ここからは、NEXTWEEKEND代表の村上萌が、コラム形式でNATIVE STAYの過ごし方を綴ります。

「部屋に入ったよ。窓からの景色がすごく綺麗！」と、母から興奮気味のLINEが来たのは15時ちょうど。
旅館でもホテルでも、チェックイン時刻と同時に到着するためにしっかり張り切るところは昔から変わりません。
母に連れてきてもらった旅慣れた娘は、到着するなり部屋着に着替え、大浴場に行く準備をしていたんだそう。
これが私のNATIVE STAYの始まり。

私にとってのNATIVE STAYは、
季節や、流れる時間に身を任せるということ

私は何をしていてもあれやこれやと考えを巡らせてしまう方で、いつも何かを“やりかけ”であるかのような、少し忙しないタイプ。
NATIVE STAYを予約していた金曜日は少し早めに仕事を切り上げて、母と娘が待つ部屋に到着したのは17時ごろ。
歩きながらも電話をしたりと、まだ仕事モードを引きずりながら向かっていましたが、オフィスから徒歩10分ほどの三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミアは距離感が抜群。
近づくほどに仕事の頭が少しずつ切り替わっていくのを感じました。

部屋にこのウェルカムセットが待ち受けていることは、企画者でもあるのでもちろん想定できていましたが、いざ目の前にしてみると、どの時間に何を飲もう…！と想像以上に胸が膨らむ時間。

私の到着を待ち構えていた娘が、少し緊張しながら入れてくれたお茶を飲むティータイムは、「そうだ、私は本来、仕事から帰宅した瞬間に走りながら夕飯を作るんじゃなくて、こういう時間を作りたかったんだ…」ということを痛感するひとときでもありました。

3人でタクシーに乗って都心のレストランに向かうなんて滅多にないので、親子3世代なのにまるで女友達との待ち合わせみたいな高揚感。

（大好きな外苑前のモダンベトナム料理AnDi）

ホテルに戻り、大浴場のあとガウンに着替えたら気持ち良くなったので、スパイスを入れたホットワインで乾杯。

ホームパーティなどではあっても、母と家で二人でお酒を飲むことは滅多にありませんが、会話が途切れることに一切の気を使うこともない関係性でいられる人と、とりとめもない会話をして、お互いにワインを片手に、時折東京の夜景を見るためにベランダに出るなんていうのは、大人の時間を過ごしているのに子どもに戻ったかのような、不思議で心地よい時間でした。

（東京出身のはずなのに、あれもこれも都庁だと思っている母…）

レースのカーテンで眠ったせいか真っ直ぐに差し込む朝陽で目が覚め、コーヒーを淹れながら家族が起きる前に少しだけ気になっていた仕事を片付ける時間。

3つのシーンに合わせて調香したアロマミストスプレー、FUN,CREATIVE,SELF CAREの中からCREATIVEを選ぶだけで、随分と楽しく仕事を進めることができました。

朝風呂に入り、朝食を食べて外苑を散歩をしても、まだゆっくりできるレイトチェックアウトの喜び。
ホテルを出てからは、週末の青山ならではのファーマーズマーケットで野菜や花を買って帰りました。

NATIVE STAYが目指しているのは、“日常の延長線にある、だけど、ずっと叶えたかった暮らし”の提案。

私にとってのNATIVE STAYな時間は、忙しなく予定をこなすことではなく、季節や流れる時間に身を任せることでした。

1日が始まる時に感じる太陽の眩しさも、この季節ならではの空気の冷たさも楽しみながら、いつもの家族と過ごした約20時間の滞在は、とても近いところにある日常のようで、それでいて本来理想としていた時間を思い出すようなものでもありました。

同時に、自分にとってのNATIVE STAYには必ずしもオフであることは重要ではないんだということにも気づきました。

仕事と遊びを行き来すること、娘に対する母としての顔と、母に対する娘としての顔。

そして外と中、自然と都会を行き来すること。

それらがほどよい距離感にあり、いつでもそのスイッチを切り替えられるような生活こそ、100年時代を笑いながら歩き続けられるコツだとすら思っています。

次はどんなシーンでNATIVE STAYをしに来ようかな。