NEXT WEEKEND DATE

この子育て交換日記に、嬉しいことに新たにメンバーが加わり、副編集長のともちゃんからバトンが戻ってきました。

ともちゃんがNEXTWEEKENDにやってきたころは、(というより当時NEXTWEEKENDはまだ「N」の字くらいしかなくて、大学生だった彼女が一緒にここまで作ってきてくれたのですが…。)彼女も大学2年生、私自身もミニスカートで表参道を大荷物抱えて爆走しているような時代だったので、そんな人から子育てに関する日記のバトンを渡されるなんて、ずいぶん月日が流れたなぁとしみじみしています。

弊社社員の子どもたちの年齢も1歳から8歳と幅広くなってきたので、今回は久々に自分自身に焦点をあてて「子育てをして、自分自身が変わったこと・変わらないこと」というテーマで綴っていきたいと思います。

妊婦さんや出産を考えている方から「子どもができて、何が変わりましたか?」という質問をいただくこともありますが、テーマにしておいてなんですが、「変わったこと」というのは箇条書きにできるレベルなんかではなく、多くの母親はこれまでとはまるで別の物語を歩んでいるのだと思います。

それでも自分自身のアイデンティティの部分で、大きく「変わったなぁ」とか「変わらないなぁ」と思うことはしばしばあって、今回はそれをこの日記で聞いていけるといいなと思っています。

 

変わったこと

私が自分で感じる「変わったこと」は、固執しなくなったことかもしれません。

以前は、“この服には絶対この靴を合わせたい”“新幹線や飛行機に乗る前には絶対にエキストラホットでラテを買っておきたい”など些細なことにもこだわりが明確で、それが叶えられなかった時には全てのミッションが失敗したかのごとく落ち込んでいたのですが、子どもができてからは、叶えられたらラッキーという気持ちで生きていけるようになったので、ポジティブに言うと寛容になりました。

誰かの失敗に対しても「そういうこともあるよね」と、目に見えない裏側の景色を想像できるようになったのは年齢や経験を積んだから、というだけではなく、計画通りにいかないことがデフォルトである、育児のおかげだと思います。

 

 

変わらないこと

自分の中にある「変わらないこと」は、子どもの成長に比例して少しずつ思い出していく要素な気もします。

子どもが小さく、物理的に一緒にいる時間が長いと、命を守ること、“初めて”を見逃さないことなどに必死で、常に母親の顔でいることが求められるし、それはその時の自分にとっては一番優先したいことでもありました。

時は経ち、我が家は子どもが一人でこの夏には6歳。

以前は罪悪感のあった単独出張も、夫や娘にとっても“楽しみなイベント”だと思えるようになってきたようで、別々に過ごす時間が以前よりも充実するようになりました。

そうすると、“走れなくても、ときめく靴が欲しくなる気持ち”とか “買ってきた花と、ネイルカラーを合わせたいと思う気持ち”とか、タイムカプセルを開けたかのように、昔から変わらない好きな時間が溢れてきて、かつては当たり前にしていた、会ったことはないけれど会ってみたい方に、仕事とは関係なく連絡を取るようなことも増えました。

そんなライフステージを迎える今の自分が言えるのは、“変わらないこと”は、ずっと同じ状態で存在するという意味で“変わらない”のではなく、突如優先順位を変えて自分の目の前に再びランクインしてくるようなことでもいいのだ…!ということ。

「育児が始まってから、本来の自分が好きなことが分からなくなった」という悩みも聞くし、今から母になる予定の方はそんな声に不安になるかもしれないけれど、今はランク外になっていたとしても本来の自分はいなくならないから大丈夫。

だけどその存在を完全に忘れ去ってしまわないように、小まめに母以外の自分の別の顔を楽しむことは重要かもしれません。

 

 

最愛の子どもは、ある意味自分の人生のライバル。

彼女の楽しいことが本気で自分も楽しいし、自分の全てを捧げてでも優先したくなる存在だからこそ、その存在に負けじと意識的に別の顔を持つ時間をとっていくのはお互いにとって良いバランスにも繋がると感じています。

 

 

諦めるとどんな情報も他人事になって頭の中に入ってこなくなってきてしまうから…。

子どもが寝た後にバスソルトをふんだんに使ってお風呂の中で漫画を読むこと、子ども抜きで夫婦で映画を観ること、30分でもいいから今の環境でできる母とは違う顔を楽しんで、輪郭だけでも確認していくのが良いよね、というのが育児6年目の今私が思う「変わったこと」「変わらないこと」そして、そのバランスの取り方です。

もっと箇条書きにしたかったけど、トップバッターだし、あまり具体的には出しすぎずいこうかな、と。

 

次にバトンを渡すなおちゃんは私と同い年で、ほぼ同じ時期に結婚をし、私より少し早くお母さんになって、気づけば3人の男の子を育児中。

前回の記事「人生が自作自演のドラマだとしたら、3兄弟との暮らしは私が脚本家のコメディにしたい」で、声が大きくなったこと、ウルフルズの「ええねん」を脳内BGMにして暮らしていることを「自分自身の変わったこと」としてすでに書いてくれていましたが、シュールな笑いを追求するところや、日常の中に一瞬でも「自分らしさ」を作るプロだなと思っています。

なおちゃんの中にある、子育てが始まっても「変わらないこと」はなあに?

 

Illustration:Chiharu Nikaido

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