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日本だけでなく、世界各地で古くから伝わってきた植物療法。

連載「植物で叶える。現代版おばあちゃんの知恵袋」では、植物療法士であるWeekender編集部代表コラムニスト齊藤 渚さんが、今の暮らしに取り入れやすいフィトテラピーTIPSをお届けしていきます。

まだまだ暑さが続きますが、暦の上では秋。
そして、もうすぐ9月、と言えばお月見ですね。

いつもより月に思いを馳せる時。
そんな時だからこそ、女性の「月のもの」=月経を見つめ直してみませんか?

古来より、女性の身体と月のイメージは重ねられ、月経周期と月の満ち欠けのサイクル(約29.5日)はよく似たリズムを持つと考えられてきました。

また、満月の日は骨盤が開きやすくなり、その頃に月経が始まると月経痛が少ないであるとか、徐々に欠けて新月に向かっていく時期はデトックスに向いているので、経血をきれいに出し切ることができるといった説もあります。(その人にとって、ほぼ一定のサイクルで月経が来ていれば月のサイクルと違っていても大丈夫。心配しないでくださいね。)

月経は煩わしいイメージを持たれがちですが、月になぞらえて考えてみると、なんだか神秘的。

いのちを産み、育む女性の身体は、地球を生んだ宇宙にどこか通じるところがあるのです。

目次:
TIPS.1 ゆらぎにくい身体のための月見草オイル
TIPS.2 女性のためのバランスティー
TIPS.3 心のお守りアロマハンカチ

 

1.ゆらぎにくい身体のための月見草オイル

女性の体内では、日々、2つの女性ホルモンが変動して分泌されているため、心身の変調が起こるのは、ある意味自然なこと。

ただ、あまりに重いPMSや月経痛がある場合は、生活習慣やストレス状態などを見直す必要があります。

もちろん、身体に取り込む栄養も大事。

特におすすめは、月見草(イブニングプリムローズ)やルリジサ(ボリジ/ボラージ)のオイル。

ホルモンの分泌を正常化すると言われている、必須脂肪酸・γ-リノレン酸が含まれています。

肌の水分調節やバリア機能を高めるのにも必要な脂質なので、食事の補助として、毎日の習慣に取り入れてほしい1つです。

コスメキッチンや iHerb(アイハーブ)などの通販サイトで、カプセル状のものが市販されています。

ルリジサの方がよりγ-リノレン酸の含有量が多いですが、初めての方は月見草のオイルからお試しされることをおすすめします。

 

2.女性のためのバランスティー

PMSや月経痛、月経不順など月経にまつわるトラブルにおすすめのハーブティー。

通常、月経前(黄体期)は女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌が高くなりますが、これが不足しているとPMSが起こるとも言われています。

植物の成分には、女性ホルモンと似た働きを持つものもあり、月経の始まる約2週間前から補っておくと、症状の緩和を手助けしてくれます。

 

材料

・水:200ml
・メリッサ:小さじ1
・レディースマントル:小さじ1~2
・チェストベリー:小さじ1/3~1/2(最初は少なめから、様子を見て小さじ1まで増やしてOK)
※すべてハーブティー用(食用)の乾燥したハーブをご用意ください。

作り方

1.ティーポットにハーブと沸騰した熱湯200mlを入れる。

2.フタをして5~10分以上蒸らせば完成。
※抽出時間が長いほど有効成分が溶け出していきます。

多めに作り、500ml程度の保温水筒に入れて、1日に数回に分けて飲むのも良いです。

 

【植物の知恵袋メモ】

メリッサ:
植物性のプロゲステロン作用に加え、精神を安定させる効果があると言われる。
月経痛の緩和、月経前のイライラ・落ち込みにも良い。

レディースマントル:
植物性のプロゲステロン作用を持ち、月経過多や月経周期の調整にもおすすめ。

チェストベリー:
ホルモンの中枢である脳下垂体に働き替え、ホルモンバランスを調整。
安全性が高いハーブではありますが、まれに飲み過ぎると胃がムカムカするといった症状が出ることもあるため、最初は量を少なくして様子を見るようにしてください。

 

3.心のお守りアロマハンカチ

今回のコラムを執筆するにあたり、私のInstagramでアンケートを取ったところ、フォロワーさんの中ではPMS症状のうち、特にイライラや不安、落ち込みといった精神症状を挙げている方が多くいらっしゃいました。

こうした症状には、前述した栄養素やハーブティーで身体のベースを整えていくことが大切ですが、アロマも助けになってくれます。

おすすめは、柚子やベルガモット、ゼラニウム。

ハンカチに1~2滴垂らして持ち歩き、気持ちがキュ~ッとなるのを感じたら、さっと嗅いで心をほぐしましょう。

※精油には色がついていることも多いため、汚れが気にならないハンカチを使うか、コットンなどにしみ込ませると良いです。

【植物の知恵袋メモ】

柚子(精油)
不安を取り除き、落ち込んだ気持ちを持ち上げ、リフレッシュしてくれる。

ベルガモット(精油)
心のバランスを取ってくれ、落ち込んだ時、逆に怒りが収まらない時にも穏やかにしてくれる。

ゼラニウム(精油)
ホルモンバランスを整えつつ、精神面も安定させてくれる。気の落ち込みやストレス軽減に。

※上記を参考に、ご自身が良い香りと思うものをお選びください。

女性が元気でいるためには、月経の不調は放っておけません。

不調が長く続く、症状が重い場合には、婦人科の受診も大切です。

ぜひ、お月さまのシーズンを機に、自分の身体に向き合ってみてくださいね。

 

<参考文献>
「自然ぐすり生活」南上夕佳(ワニブックス)

Editor:Saki Goda

 

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