涙を流すことによって、心のデトックスをする「涙活（るいかつ）」。

確かに、感情のままに悲しみや感動に浸ったあとは、なんだかすっきりと落ち着くような気持ちになりますよね。

今回は、映画を愛するWeekender編集部に「休日前、一人でとことん泣きたい日に観る映画」を聞いてみました。

明日は何もないし、目が腫れても大丈夫。

そんな夜は、大好きなお菓子とドリンクをお供に、どっぷり映画の世界に浸ってみてください。

NEXTWEEKENDコミュニティマネージャー永田 尚子がお届けしていきます。

ミッドナイト・サン〜タイヨウのうた

「初めて観たとき、嗚咽するほど泣きました。

病気が絡む映画はアンハッピーがつきものですが、それでも『うん、よかった！』と思える展開になっていると思います。」

あらすじ

17歳になったケイティ・プライスは色素性乾皮症を患っており、それが原因で外出もままならない日々を送ってきました。
家にいざるを得ない昼間、ケイティの話し相手になれるのは父親しかいなかった。
夜になれば、ケイティは外に繰出すことができて、天気の良い夜には決まってギターの弾き語りをしていました。
ある日の夜、ケイティは隣人のチャーリーと初めて会話を交わすことができた。
ケイティは前々からチャーリーのことを知っていたが、直接会うことは叶わずにいたのである。
それからというもの、ケイティはチャーリーと親交を深めていったが…？

湯を沸かすほどの熱い愛

「涙無くしては見られない映画とは、このことだと思っています。
キャストたちの演技も熱すぎるのです…！

家族のあり方とは、人生とは…
今の自分に何ができるのか。

観終えたあと、じーんと胸が熱くなり、色々なことを考えさせてくれる映画です。」

あらすじ

死にゆく母の熱い想いと、想像もつかない驚きのラストに、涙と生きる力がほとばしる家族の愛の物語。

銭湯「幸 さちの湯」を営む幸野家。
しかし、父が１年前にふらっと出奔 し銭湯は休業状態。
母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。
そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。
その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。

レ・ミゼラブル

「この時代に生きた人たちが、懸命に生きていたということに強く胸を打たれる作品です。

今の世の中はすごく平和だけど、この時代は本当に理不尽であったこと、それでもみんな前向きに生きている姿が素晴らしいです。

そして、娘コゼットへの父の愛情には本当に本当に感動します。
はじめて、映画館に2回も観に行ってしまいました。

歌も最高です。
レ・ミゼの歌が流れてきたら、自分の悩みが小さいことだなと思わされ、気持ちが奮い立ちます…！」

あらすじ

世界的大ヒット・ミュージカルを映画化したミュージカル超大作。
舞台は19世紀のフランス。
1本のパンを盗んだ罪で投獄され、19年間を監獄の中で生きたジャン・バルジャン。
仮出獄した彼は再び盗みを働いてしまうが、司教の優しさに胸打たれ、過去を捨て、ついには市長にまで上り詰めるが、ジャベール警部に自らの正体を見破られ逃亡を余儀なくされる。
そんな中、薄幸の女性ファンテーヌから託された彼女の娘コゼットに深い愛情を注ぎ、美しい女性へと育てていくバルジャン。
コゼットに対する愛情の描写、コゼットの恋愛もからめながら、フランス革命時代に翻弄され、それでも強く生きる人たちの物語。

おおかみこどもの雨と雪

「この映画は『家族』を、そして『生きる』ということをテーマにした壮大なアニメ映画だと思っています。

これからお母さんになる方にもぜひおすすめしたいです。

見どころは、たくさんの苦悩や葛藤を抱えながらも、笑っていようとする主人公に心打たれるところ。
人間とおおかみ、自分はどちらの生き方をするのかという選択に迫られたときの力強い成長を描いたところにあります。

『しっかり生きて！』と大きな声で見送るシーンでは、画面が見えなくなるくらいきっと泣いてしまうはず。

大自然の風景などの繊細な描写も、美しい歌声も素晴らしいので、楽しんでほしいです。」

あらすじ

大学生の花は、彼と出会ってすぐに恋に落ちた。
やがて彼が人間の姿で暮らす”おおかみおとこ”だと知ることになったが、花の気持ちが変わることはなかった。
そして一緒に暮らし始めた2人の間に、新たな命が生まれる。
一見ごく普通の家族だが、生まれてきた子供たちは、「人間とおおかみ」のふたつの顔を持つ、≪おおかみこども≫だった。
そのことを隠しながら、家族4人は都会の片隅でひっそりと暮らし始める。
つつましくも幸せな毎日。しかし永遠に続くと思われた日々は、父である”おおかみおとこ”の死によって突然奪われてしまった。

