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「すべてを忘れられる旅」とか
「非日常を感じる旅」とか
別世界を味わえる旅もいいけれど、

自分の日常に活かせるものを探したり
理想の暮らしについて改めて考えたり。

そんな毎日の延長線上で
ちょっとしたスパイスのある旅が
大人になるにつれて心地いいなと
思うようになった方は多いのではないでしょうか。

だから旅先を決める時
そこに暮らしのヒントがあるかどうかは
結構重要なポイントになっていく気がします。

今日はそんな方におすすめしたい
北海道の旭川周辺エリアの話をしたいと思います。

札幌、函館、富良野…といったような
北海道のメジャーな観光地ではないけれど、

暮らしに根ざした素敵なお店があったり
ちょっと憧れの生活をしている人がいたりと、
「なんだか気になる」が結構多い地域なのです。

きっと行けば、暮らしの野心がふくらむ。
そんな旭川エリアを旅してみませんか。

 

クラフトの街で見つける
ずっと大切にしたいもの

森林資源に恵まれ、
木材が豊富な旭川エリアは、
実は昔からクラフト文化がさかん。

家具や木工芸などの工房やメーカーが
大小合わせて100以上あるんです。

一度は行っておきたいのが
旭川市と隣接する東川町にある
北の住まい設計社」。

廃校となった小学校があったという
広い敷地内には、
家具がつくられる工房のほか、
生活雑貨ショップやカフェも併設されています。


▲廃校となった元校舎。ここが工房になっています。

天然の素材で家具を作ること、
環境にやさしい作り方であること、
修理可能な、しっかりとした手仕事であること。

豊かな緑あふれる工房では
「100年使える家具にしたい」という
想いのこもった家具作りが日々行われています。

何十年、何百年と生きてきた木だから、
それぞれに個性があるのは当たり前のこと。

そんな個性を職人がひとつひとつ見極め、
時間はかかっても手作業で仕上げていきます。


▲土地に根付いた暮らしの提案をしたいという想いから、輸入木材をやめ、100%北海道産木材にしているそう。


▲木を乾かすところからが家具づくり。
こちらの保存庫では、約2年かけてじっくり木材が乾かされます。


▲防虫剤、防腐剤も不使用だから、削りかすだって土に戻せる。


▲ここが家具の出庫口だなんて、素敵…。
 
安い家具をネットで簡単に買える時代ですが、
長い歳月をかけて育まれてきた森のことや
手間暇かけて大切に作る人々のことを
想像できる家具と一緒に歳を重ねていけたら
なんて幸せなんだろう…。

大切に愛着を持てるものに囲まれて
暮らす生活の豊かさを改めて実感できる場所です。

併設されているカフェでは、
ご近所や北海道内から仕入れたという
こだわりの食材でつくるメニューが楽しめます。

木のぬくもりと窓からの美しい景色を味わいながら
ゆったりとした時間を楽しんでみてください。

北の住まい設計社
北海道東川町東7号北7線
TEL :0166-82-4556

 

クラフトの街といえば、
“陶芸の里”として親しまれる
北の嵐山」でのお散歩もおすすめ。

別荘地のような落ち着いた住宅街の中に
様々な陶芸家のアトリエやギャラリーが点在しています。


▲旭川のクラフト作家達の作品に出会えるお店「クラフトブラウンボックス」


▲木とガラスを組み合わせた食器が魅力の「淳 工房」

器や雑貨などのお土産ものを探せるのはもちろん、
クラフト体験のできる工房や
休憩できる茶室などもあるので
半日かけてゆっくり巡るのも楽しそう。

作り手から直接話を聞きながら
「ずっと大切にしたいもの」を探してみては?

