ちょっと時間ができた日の夜。
たまにはひとり映画という予定を入れてみませんか。
バレンタイン前の今日は、チョコレートみたいなほろ甘い気分に浸れる恋愛映画をご紹介します。
ニューヨークの恋人
ロマンチックな気分に
どっぷりと浸かりたい夜に
舞台は1876年のニューヨーク。
レオポルド公爵(ヒュー・ジャックマン)は本当の愛を知らないまま、今日結婚相手を決めなくてはならないことに。
そんな中、ひょんなことからブルックリン・ブリッジから落ちてしまい、現代のニューヨークにタイムスリップ!
一方現代のニューヨークの広告会社で働くキャリアウーマンのケイト(メグ・ライアン)は、元ボーイフレンドのところに突然転がり込んできたレオポルトと知り合い、徐々にお互い惹かれあうようになり……、というストーリー。
男性と女性の性差がどんどんなくなっていて、それは生きていく上でもちろんとてもいいことなのですが、レオポルドがさりげなく朝ごはんを準備しておいてくれたり、ケイトが公園でひったくりに会ったとき、馬に乗って助けてくれたり、誠意のある手紙を贈ってくれたり……。
男勝り(という言葉が正しいのかはわかりませんが)に働きたいけれど、プライベートでは男性にさりげなくリードしてほしい、という欲張りな女心をくすぐられる作品です。
レオポルドがケイトをディナーに誘って、アパートの屋上でふたりで食事をしてダンスをするシーンがあるのですが、そこが本当に美しいので、ぜひワクワクしながら観ていただけたら嬉しいです。
監督/ジェームズ・マンゴールド
出演/メグ・ライアン、ヒュー・ジャックマン
※DVDは編集部私物
マイ・ブルーベリー・ナイツ
大人の恋にほろよいしたい夜に
彼氏に振られたばかりのエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、ニューヨークのとあるカフェに出入りするようになり、毎晩ブルーベリーパイを用意してくれるカフェの店主、ジェレミー(ジュード・ロウ)と話すことで少しずつ慰められていきますが、どうしても前の彼との恋を引きずってしまう彼女はある日旅に出る決心をして……、というストーリーです。
ウォン・カーウァイ監督らしい浮遊感のある映像と、ノラ・ジョーンズの心地よい歌声、全体を通した抑え目の演技、すべてがいい感じにブレンドされた、まさに大人のためのラブストーリーです。
そして何よりブルーベリーパイの美味しそうなこと……!
食べる、という行為って本当にセクシーで魅力的だなと改めて思いました。
この映画を観たあとは、チョコレートじゃなくてブルーベリーパイが食べたくなってしまうかもしれません。
それからこのジャケット写真がどのシーンのものなのかは、作品を観てからのお楽しみに!
監督/ウォン・カーウァイ
出演/ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ
DVD:¥1,800+税
発売元:アスミック・エース株式会社、フジテレビジョン
販売元:株式会社KADOKAWA
アバウト・タイム~愛おしい時間について~
心をじんわり温めたい寒い夜に
イギリス南西部のコーンウォールに住む青年ティム(ドーナル・グリーソン)は、両親と妹、伯父の5人で暮らす仲良し家族。
ただ、自分に自信のないティムは年頃になっても彼女ができないまま。
そんな中迎えた21歳の誕生日に、父から、この一家に生まれた男たちには代々タイムトラベル能力が知らされることに!
なんとか恋人を作るべくタイムトラベルを繰り返して、ようやくチャーミングな女の子メアリー(レイチェル・マクアダムス)と出会えたものの、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことになってしまって……、というストーリー。
またしてもタイムスリップものですが、今回は1作品目と違い、過去に戻るパターン。
日常の中のなんてことない会話やできごとの中にこそ、実は人生のきらめきが詰まっていて、この作品を観終わったあとは、平凡な気がしていた毎日も、彩り溢れる日々に感じられるような、そんな温かな気持ちになれる作品です。
それから、レイチェル・マクアダムス演じるメアリーのちょっとした仕草や髪型、ファッション、とにかく全部が可愛くて、一度観たら同性でも彼女に恋をしてしまうはずです。
監督/リチャード・カーティス
出演/ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス
Blu-ray:\1,886+税
DVD\1,429+税
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
おまけ:映画と合わせて楽しみたい
ビターな甘さのある、大人の恋の本
愛だの恋だのをいつも考えていられるほど、大人の女性の毎日は甘くないかもしれませんが、
バレンタインデーのある今月くらいは、恋の甘い気分を素直に楽しんでみませんか?
そんな恋愛モードな週末に読みたくなる本を3冊選んでみました。
(左)『私の好きな、あなたの匂い』長谷川千彩
実在の香水から喚起された36のショートストーリー集で、文章も装丁もとても美しい一冊です。
一番記憶に残るのは視覚でも聴覚でもなく嗅覚、なんて言われている通り、あの頃つけていた香水を嗅ぐと、不思議とそのときのシーンを思い出したりしますよね。
季節は全然違うのですが「夏の扉」というストーリーが個人的には一番気に入っています。
(中)『チョコレート革命』俵万智
この本が出たとき、確か私は中学3年生で、なぜか国語の授業でこの中のいくつかの歌が取り上げられて、意味は半分くらいしか分かっていなかったけれど、大人の世界を垣間見てしまったような、ドキドキを感じたことを今でも覚えています。
素敵な歌ばかりなのですが、本のタイトルにもなっている「男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす」という歌を、バレンタインの季節になるとなぜだか毎年思い出します。
(右)『WOMEN ぼくが愛した女性たちの話』ロバート・ハリス
著者のことは、“よく聴いているJ-WAVEから流れてくる、ダンディな声の人”という認識しかなかったので、こんなに憎めないプレイボーイだったのか、と、この本を読んで初めて知りました。
彼のこれまでの数々の恋のエピソードをまとめたエッセイなのですが、なんだか翻訳本を読んでいるような軽快な文章が心地よい一冊です。
それぞれのエピソードに、いろんな人の恋の名言がついていて、そこだけパラパラと読むのも楽しいはず。
※本はすべて編集部私物