リトルダンサー

「厳しい父親との親子愛には、思わず涙が止まりません…！

観終わった後には、自分も頑張ろうと背中を押してくれるような作品です。」

あらすじ

ふとしたきっかけでバレエに目覚めてしまった少年ビリー。
「バレエは女のやるもの」と激怒する職人気質の父親。
はじめはお互いに理解し合えないふたりが、かけがえのない大切な親子の絆をつかみ、ビリーの夢を叶えるまでを丁寧に描いていく。

私の頭の中の消しゴム

「人間は忘れる生き物だと言われています。
忘れたくないことは記録を残すことで思い起こすことができます。

しかし、この病ともなると、書いたことすら覚えていない、書いたことも理解できなくなるんです。
そんなどうにもならないことに向き合う夫婦の姿に胸が苦しくなりました。

身近な人を大切に、そして、毎日をしっかり生きようと思えます。」

あらすじ

建設会社社長令嬢と建設工事現場の現場監督という育った環境の違う二人だが、互いに惹かれ合い結婚し幸せな日々を送っていた矢先、妻が若年性アルツハイマー病に侵されていることがわかる。
徐々に記憶障害が進行し、肉体的な死よりも精神的な死が先に訪れる病で日々失われていく妻の記憶をつなぎ止める術はなく、遂には夫のことさえ記憶から消えてしまう。
夫は葛藤を覚えながらも、妻を大きな愛で受け止め、支え尽くす決意をする。

I am Sam

「日々、生活している中で忘れがちな気持ちを改めて再認識させられるような映画です。

周りの常識に流されずに、自分の大切な人にとっての幸せを一番に考える。
当たり前のようでもなかなか難しい、とても素敵な家族の愛を感じました。

映画の中で流れるビートルズの挿入歌もすごく素敵です。」

あらすじ

スターバックスで働くサムは、知能指数が7歳程度の知的障害があり身寄りのないレベッカと暮らしており、レベッカはサムの子を出産しルーシーと名付けます。
しかし、レベッカは退院後、行方が分からなくなりサム１人でレベッカの子育てすることとなった。
周囲と隣人女性アニーの協力でルーシーは明るく賢い子に育つ。
月日が経ち、7歳の誕生日を迎えたルーシーは自分の父親が他の父親と違うことに気がつく。
やがて知的障害のあるサムは、父として養育能力がないないとして親子が引き離され、失意にくれるサムだったが法廷で闘う事を決意する物語。

ペイ・フォワード

「世界を変えるには自分の半径5メートルから、というマインドが大好きです。
#週末野心にも繋がる考え方ですよね。

自分にできることは小さなことだけど、そこから世界が変わっていくってとても素敵だと思います。

ラストが感動的なんですけど、悲しすぎて衝撃…。
心して見ることをお勧めします…！」

あらすじ

ラスベガスに住むオリバーは、アルコール依存症の母と家庭内暴力を振るう父に悩む、中学１年生。
ある日社会の授業で、先生から「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をするか？」という課題を出されます。
オリバーは「自分が思いやりを受けたたら、別の3人に渡す＝ペイ・フォワード」を提案する。
さっそく彼は、社会のシモネット先生、ホームレスのジュリー、クラスのいじめられっ子の3人にペイフォワードを実行することを決める。
試してみるものの、なかなかうまくいかず、無理なのかな…と残念に思うオレバーだったが、彼の知らないところで、少しずつ世界は変わりはじめていた…。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

「1人1人の感情が絶妙に描かれていて、誰の気持ちも分かるなあとなりながら、応援したくなります。

小さい頃、秘密基地なんかを作った仲間たちは、すごく特別な絆で結ばれたような感覚が幼いながらにありました。
長らく会ってなくても、再開した途端昔に戻れるのは、そういう思い出のおかげかなあと。

次の日は休みで、余韻に浸れる日の映画としておすすめです。」

あらすじ

高校受験に失敗し、希望の高校に入学できなかった宿海仁太。
彼は、入学式以来ろくに登校しておらず、引きこもりの状態となっていた。
そんな仁太の元へ、小学生のときに川へ転落して亡くなったはずの本間芽衣子が現れる。

仁太は、芽衣子から「お願いを叶えて欲しい」と頼まれ、小学生のときに一緒に遊んでいた「超平和バスターズ」と久しぶりに再会し、芽衣子が成仏するための「お願い」を叶えるべく奮闘する。

