大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、子どもができてからSNSがしづらくなってしまった相談者さんからのお悩みです。
こんにちは。
いつも楽しみにしています。萌さんのブログ時代から隅々まで読んでいるファンです。大好きです。
萌さんのお子様と同級生の子供を出産し毎日楽しく過ごしています。
出産前はインスタグラムのアカウントを公開し、週末野心やNEXTWEEKENDでのつながりや同じ妊婦同士のつながりも楽しんでいました。
しかし、子供が産まれてからSNSの事件や例えば花嫁会の炎上などが目につくようになり、怖くなって鍵をしてしまいました。
SNSのメリットも本当にたくさんあると思っているつもりなのですが、どんな人が見てるか、自分の理解を超えた考えの人も見ているかもしれないこと、嫉妬や妬みの対象になってしまうかもしれないことなどのデメリット?を処理しきれないでいます。
自分のせいで子供に何かあったら嫌だなという気持ちも大きいです。
考えすぎでしょうか。
一方で鍵をかけずに世界を広げて行きたいジレンマもあります(^^;
萌さんは何か気をつけていることはありますか。
SNSの考え方も含めて教えていただけると嬉しいです。
(29歳・女性・会社員)
こんにちは。札幌にもようやく夏が来て、太陽が、新緑が、花が、半袖が…!
何もかもが嬉しい6月です。
短い夏を思いっきり楽しまなくては。
そしてお悩みの投稿ありがとうございます。
SNSに関しては人それぞれ考え方が違うので、本当に難しいですよね。
私も、子どもができてからは特に、なかなかマイルールも作りきれず、都度手探りでやっている感じです…。
自分のことはよくても、子供のことで炎上なんてしたら本当に悲しいですもんね。
ただ、子供がいるいないに関わらずですが、日々の感動を自分なりに切り取ってシェアするというのは、本来は素敵な活動だと私は思っています。
相談者さんの状況でいうと、子供と過ごすことで芽生える新しい気持ちや感動、誰かにシェアしたいことも、今は特に沢山ありますよね。
発信の仕方によっては、会ったことのない誰かの励ましになることもあれば一生の友達に出会うことだってあるかもしれない。
相談者さんが「世界を広げて行きたい」と仰っているように、今ってそんな楽しい時代なんだと思います。
そのため、場所や個人情報があまりにも特定されすぎるようなことなど、最低限の危機管理はしっかりした上であれば、子供のとの生活も楽しみながらSNSをしてみてもいいのかも…。
というのが私の考えです。
ただ、重要なのはその発信の仕方だと思います。
SNSへの考え方を聞きたいと書いてくださっているので、子供が産まれる前から、自分の中で無意識的にもずっと考えながらやってきていることを簡単に3つくらいにまとめて挙げてみますね。
1つ目「リアルじゃない投稿はしない」
みんなが当たり前にSNSアカウントを持つようになった今の時代、美しくスタイリングされた写真を見かけることも、まぁ当たり前になりました。
そんな今だからこそ、リアルじゃないものってどれだけスタイリングされていても違和感があるんですよね。(むしろされていれば、されているほど)
たとえば「なんで肉じゃがの横に一輪の薔薇が直置き?」とか…。(あくまで例です笑)
ちょっとした投稿のはずなのに、作り込まれすぎた写真は、「いいね」を待っているように見えて、あまり心地よくないような気がしてしまいます。
SNSが表面的なスタイリング合戦になってしまっては、伝わるものも伝わらない。
本当に自分が生活の中で「楽しい」「素敵」「これは是非伝えたい」そんな風に思ったことを切り取る。
それこそがオリジナルで、人はそこに興味が湧くんじゃないかなと思っています。
まぁ、子供の投稿の場合はフェイクのシーンなんて作れないのでこれはあんまり関係ないかもしれないですね…。
2つ目「賞賛以外のコメントができない投稿はしない」
これも説明が難しいのですが…笑。
1つ目よりは子供の投稿にも当てはまるかもしれません。
SNSは基本的に良いシーンの切り取りがメインなので、見るタイミングによっては、全員が良い気分になるというのは不可能だということは前提ですが、「可愛いですね」とか「よかったですね」としか言えないような投稿にしてしまうと、相談者さん仰る通り、嫉妬や妬みの原因になる可能性は上がると思います。
