしも、なれたらいいなと思うし、すごく素敵だと思います。
今、InstagramやSNSで絵を公開して人気が出た方は沢山います。
チャンスは目の前に転がっていて、あとは自分が動くだけ、と思います。
ですが、なかなか行動に移せません。
いつも素敵な生活に憧れがあるのに、なぜか体が、頭が重いのです。
大学時代はもっとフットワークが軽かったのに、なぜ…と思います。
今では、いつも、何をするにも「今こんな好き勝手なことしてていいのかな」とどこか冷静に見ている自分がいます。
家事をした方がいいんじゃないか、家計のためになるようなお金の勉強をした方が、ご飯の作り置きをした方が、子育て育児の本を読んだ方が、家の掃除をした方が…そんなことばかり考えてしまって、「絵を描く」ことが無意味で、現実逃避のように思えてくるのです。
もしかしたら、自分が行動しても夢が叶わないことが怖くて、行動しないのか。
はたまた、もともと自分の中に絵本作家になりたいという気持ちがないのか。
週末野心と掲げて、お子さんも小さいのにいつも素敵に過ごされている萌さんならどうしているだろう、と思ってご相談致しました。
(27歳・女性・主婦)
3人の子供!しかも見知らぬ土地で3歳の双子と1ヶ月の赤ちゃん…!
すごいなぁ。
毎日を無事に終えることだって簡単じゃないですよね。
そんな中、お悩みの投稿ありがとうございます。
そりゃ、大学時代とは違いますよね。
私も当時を振り返ってみると、あの頃はある意味“日常”というものがなく、日々の予定を自分1人で作る感じ。だから毎日が、非日常。
それはそれで自由すぎて焦ることもありましたが、失うものもなく、厄介なことになっても立ち向かえる無謀さも時間もあったので、フットワークは羽のように軽かった気がします。
それと比較すれば、今なかなか行動ができない相談者さんの状況は、当然といえば当然だと思います。
何かを始めれば、新しい悩みや課題が生まれる。
きっと毎日沢山奮闘しながら育児をしている中で、それは眩しくも見えるけど、きっとすごく高い壁にもなってしまっているんだと思います。(よくわかります)
私の場合、ここだけの話、相談者さんの言葉で言う「今こんなことしていていいのかな…」を、仕事をしていてもプライベートでも、どちらでも思ってしまいます。
たとえば、自分の効率の悪さで仕事から帰るのが遅くなってしまっている時など「今日は昨日より歩けるようになったかな…」「なんでこんなに可愛い時に離れてるんだろう…」と思うこともあるし、札幌の自宅で娘と一緒に過ごしている時、特に同世代の経営者のSNSを見たりすると「もっと早く東京に行った方がいいよな…」「夜遅くまで自由に仕事して、さぞかしスピードが速いんだろうな…」と焦ったりもします。
ただ、もうこれに関してはしょうがないと思っていて、結局は自分のやりたいことの数だけ、この悩みは生まれてしまうんだと思ってます。
私は、これに加えて、夫が現役中くらいアスリートの嫁としてちゃんとご飯を作りたいし、試合もなるべく全力で日程を合わせたいと思ってたりします…。
そうなると、札幌と東京を月に2回往復しながらこれらの両立を考えると結構難しいので、それぞれを別軸で考えるのはやめて、ごちゃまぜスタイルにしました笑。
朝ごはんの記事を連載にする、とか
娘といて気づいたことを企画に変える、とか
NEXTWEEKENDの撮影中に、自分がやりたいと思っていた小さな野心が叶っていくこともよくあったり…。
そんな風に、それぞれがあるから成り立つような仕組みにすることで多少は罪悪感や焦りが軽減した状態で、取り組めています。
要はあまり割り切りすぎず、お互いを連鎖させあうということ。
森の木々とか、食物連鎖とか、そんなイメージです…笑。
とはいえ、これは職業にもよるし、生活スタイルや、やりたいことの内容などに合わせて向き不向きがあると思います。
ただ、相談者さんのお話を伺っていると、今すぐに稼ぎに出ないといけないという金銭状況ではなく、絵本という対象が子供であるということから、私のように森の木々式の両立(なにこの言葉…笑)は向いているのかな、と思いました。
だって、きっと子供に読み聞かせをしながら遊んでいれば絵本へのインスピレーションがあるし、絵本を描いていたら、子供に教えたいことが思いつくだろうし、こんなにお互いが交差しあう仕事はなかなかないと思います。
真面目な方ほど、「今はまだ…」と言って、自分のやりたいことをやるために資格をとろうとしたり、お金をためたり、何かが落ち着いてから、と準備に時間をかける気がするのですが、私は、もっと“小出し”にすればいいのにな、といつも思います。
普段いくら色んなことを考えていたって、日頃から話す練習をしていないと言葉にできないのと同じで、インプットとアウトプットって、やっばりバランスが良くて、少し出してみると、人からの反応や自分自身での反省、次への工夫が見つかったりします。
インスタで絵を公開して人気になった人がいるのを見ながらなかなか行動に移せないと仰っていますが、壮大な発表をしようと思わず、まずは今日の終わりに、自分が息抜きになる程度のイラストを描いて投稿してみてもいいんじゃないでしょうか。
誰かからコメントがついたり、いいねを押されたり、ハッシュタグで人と繋がったりしていくうちに、自分の中で溜め込んでおくよりも、ずっとアイデアが生まれてくるかもしれません。
もはや分からなくなったと仰っている「自分の好きなこと」に関しても、アウトプットしているうちに、新たなインプットを得て形ができてくるはずです。
3人の育児をされている中で、大丈夫だよー!絵描きなよー!なんて無責任なことは言えませんが、それくらいからでもいいんだと思います。
特に今の相談者さんの場合は、自分の生活スタイルの中で、できることから楽しく始めてみることで、育児への嬉しいインプットもあるはずです。
お互い頑張りましょう!
相談者さんの絵本が読める日を楽しみにしています。
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