だが、彼らには芽衣子の死に対するそれぞれの思いや、思惑があるのだった。

世界一キライなあなたに

「それぞれお互いを想うからこその行動や、深い愛情に心をうたれます。
もう、途中からずっと涙がとまりませんでした…！

悲しいストーリーとは裏腹に、主人公のひたむきな明るさと笑顔は、観ているとなんだか元気が湧いてきます。

ファッションもとにかく可愛くて、見所のひとつです。
とことん泣きながらも、パワーをもらえる素敵な映画です。」

あらすじ

舞台はイギリスの田舎町。
ルイーザ・クラークは、お洒落をすることが大好きな26歳。
ある日、働いていたカフェが閉店することになったルーが新たに得た職は、バイクの事故で車椅子生活を余儀なくされ、生きる希望を失ってしまった超ハンサムな大富豪ウィル・トレイナーのお世話係をする期間6ヶ月の仕事だった。
最初はルーに冷たく当たるウィルだったが、次第にウィルの頑な心を溶かしていきて、2人は恋に落ちていく。
しかしある日ルーは知ってしまう。
ウィルが決めた「生きる時間」があとわずかだということを…。

しあわせの絵の具

「夫婦愛がとっても素敵な映画です。

慎ましやかな生活ながらも、幸せそうな姿を見てると、私も夫とこんな風にになれたらなあと思わずにはいられません。

出てくる絵は、子供でも描けそうに見えるけど温かみがあって見ている人を幸せな気持ちにさせてくれます。」

あらすじ

カナダ東部の小さな町で叔母と暮らすモードは、絵を描くことと自由を愛していた。
ある日、町の商店で買い物中のモードは、家政婦募集の広告を貼り出した男に興味を持つ。
男は町はずれで暮らし、魚の行商を営むエベレット（イーサン・ホーク）。
モードは束縛の厳しい叔母から逃げるため、住み込みの家政婦になろうと決意。彼が１人で暮らす小屋のドアをノックした。 子供の頃から重いリウマチを患い…

しあわせのパン

「『しあわせ』とは何かを優しく教えてくれるような作品です。

私自身、大人になるにつれて、心が忙しくなってどこか寂しかったのですが…
人はひとりで生きているわけではなく、寄り添ってくれる「仲間」や「家族」がいることを気づかせてくれました。

心が少し疲れた人に、ぜひおすすめしたい作品。
春夏秋冬の季節の移ろいや、心地良い暮らしも素敵です。

観終わったあと、大切な人とパンを分け合いたくなるはず…♩」

あらすじ

小さな２階建ロッジのパン屋が湖畔に開店した。
夫のが焼くパンと、妻が入れるおいしいコーヒーが自慢の店。
店名は、お気に入りの絵本「月とマーニ」にちなんで「カフェマーニ」から。
たちまち近所で人気の店になり、子沢山で農家経営の広川一家、謎のトランクを持った阿部さん、地獄耳のガラス作家・陽子さん、そして毎日配達にきてくれる郵便屋さんなどの常連客に憩いの場を提供することに。
薪の竃で焼いたパンの他、自家菜園の野菜を使った料理も絶品。
１階のテーブル席では、大きな窓に湖畔の景色が映え、日が没すると月夜が輝く。２階は簡易宿泊所になっており、ときどき、正面のバス停を利用して遠方から旅行客も訪れる。

リメンバー・ミー

「音楽と家族の力を信じた感動的な結末で思わず涙せずにはいられない作品です。

劇中で歌われる『リメンバー・ミー』とは、家族を繋ぐ大切な歌。
『覚えていて』という訳のこの曲の裏には、心で覚えていてくれるだけで、亡くなった人もどこかで生き続けているというメッセージが込められています。

私自身も昨年、大切な家族やペットを亡くし、悲しみにくれているときにこの映画に出会い勇気付けられました。

映像美の美しさや劇伴音楽が素晴らしいのはさることながら、メキシコの文化や思想、オレンジ色のマリーゴールドの花でいっぱいになる「死者の日」という祝日のことを知るきっかけにもなりました。」

あらすじ

主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。
しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。
ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。
彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった。

冷静と情熱のあいだ

「別々の人生を歩みながらも、過去に交わした、もう相手は忘れてしまっているかもしれない約束を大切にしている2人の姿に心打たれました。
当時の彼と10年後の約束をしたほど…！

『過去を甦らせるのではなく、未来に期待するだけではなく、現在を響かせなければならない』という言葉は、昔はよくわからなかったけれど、大人になって改めて心に響きました。

雨の日のシーンが多いので、今の季節にもぴったりです。」

あらすじ

イタリアフィレンツェで絵画の修復士を目指す順正は、かつて心から愛していながらある出来事を境に、永遠の別れを選んでしまった恋人あおいをどうしても忘れられずにいた。聡明で冷静だが、いつも心に孤独を抱えているあおい。順正の心に宿るひとつの希望、それは10年前に交わした「あおいの30歳の誕生日にフィレンツェのドゥオモで待ち合わせる」という他愛もない約束だった。

いかがでしたか？

「泣ける」と一口に言っても、家族との関係性だったり、病との闘いだったり、迫られた選択肢への苦悩だったり、そこから生まれる感動だったり、どれも流れる涙の温度や質感が違うような気さえしますね。

おうち時間の増えるこれからの季節、ぜひ「思いっきり泣く日」という予定を作ってみてください。