もちろん芸能人の方などは、とにかくその人の生活を隈なく見たいという人がフォロワーなのでそれで良いのだと思いますが、そうじゃない人がそれをやってしまうと、自分と比較しやすく、どこかツッコミどころを探してしまうというのが人の心理なのかもしれません。
ただ、同じ写真でも、キャプション次第で人の気持ちは結構変わるはず。
たとえばこの投稿…。
朝陽の入り具合が気持ちの良い朝だったのと、このアボカドのレシピがたまらなく美味しかったので投稿しましたが、
これまで私をフォローしてくれていた人にとったら、私が突然、昨日の夜から朝にかけて自分の身にどんなことがあったかを長々と書いて、夫と子供に対するのろけを一通り書いて、「あー幸せハッピーるんるん♡」なんてまとめ方で締めたら
「いや、そもそも旦那の寝癖変かよ!」「夕飯の残り盛っただけじゃん!」と、思いたくなる人もいるかもしれません。
(あくまでも、これまでの投稿とのバランスが大事なので、「ハッピーるんるん♡」を貫いてきている人がいたとしたら、それでいいんだと思います)
とまぁ、孫のどんな顔を送っても喜んでくれるようなおじいちゃんおばあちゃんとの家族LINEとSNSは全く別物なので、同じ写真を使うにしても、
公共の場でシェアするのであれば、それを見た人にとって、「あ、気持ちがいいな」とか「今度やってみよう」とか何かしらの形で役に立つような形に変える工夫をする、とか、ちゃんと店の情報をつけておく、とか、一応話にオチをつけてみる、とか、投稿を見て嫌な気になる人が少ないといいな、というのは結構気にしながらやってたりします。
3つ目「写真にストーリーをのせる」
2つ目とちょっと似ているのですが、「この写真を通してこんな風に伝わったらいいな」というのを一応自分なりに持っておくといいと思います。
たとえば後ろに写っているものや、太陽の差し込み加減、顔の些細な表情など、小さな違いで伝わるメッセージも変わったりします。
よくインスタを起動した状態で写真を撮っている人を見かけますが、よっぽどじゃなければ、何枚か撮ってから、一番自分の言いたいことが伝わる写真を選ぶのが良いと思います。
難しく聞こえるかもしれませんが、私はよくインスタを現代版短歌と言ってたりします。
昔の人はカメラもSNSもなかったから、美しいものを見た時に歌を詠んだんじゃないかなと。
もちろん感動を自分の中で留めておくだけでもいいけど、限られた文字数の中に、自分の価値観や、季節感、話題の事柄などを入れ込んで、誰かにシェアして、その感性で繋がるということ。
この素敵な行動って、写真に切り取ってキャプションを載せて、感性が合う人と繋がっていく、というインスタのそれとちょっと似ている気がするんです。
そんなふうに、自分がシェアしたいと思った感動ポイントを、ちょっと客観的に見ながら、人に伝わるような写真や言葉を選んで見ると良い形で繋がれたりすると思います。
子供がハイハイから立てるようになった瞬間だって風流に切り取る方法があるかもしれません笑。
長くなりましたが、マイルールはそんな感じです…!
まとめると、相談者さんが気にされている「炎上」も、やっぱりどこか芸能人の投稿のように「みんなが何を載せても喜んでくれる」と思ってしまうと意地悪なツッコミをされてしまうかもしれないので、家族LINEとの感覚をちゃんと分けること。
それから、「いいね」とかフォロワーを増やしたいということが優先されてしまうと、色々なことに無理が出てきます。
短歌の例でお話ししたように、まずはちゃんと自分の感性を切り取ること。
そしてその部分で繋がるご縁を大切にすることできっとSNSも楽しめるんじゃないかと思います。
今回のお悩み回答は、マイルールなんて書き方しちゃったので、文字にすると難しそうですが、どうか気負わず、さらっと読んでもらえたら嬉しいです。
最後に、海外のママで私がフォローしている人たちをちょっとご紹介しますね。
とっても素敵なのですが、おそらく嫉妬や妬みの対象にはならないんですよね。
それはきっと、見ているだけでも美しいこの写真たちがちゃんとリアルでオリジナル、そして何より、本人たちが本当に生活を楽しんでいるのが伝わってくるからなんだと思います。
(勿論、被写体が美しいのも理由の一つですが…。うちの塩顔娘がこれをやったところでまた全然違う写真になるし…。)
責任重大なので是非とは言えませんが、もしSNSをまた公に始められる日がきたら、どうかご自分が楽しめる範囲で再開してみてくださいね!
応援しています。
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Photo by 中嶋史治