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栃木県とNEXTWEEKENDのコラボレーションからなる、「理想の暮らしから考える、自分らしい地方移住」企画。

県外から栃木県に移住された方のお話を聞き、地方移住の魅力を探る連載シリーズの第3回目は、クリエイターのRARI YOSHIOさん。

「こちらにどうぞ」と、自宅で出迎えてくれたRARIさんの案内の先には、緑に囲まれたテーブルセッティングが…!

小川のせせらぎや木々の葉が揺れる音、牛の鳴き声、枝から吊るされたウィンドチャイム。

やさしくきらきらしたBGMを聴き、爽やかなハーブティーを飲みながら、ここに移り住んだ経緯を伺いました。


▲着いて早々、取材スタッフを虜にした抜群のロケーション。

 

人生を変えたのは、自然に向き合う暮らし

那須に移住する前は、逗子に住んでいたRARIさん。

RARIさん:
「住んでいたのは、歩いて海に行ける距離にある家。

夏は貝拾いをしたり、気持ちのいい環境ではあったのですが、住み続けると海の景色はフラットな印象で、もっと四季や大地をしっかり感じられる生活がしたかったんです」

そんな思いが芽生え始め、温泉や釣りにと、たびたび遊びに訪れていた那須に惹かれていったのは自然の流れだった、といいます。

RARIさん:
「ただ、観光で訪れているだけでは暮らしの様子まではなかなか想像できないですよね。

まずは借家で生活してみて、自分にあった土地を本格的に探し始めることにしました。

2007年に那須に移り住み、イチから畑をやり始め、理想に近い暮らしができると確信。

数年後には、地元に住む方とのご縁があり、この土地に移ることができました」

自分の居場所をじっくり探すために、まずは移り住む。

先入観を持たずに即行動に移すことは、よりよい住まい探しのための有効な方法なのかもしれません。

手に入れた150坪の土地に家を建て、野菜を育てるために家の裏の300坪の土地もあわせて借りることに。

もともと牧草地だった広大な土地を、夫の一弘さんが土を耕し、植樹して庭づくりをスタートしたのが10年前。

「敷地内の植物の手入れは、夫婦一緒にマイペースにやってきました」という庭には、野菜やハーブ、季節の野花などが気ままに同居していて、なんとも自由で魅力的な景色になっています。

RARIさん:
「この桜は、もともと逗子のお花屋さんで買った桜の切り枝だったんです。

ここまで大きくなって、植物本来のエネルギーを感じますね」

のびのびと四方に育った山桜、どんぐりから芽出しをしたクヌギの木…大地に根を張った立派な木々たちが、この土地の素晴らしさを物語っていました。

RARIさん:
「移住当初は知り合いが全くいなかったけれど、今では草刈りを気軽に手伝ってくれる友人たちもできて…手をかければかけるほどいい景色が見えてきます」

植物に抱かれるような暮らしの中で、少しずつ表情を変える自然に、飽きることなく感動する日々。

自分にとっての価値を持つこと=豊かな暮らし、という方程式は、この連載シリーズを通して「栃木に移住してよかった」という方々がみな、口を揃えていたことでもありました。


▲自由に庭散策する黒豆柴のソヴァくん。

 

庭からインスピレーションを受けるものづくり

庭から畑へと案内してくれたRARIさんから、一瞬一瞬に変化していく植物の愛で方を教えてもらい、自然に包まれながら暮らす疑似体験をさせてもらった取材スタッフ一同。

オーデコロンミント、タイム、ユーロフィア、チョコレートコスモス、山葡萄、いちじく、ごぼうの実などなど…秋を感じさせる植物をあちこちに発見でき、春には色とりどりのお花畑になり、季節ごとにまた違った景色を見せてくれるというから、また訪れてみたくなります。

RARIさん:
「この綿毛は、“カルドン”というアーティチョークの原種。よく私の作品にも使っています」

クリエイターのRARIさんにとって、ここは安らぎの場所でもあり、インスピレーション源。

その流れで、自宅に併設されているRARIさんのアトリエショップ「JARDIN BLANC(ジャルダン ブラン)」へ。

イラスト、デザイン、空間ディレクションなど、幅広い活動をしているRARIさんのクリエーションが、空間の余白いっぱいに詰め込まれています。

自家製コーディアル、ドライブーケ、植物や動物モチーフの原画…これはすべて庭からの恩恵によるもの。

そんなRARIさんの創作には、逗子に住んでいた頃から少なからず変化があったといいます。

RARIさん:
「那須に来てから増えたのは、植物をモチーフにした作品ですね。

この土地に身を置くことで、いままでにないアイデアが生まれています。

あと、毎日いろんな発見があるので、写真を撮ることも増えましたね」

RARIさんのInstagramでは、美しい那須の自然を切り取った投稿を楽しみにしているファンも多い。

RARIさん:
「“癒されました”というコメントをもらうことが多いです。

お庭を散策している気分を味わってもらえたらと思って、ストーリーズに動画をあげたりもしました。

もっと欲をいえば、香りも届けられたらいいんですけどね(笑)」


▲庭にあったカルドンの綿毛をガラス瓶に入れてオブジェに。

「モノを売る場所というよりも、この土地を見て欲しいという想いがあって作りました」というように、アトリエを訪れたお客さんには、お茶を飲んでもらったり、野菜を食べてもらったり、ミント摘みをしてもらったり…と庭や畑を案内するのがいつものパターン。

