NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、自己肯定感が低い息子さんに自信を持って生きてほしいという相談者さんからのお悩みです。

もえさんこんにちは。いつも投稿楽しみにしています。
私には4歳の息子がいます。
息子は、出来ない事があるとすぐに怒り「僕はバカなんだ」と言って諦めてしまいます。
今ひらがなの練習をしているのですが、上手くいかないとすぐに怒ってやめてしまいます。
今後小学生になったら、勉強も始まるのでこのままでは不安です。
努力して、出来るようになって自分に自信を持って生きてほしいと思っています。
私も小さい頃から勉強が苦手、運動が苦手なので自己肯定感が低く生きづらさを感じています。
息子には、萌さんのように人生を楽しんでほしいです。

萌さんが子育てする上で、努力の大切さや人生の楽しみ方をどう伝えていっていますか?
(36歳・女性 ・ 主婦)

この原稿を書いている今日は、久々に長崎に晴れ間が広がっています。

昨年の今頃は、長崎に住むことも畳の家に住むことも想像していなかったけど、日本の夏の風物詩スリートップとも言えるような畳、縁側、風鈴が揃うと、小さな頃こういう家に住んでいた訳でもないのに、ノスタルジーに包まれて癒されているから不思議です。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

ちょうど少し前にインスタグラムのストーリーズで、我が家の3歳の娘が自分でお絵かきをしながら「えー、めっちゃ可愛い!いい感じ~」と自分を褒め称えながら色を重ねている動画に「ずいぶんと自己肯定感が高く育っている…」といったキャプションを添えて投稿したところ、私自身その動画に深い意味はなく、ギャル化している娘に対するツッコミのような気持ちで書いたものの、子どもの自己肯定感の低さに悩んでいらっしゃる方から多くのDMをいただきました。

相談者さんと同じように、子どもに自信を持って生きていってほしいと思っているけど、実際日々の声かけなどに不安がある方が多いようです。

私も教育の専門家ではないので、一緒に考えてみるつもりで今回はこちらのお悩みを選ばせていただきました。

「僕はバカなんだ」と自己否定をしてしまうことや、できないことがあると怒り出してしまうというのを目の当たりにすると、親としては「そんなことはないよ」と声をかけつつも、どうしたらいいか分からなくなりますよね…。

もしかすると、結果で優劣を決める機会が少しだけ多いのかな?と思いました。

テストの点数に伴う順位が廊下に張り出されてしまったり、運動会で順位がつけられたりと、人生において結果で評価されることは多々あります。

できたことを褒めるのはもちろん重要ですが、その過程でどんなことを考えたのかを聞いて褒めてあげられるのは側にいる大人の役割なのかなと思っています。

たとえば、娘に「タコを描いてみて」と言った時に、全然違うものを描くことがあったとします。(よくあります…。)

それを「いや、違うじゃん。タコはこうだよ!」と否定して正解を教えるのは簡単ですが、その前に「どうしてこれを描こうと思ったの?」と質問をして、「たしかに、それは面白いね」と思考を評価した後に「ちなみにタコってね」と教えるような流れです。

実際にこの質問をすることで、こちらが想像する以上に子どもの頭の回転は早く、新しい世界を教えてもらうことも多々あります。

正解を教えることも大切ですが、子どもの考えを尊重するということを大前提にすると、息子さんも、正解を作れないことに腹をたてるよりは、自分なりに頑張ったことを話してくれるようになるかもしれません。

まずは自分で選ばせる、決定させる、意見を聞く、というのを日常的に心がけられるといいですね。

あとはやっぱり、“自分はただいるだけで価値のある存在だと感じてもらう”というのは、親の最も重要な任務だと思います。

習い事の多様化に莫大な情報、SNSに触れていない子どもたちだって他人と自分を比較せざるを得ない環境になってきています。

また、家業や様々な理由で最初から子どものレールを敷こうとされる方もいるかもしれません。

世界を見れば深刻な問題は限りなくあって、よその家庭の考え方を否定することはできませんが、子どもはたまたまその家に生まれてくれただけであって、まったく別の人生を歩むひとりの人間です。

親になった人は、その子の人生をまるごと応援できるといいなと思っています。

そんな中で、自分は~ができるから愛されている、~をやっているから認められている、と外的要因に依存した評価の仕方をしてしまうと、それが無くなった時、失敗した時に、戻る自分がなくなってしまうと思っています。

子どもの成長に合わせて期待してしまうことも沢山あるかもしれませんが、すべてのタグがなくなったとしても、あなたがいてくれることに価値がある、ということを常日頃から伝えられると、どれだけ失敗してもそれらは付加価値でしかなくて、「自分なら大丈夫」という確固たるベースの自信が培われていくと思います。

そのためには、直接的に「あなたがいてくれることに価値がある」と伝えても理解しづらいと思うので、一緒にいる時に何度でも「楽しいねぇ」と笑い合うこと、定期的に「生まれてきてくれてありがとう」と伝えること、眠る前に「今日もよく頑張ったね」と頭を撫でてあげることなど、何もしていない時の子どものことを、しっかり肯定してあげることが大切なのかな、と思っています。

とはいえ甘やかすのとは違うので、誰かに迷惑をかけたり傷つけたりするようなことは、ちゃんと正さなくてはいけませんが、それも、経験値の少ない子どもに対して突然否定したり怒ったりするのではなく、それをすることで、どんな影響があるのか、相手がどんな気持ちになるのか、ということを教えてあげられるといいかもしれません。

褒めたり教えたり認めたりの繰り返しで、良くも悪くも自分の与える影響ということを実感していくことは、存在意義の確立にもなると思います。

子育てに正解はないので、手探りな生活はこれからも続くと思いますが、勉強ができなくてもスポーツができなくても、「あなたなら大丈夫」と言い続けてあげられるのは親御さんの特権です!

お互い楽しみながら頑張りましょう。応援しています!

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

大きな声では言いづらいけどちょっと誰かに聞いてほしい…

そんなお悩みがある方はぜひ以下のフォームからご投稿ください。

お悩み投稿フォームはこちらから

※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。

▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

 

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
Amazonで購入する

 

Share On