ちゃんと楽しい時間を沢山過ごしたはずなのに、目の前にTODOが山積みで、公私ともにうまくいかないことが重なると、その前の楽しかった時間が存在しなかったかのように途端に絶望してすべてを放り出したくなる…、という経験がある人は少なくないかもしれない。
私もその1人。人間って本当にわがまま。動物だったら、天敵に襲われずに毎日ちゃんと太陽が昇って食糧があるだけで十分なのに…!それでも、複雑な感情は人間の特権。うまく付き合っていくほかない。
私はそんな時の対処法をいくつか持っているのだけれど、一番身近な方法としてはまずカメラロールを開く。そうすると、糸が解けるみたいにふわっと「そうだった、本当に楽しかったなぁ」と柔らかい気持ちになって、もう一度今の自分がいる場所にちゃんと向き合えたりする。
要は、現状にいっぱいいっぱいになった時は、ちゃんと自分が歩いてきた道をかみしめながら、今いる地点を肯定してあげることが必要なのかもしれない。
おすすめはこの5つの問いのこたえを自覚すること。
✔️笑ったこと
✔️嬉しかったこと
✔️また行きたいと思った場所
✔️その時まで知らなかったこと
これには自分の“今”を好きになる要素がぎゅっと詰まっていると思う。そしておそらくこれらはまさにカメラのシャッターを押したくなる瞬間と直結しているはず。直近のカメラロールを見ながらこの5つを見つけてみるという作業は10分もかからずできるので、ぜひ色々なことを投げ出したくなった時にやってみてほしい。
ちなみに私の場合はこんな感じ。
おいしかったもの
どちらも自作なのだけれど、有明海の大粒あさりのボンゴレと、三陸の海水生うにのクリームパスタ。この前まで住んでいた長崎からの贈り物と、現在2拠点生活をしている盛岡の市場で購入したもの。一口食べて、咄嗟に出たセリフが「日本って本当に最高…!」だった。
どの場所に行っても名産があって旬があって、全部が驚くほど美味しくて。日本はなんて豊かなんだろう。
笑ったこと
行きつけの銭湯で開催していた母の日の似顔絵企画に娘が参加した際、前日は早くお風呂に入りたいがばかりに手抜きで絵を描いてしまったことを悔やんだようで、翌日にアップデートしようと再エントリー。(エントリーは何度でも自由)
少々恥ずかしかったのか、年齢と名前を偽装し、1歳年上の「はやしどるじ」さんという大物俳優のような苗字の人になりきっていたのに、受付で速攻「またやるのね〜」と声をかけられ、愕然としてこちらを振り返った瞬間。
嬉しかったこと
いつか行ってみたいと思っていた焼肉屋さんに、当日電話して突然予約がとれたこと。
予約困難店で有名だったので諦め半分だったけど、「そうじゃん…!いつかは自分の手で叶えられるんだった…!」と痛感し、たとえ片道1時間かかっても幸せなひとときだった。
また行きたいと思った場所
実は私、家族から「川ハンター」の異名を持つほど、Googleマップで川を見つけるのが得意。情報サイトなどではなく、Googleマップから気になるところを押して画像検索して行きたい場所を見つけるため、ほとんど人がいなくて空いていることも多い。
先日、夫の住む盛岡に到着後、急いで探しそこからたった15分で辿り着いた清流。こんなこともあろうかと、娘の分だけでなくちゃんと自分の水着まで持ってきているという張り切りっぷり。夏はここに椅子を持ってきて、チェアリングしようと企み中。
その時まで知らなかったこと
またもや盛岡ネタ!知らなかったのは、朝市のカルチャー。これまで日本津々浦々様々な場所で朝市を訪ねてきたけれど、東西約1kmにわたって約400店が並ぶ大規模な高知県の「日曜市」とも、イカだらけの唐津の「呼子朝市」ともまた違う、盛岡の「神子田朝市」。
平日は開催時間がなんと5時半から7時半という、観光コンテンツというよりはまさに地元に根付いたカルチャー。土日祝日に子ども向けの企画をしていることも多く、お菓子まき大会がなんと6時半からという衝撃の時間設定。もっと驚くべきはそこにとんでもない数の人が来場していること。普段なら自分が眠っている時間に、子どもまでもがちゃんと服を着替えて当たり前のように朝ごはんのうどんやフルーツ飴を食べたり、くじに参加しているという早朝文化があるという、知らなかった景色に感動したのでした。
知らないことを知るって、本当に楽しい!
と、こうやって書き出してみるとセラピーのように「案外私の毎日って楽しいじゃないの」と思えるから不思議。さっきまで色々なことを投げ出したくなっていたのに。
毎月掲げているNEXTWEEKENDの月間テーマ、
5月は 「 ちゃんと感じたいから 」SNSのハッシュタグは たのしい余韻 。
例年、5月の大型連休後はふっと緊張の糸が切れてしまったり、疲れてしまったりして、気力の湧かない人が多いと言います。気づかないふりして無理をするのではなく、小まめにカメラロールでも開いて自分の「たのしい余韻」をちゃんと感じながら、それぞれにとって良き1ヶ月になりますように。