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大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、大好きな友達に子どもの写真を送らないでほしいと言われた相談者さんからのお悩みです。

萌さんこんにちは!
いつも楽しみに拝見しています。
今日は今すぐにでも萌さんの横丁に駆け込みたいお悩みを相談させてください。
学生時代から仲のよい友達で、子どもが苦手な友人がいます。
産後、地方に住む私にわざわざ会いに来てくれて、娘と遊んでもらったこともあり、その後も控えめに娘の写真を交えながら近況報告し合っていたのですが、最近、「ママ友ならいいと思うんだけど、私にはお子さんの写真は送らなくて大丈夫。」と断られてしまいました。
以前から、子ども(の写真)を見た時にテンション高く「可愛いー!」と言わざるを得ない雰囲気が苦手、子どもにあんまり興味がないというのは聞いていたのですが、私としては娘を1人の人として友達になってほしい、また、夫も交えて仲のよい関係だったので、彼女にとって娘は私の家族の一員ではなく、「子ども」という枠の中のままだったことにショックを受けてしまいました…!

今後連絡を取る中で、写真だけでなく、娘の話題をなんとなく避けながら話すのは寂しいと思いつつ、仲がいいからこそ、どう接していけばお互い楽しいか分からなくなってしまいました。
萌さんだったら、このような時どのように切り返しますか?
またラジオで「私は気にしい」だとおっしゃっていましたが、頭の中が悩みでいっぱいになった時の切り替え方法を教えていただきたいです!
よろしくお願いします。

(32歳・女性・主婦)

こんにちは。

久々に長袖の洋服を着て、ホットコーヒーが美味しい朝です。

夏の終わりがあんなに切なかったのに、こうして過ごしていると、そういえば秋が大好きだったという事実を思い出すんですよね、しかも毎年。

四季があるっていいなぁ。

さて!お悩みをお送りいただきありがとうございます。

正直、どちらの気持ちも理解できるお悩みでした…。

お友達が、遠いところ産後の相談者さんに会いたいと思った気持ちも、新しいライフステージで奮闘しているのを応援したいと思ってくれている気持ちも、本当だと思います。

だけど、無理に合わせるでもスルーするでもなく、わざわざその言葉を選ぶからには、仲が良いほどに葛藤している部分もあるのかもしれません。

特に学生時代からの関係ということで、将来の話をしたり、彼女にとって共に歩んできた道のベースにいるのはママになる前の相談者さんなのだと思います。

今こうして相談者さんの生活の中心にお子さんがいて、それがメインの話になってしまうことで、「よかったね」と思う反面、理解できない部分や遠いところに行ってしまったような気がして、送られてくるたびにその事実を突きつけられているような気持ちになり、それを素直に応援できない自分も嫌で、これからも仲良くしたいと考えた末に「送らないで大丈夫」という言葉を選んでしまったのかもしれません。

それでいて、相談者さんの

「私としては娘を1人の人として友達になってほしい、また、夫も交えて仲のよい関係だったので、彼女にとって娘は私の家族の一員ではなく、「子ども」という枠の中のままだったことにショックを受けてしまいました…!」

という気持ちもよく分かります。

自分にとっての我が子は、日々何かができるようになることも愛しくて、まるっきり日常を変えてくれた唯一無二の存在なので、その存在を自分の付属のような扱いにされてしまうと、自身の毎日を否定されたような気持ちにすらなってしまいますよね。

子どもが好きではないのは分かっていても、自分の子どもだからこそ仲間だと思って欲しかった…、という気持ちも分かります。

これは私の考えですが、今はしょうがないと思います。

お二人がこれまで一緒に歩んできた道と、今歩いている新しい道との距離が少し近すぎます。

人生100年時代を、それぞれの人間が様々な道を作りながら歩いている絵をイメージしてほしいのですが、その過程で多くの選択をしながら、道ができているとします。

どちらが良いとか悪いとかではなく、女性におけるライフステージの変化は、その道の作り方を大きく変えるきっかけになります。

学生時代から仲の良かったお二人の道は、作りは違ってもこれまで近しいところにあったはず。

それが変わった直後、お互いにまだ生々しいパラレルワールドが見え隠れするタイミングでは、自分自身と比較することも容易で、素直に相手の道を応援できない部分もあるのかもしれません。
(もちろん、比較云々ではなく生涯通して本当に子どもが苦手…。という方もいらっしゃるとは思いますが)

極端な例ですが、地方に住んでいるという相談者さんが子育てですごく必死な時に、近況報告を兼ねてと、都会に住む大好きな友達が、夜な夜なお洒落なバーから女友達ととんでもなく美しく着飾ったツヤツヤなご自身の写真を送ってきてくれたら、よかったねと思う反面、深層心理では落ち込んでしまう、そんな感じです。

だけどあと少し経って、お互いに選択を繰り返して、比較できないくらい道が別物になっていけば、また交わることも、本当に喜び合えることもできるかもしれません。

俯瞰で見れば、道なんて大体同じなのに、作っている渦中ではきっと大きく違って見えるんですよね。

たとえば、相談者さんにお子さんが後4人生まれて5人のママになったら、もはや「子どもの写真を送らないで」というよりは「ちょっとあんた!次の連休手伝いにいこうか!?」と言ってくれるかもしれません笑。

今がたまたま、これまでの道と物理的には近いのに、精神的にすごく離れて見える絶妙なタイミングなんだと思います。

敢えてお子さんの話題を避ける必要もありませんが、彼女が相談者さんとこれからも仲良くしていきたいと思っている=同じ気持ちで子どもの成長を喜んでくれる、という図式を、今は求めることなく友達関係を築いていけるといいですね。

時間はかかるかもしれませんが、相談者さんのお子さんが大きくなった時、お子さんが嫌いという彼女と三人で旅行に行ったりして、自分がいない間にも「最近学校どう?」なんて会話をして、気づけば一人の人間として友達になってくれていたりしたらいいですよね。

これから出会うママ友も大切な友人だと思いますが、ママになる前の自分を知っていてくれて、ずっと好きでいてくれる存在はこの後増えることはありません。

これからも仲良くしていきたいのであれば、うまい切り返しを考えるよりも、そういうこともあるよな、と彼女の気持ちを想像しながら割り切って、うまく付き合っていけるといいですね。

応援しています!

 

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身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


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著者:村上萌
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