そのサービス精神の根っこには、「那須には目的を持ってくる方が多いので、自然の中の贅沢さを味わってもらいたい」という想いがあるといいます。

インプットとアウトプットに欠かせない植物との関係性、誰かにシェアしたくなる環境。

案内ツアーが終わった頃には、その暮らしのすべてに、取材スタッフもみな虜になりました。


▲取材スタッフも味見したマイクロきゅうり。フルーツのような瑞々しさ。

 

栃木で見つかる、それぞれの新しい未来

RARIさんが那須に移住して、今年で12年目。

RARIさん:
「子年(ねずみどし)に那須に移住し、12年目の今年で干支も一周、ひとつのサイクルを迎えたことで、しっかりと根付いた感じがするんです」

その気持ちは、世界規模で生活様式ががらりと変化した2020年においても変わらない。

RARIさん:
「都内にわざわざ出向かなくても、オンラインでできることが証明できて、私も楽になりました。

リモートの打ち合わせでは、庭を背景にして、さらに鳥の声が聴こえてくると、リモート先の方々は“リフレッシュできた”と喜んでくれて。
今までになかった、そんなやりとりの変化も楽しんでいます。

閉塞感があったコロナ渦の中でも、幸いにも私の暮らしはさほど変わらなかった気がします。

じっくりと自然に向き合うことができ、豊かな気持ちでこの地にいられたことに感謝しかありません」

環境とうまく響きあうことで、新たな暮らし方のスタンダードを見つけたRARIさん。

最後に聞いてみたのは、移住先での仕事の見つけ方について。

RARIさん:
「私自身の話になりますが、遊びにきた友人に、庭の植物をブーケにして手土産にした時のこと。

ハーブを摘んでラフに束ねただけなのに、とびきり感動してくれて…そんな時に、ふと思ったんです。

こんなに自然が溢れている場所なのに、意外とすてきな花屋さんが少ないな、と。

それが、花関係の創作をするきっかけになりました。

都会にない“すき間”を見つけることができるのは、その土地に暮らしてこそ。

“ありそうでないもの”が仕事になるのは、田舎の良さですよね」

住まいも仕事も、暮らしの延長線上で見出していくのがRARIさん流。

実際に、宇都宮の地元百貨店や黒磯のカフェで、イベントや季節の装飾をディレクションしたりワークショップしたりと、栃木での仕事の幅がどんどん広がって、一年中大忙し。

自分で切り開いたことが豊かに実を結んでいる証です。


▲「葉っぱ一つに意識を向けるだけで、見える世界が変わります」とRARIさん。

独自の文化を築いている黒磯、地元の人々とのあたたかな交流ができる宇都宮、いいアイデアがあれば社会実現できる可能性にあふれている那須。

他にもたくさんの魅力的な町がある、栃木。

もし、少しでも興味が沸いたなら、次の週末にでも訪れてみてはいかがでしょうか。

この連載で出会った、地方移住によって人生が好転した方々のように、その先には明るい未来が待っているかもしれません。

全3回の記事はこちら
vol.1「自分と家族の “幸福感” に向き合ったら、叶う場所がここにあった
vol.2「どこの場所にいても、自分のルーツが強みになって誰かと繋がれる
vol.3「大自然の中での生活が、新たな暮らしのスタンダードを作ってくれた」

 

記事のご感想を寄せてくださった方へのプレゼント

記事【移住の本音vol.3 】をご覧いただきありがとうございました。

下記のアンケートフォームよりご感想をくださった方の中から抽選で1名様に、RARIさん手作りの季節の壁掛けをプレゼントいたします!

※画像はイメージになります。季節の草花で作成します。

フォームは質問4つのみ。
ぜひこの機会に、ご感想を聞かせていただければ嬉しいです。

募集期間
12月13日(日)から12月27日(日)まで
当選者発表
当選枠1名、1月中旬頃を予定。
※当選者の方にのみご連絡いたします。
※お客様の個人情報は本記事企画でのプレゼント発送にのみ使用いたします。

この記事は、NEXTWEEKENDと栃木県とのコラボレーションで制作しています。

Text:Hitomi Takahashi

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