「北の嵐山」
北海道旭川市旭岡
各店舗の情報はこちらから

 

自然の中で体感する
季節を楽しむ暮らし

絵本の中みたいな夢のあるガーデンが広がる
上野ファーム」も、
旭川に来たら訪れたい場所のひとつ。

四季ごとにくるくると表情を変える、
何度訪れても楽しいガーデンです。


冬を目前に少しずつ草花が枯れ始めていたガーデンを「今はドライフラワーみたいなセピア色のお庭です。」
と素敵な紹介をしてくださったオーナー上野さん。

きっと春には一面明るい色の花が咲いて、
初夏にはつやつやした新緑がきれいで…なんて想像をしたら、
めぐる季節に寄り添って暮らしを楽しむことが
何よりも贅沢だなと思わずにはいられないはず。


北海道の代表的なガーデンにも選ばれるくらい
観光地として有名な上野ファームですが、
敷地内にオーナーご家族のご自宅もあって
広いガーデンのほとんどが手作りというから驚き。

もともとは農家でお米を買いに来てくれた方々へ
せっかくなら農場の散策も楽しんでもらおうと思い、
畑に小道を作り、花を植えたところから
スタートしたのだそう。(おもてなしの達人…。)

心が温かくなるガーデンで
季節を楽しむ暮らしをぜひ体感してみてください。

上野ファーム
北海道旭川市永山町16丁目186番地
TEL : 0166-47-8741
※現在はガーデンは冬季休業中、カフェのみ通年で営業

 

上野ガーデンを訪れたら、車で5分ほどの近場にある
クラークホースガーデン」も立ち寄りたいスポット。

外国の片田舎に来たような
気分が味わえる牧場では
美しい田園風景や森の中を乗馬させてもらえます。


▲想像以上に楽しく、
乗馬後は馬への愛が爆発します…

牧場の中にある小屋のようなカフェでは
ダッチオーブン料理が楽しめますよ。

小さい頃憧れた「大草原の小さな家」の
暮らしを思い出すような時間を味わえました。

クラークホースガーデン
北海道旭川市東旭川町桜岡160-4

 

地域を愛する人にもらう
暮らしのヒント

「この人に会ってみたい」
からはじまる旅って結構いいものです。

旭川空港から車で10分ほどの東川町には
素敵なお店を開く人や若い世代の移住者が増え、
ゆっくりと巡りたい場所がたくさん。

そんな東川でひときわ目立つ存在なのが
国内外から集めた洋服や生活雑貨が並ぶ
ライフスタイルショップ「Less Higashikawa」。

お店に入った瞬間に空気ががらっと変わる、
背筋がのびるような、だけどあたたかい空間。

「ネットでなんでもすぐ買える時代ですが、
ここにわざわざ来たい、と思える要素を
散りばめてお店づくりをしているつもりです。」
と語るオーナーの浜辺さんのこだわりが
お店の隅々にまで感じられます。

もともとこの土地で生まれ育ったという浜辺さん。

何気ない自然の風景が美しく豊かで、
山からの伏流水も美味しくて、
都会では真似できない暮らしができるこの土地を
外に出るたびに誇りに思うそう。


▲ちゃんと普段使いできるお土産を作りたいという想いから作った、上質な陶器でできたHIGASHIKAWAバッチ。

何をしてどこで暮らすか自分で選べる時代、
今の環境も自分で選んだはずなのに、
いつもまだ何か足りないという気持ちに
なったことのある方は多いはず…。

自分の暮らしと地域に
まっすぐ向き合う浜辺さんの
「ずっと暮らしたいと思えるこの場所を
自分の手で楽しくしていきたいし、
この街の魅力を次の世代にも伝えていきたい。」
という言葉には、はっと目が覚める思いです。

ちなみに、店舗の二階には
弟さんが厨房担当だというビストロや、
近所には浜辺さんの高校時代の友人たちが営む
アウトドアショップや飲食店もあるそう。

「ジャンルは違えど、
同じ方向を向ける仲間がたくさんいます。」
と語る彼に、この街の楽しみかたを聞くのもいいかもしれません。

Less Higashikawa
北海道旭川市豊岡11条5丁目 4-24
TEL : 0166-37-7677

 

いかがでしたか。

心地いい暮らしを自分の手でつくること、
大切なものを引き継ぐこと。
そんな力はきっと誰もがちゃんと持ってる。

そんなことを改めて気付かせてくれる
場所を今回はご紹介しました。

ちなみに、Weekender編集部のみなさんと
観光冊子を制作した上川町も、旭川の隣町。

北海道の小さな町から届いた、一通のメール。

じっくり巡るのが楽しいこのエリア、
ぜひこれからの旅先の候補に
入れてみていただければ嬉しいです。

 

(提供元:北海道観光振興機構)

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