金曜日の夜。
飲み会もいいけれど、たまにはひとり映画という予定を入れてみませんか。
「次の週末出かけよう#週末探検家」 がテーマの今月は、大人の探検心をくすぐる映画を3つご紹介します。
『LIFE!』
仕事にちょっぴりバテぎみな夜に
主人公のウォルターは写真管理部でネガフィルム管理の仕事をしている、冴えない中年男性。
これまで数々の表紙写真を飾ってきた写真家から「最後の表紙を飾るのにふさわしい写真」としてネガが送られてきたものの、該当のカットだけどうしても見つからず、ウォルターは世界中を旅している写真家を捜すために旅に出る……、というストーリー。
この映画は偶然見る機会があって、初めは冴えない男性の片思いの話なのかな?と思って見ていたら、どんどん思わぬ方向にストーリーが展開していき、写真家を探しにいく旅のパートはアドベンチャー要素たっぷり、そして思いもよらぬ写真家の粋な計らいで、ラストは爽快感に浸れる作品です。
会社が買収されて、写真管理部なんていうアナログな部署は真っ先にリストラ対象になってしまう、というエピソードは、出版業界で働く私にとっては他人事ではなかったりもするのですが(笑)、観終わった後はすっきりとした清涼感と、仕事がんばろう!という前向きな気持ちに包まれるはず。
暑い夏の夜におすすめの映画です。
監督/ベン・スティラー
出演/ベン・スティラー、ショーン・ペン
ブルーレイ¥1,905+税
2013年、アメリカ映画
発売・販売元/20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
(C)2015 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
『ロスト・イン・トランスレーション』
遠出ができなくてもワクワクしたいときに
CM撮影のために来日するものの、撮影現場で通訳がうまく機能せず、もやもやとした夜を過ごしていたハリウッドの映画スター、ボブ。カメラマンの夫の仕事についてきたけれど、ずっと一人でホテルに取り残されていたシャーロット。
2人は宿泊先のホテルで顔見知りとなって言葉を交わすようになり、東京の街へ冒険に繰り出すことに……というストーリー。
友達以上、恋人未満の2人の曖昧な関係が進むわけでもなく、ドラマチックな結末があるわけでもないけれど、この独特の浮遊感のせいなのか、夏になると見たくなる作品です。
2人が滞在するホテルの新宿のパークハイアットや渋谷や中目黒、代官山、京都。馴染みのある街が、外国人の視点から見るとこんなに新鮮でキラキラ輝いて見えることに衝撃を受けた覚えがあります。
夏休みというと、なんとなくどこか遠くに行かなければいけないような風潮がありますが、普段住んでいる街も、ちょっと視点を変えて探検してみるだけで、いつもとは違った発見があるものだな、と思わせてくれる作品です。
監督/ソフィア・コッポラ
出演/ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン
DVD¥3,800+税
2003年、アメリカ映画
発売・販売元/㈱東北新社
© 2003 LOST IN TRANSLATION INC.
『食べて、祈って、恋をして』
思い切ってどこかへ行ってしまいたい夜に
離婚を決意したライターのリズは、離婚協議中にハンサムな年下の俳優デヴィッドと出会い、一緒に住むようになるものの、やがて2人の関係は上手くいかなくなってしまいます。
何もかもうまくいかず、途方にくれたリズは一年かけて自分を見つめ直す旅に出ることに…。
イタリア、インド、そしてバリ、と、その土地ごとにガラリと印象が変わって、まるで映画を観ているだけで壮大な旅行をしてきたような気分になれる映画です。
何もかもがギクシャクしていたニューヨークでの顔から、イタリアでは感情も食欲も欲望のままに開放できるようになって、最後のバリではのびのびと新しい恋に落ちるという、旅が進むにつれてどんどんと人間らしく、本来の彼女に戻っていく姿が観ていてとてもすがすがしいです。
今必死にしがみついているものを思い切って手放してみたら、こんなに自由になれるのかも、幸せの基準は自分次第だなぁ、なんてしみじみ思ってしまうかもしれません。
監督/ライアン・マーフィー
出演/ジュリア・ロバーツ、ハビエル・バルデム
Blu-ray ¥2,381+税/ DVD ¥1,410+税
2010年、アメリカ映画
発売・販売元/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
一人映画をおすすめしているコラムですが、ビール片手に夜風を感じながら、みんなで観る映画イベントはこの季節ならでは。週末の予定に加えたい素敵な映画イベントを見つけました。
「第32回 星空の映画祭」
星空に手が届きそうな秘密の場所で、大自然に囲まれながら映画を観るイベント。
なんと野外映画館としては日本一標高の高い場所にあるそう。
(写真クレジット)
©星空の映画祭実行委員会