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大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、子どもをもたない人生に罪悪感を感じるようになってしまった相談者さんからのお悩みです。

萌さん、こんにちは!
いつも楽しんで各種コンテンツを見させて、実践させてもらっています。
手帳もわくわくしながら日々使っています。
ありがとうございます!
今、私は子どもがいないことで罪悪感を度々感じています。
28歳で結婚し、妊娠を希望していたものの、なかなか妊娠しなかったため、不妊治療を始めました。
しかし、仕事をしながらの不妊治療は想像以上に困難で、精神的負担も大きかったので、治療は止めてしまいました。
今の状態ですと、まったくの自然妊娠はなかなか難しい状況です。
幸い、夫は子どもができないのなら2人で楽しんでいこう、と言ってくれていますし、双方の両親も理解があり、孫を産め、というようなプレッシャーを感じることもありません。
仕事に家事にレジャーにと、日々の暮らしを大切に、充実した日々を送っています。
ですが、日々が充実するほど、”子なし”の罪悪感を感じてしまうんです。
例えば1人の休日、美術館へ行って、お気に入りのカフェへ行った時。
「ああ、幸せ!」と思うのと同時に、「同世代のママたちは日々寝不足になりながら子育てに奮闘しているのに、私は1人でこんな贅沢な時間を過ごしていていいのか…。」と思ってしまいます。
不妊治療はこれ以上しない、と自分が決断したのでそれについては後悔はありませんが、この“子なし“についての罪悪感の正体がわからないでいます。
最近、友人や姉が出産し子育ての大変さを身近で見ていて、罪悪感をますます感じます。
このモヤモヤとした感情に、何か良い対処方法があったら教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いします。
(31歳・女性・会社員)

2020年最初のお悩み相談コーナーです。

年末年始って毎年本当に空が澄んでいて、清々しいですよね。

人それぞれ、いろんな1年になるのだろうけど、始まりのこの時だけは、天が、全員気持ちよくスタートを切れるようにしてくれている気がして、「やっぱ粋だなぁ」みたいな顔で空を見上げていたります。

今年もどうぞ宜しくお願いします!

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。

とてもデリケートなお悩みで、なかなか身近な人には話しづらい部分もありますよね…。

これは私の考えなのですが、相談者さんの現状にかかわらず、「違う道を選択することもできるかもしれない」という状況で、別の道を歩く場合、しばらくの間は、隣の道もチラチラ見えてしまい、罪悪感というものは少なからずついてくるものだと思っています。

仕事をやめて専業主婦を選んだ方、逆に、専業主婦をやめて働き出した方、親の反対を押し切って上京した方などなど。

もっともっと年齢を重ねたり、後にはひけない状況まで進んで、もう隣の道が見えないところまで歩ききれば、自ずとスタイルが確立できることもあると思うのですが、歩き出したばかりの時が1番色々な葛藤があるのだと思います。

ただ、このお悩みをいただいて気づいたことなのですが、10年前に、私が就職活動を経たにもかかわらず、全てをやめてニート状態で大学を卒業してしまった時、焦りや劣等感こそありましたが、罪悪感はなかったんですよね…。

そう考えると、罪悪感の先には必ず他者がいるのだと思います。

今の私が急に仕事をやめてニートになったら、会社内外含め、関わってくれている全ての人に与える影響があることは想像できますが、当時は私が就職しようとしまいと、その時点では誰かに何かを与えることはなかったんですよね。

だから、罪悪感を抱く相手がいなかった。

(もちろん、ここまで育ててくれた親に恩返ししたい気持ちはありましたが、それは就職以外にも方法があると思っていたので…。)

なので、相談者さんが今抱えていらっしゃる罪悪感は、同世代のママに対してではなく、自分の歩き出した道によって、同時にそれぞれが別の道を歩くことになった、親やパートナーという、身近な相手に対するものなのかもしれません。

今の状況を受け入れて一緒に進もうとしてくれているとは言え、自分の行動や決断によって、誰かに影響を与えるということは、その道が良いとか悪いとかではなく、どんなことでも大きな心労があるはずです。

そしてその道に、社会の風潮が向かい風となるような今の日本では、罪悪感というものを抱いてしまうこともあるのかもしれません。

だけど、様々な葛藤を乗り越え、ちゃんと自分の見つけた今の道を歩き出したのなら、その道の歩き方を楽しんでいこうとする、今の相談者さんのスタンスがとても素敵だと思います。

あとは、先述したように自分の歩き出した道により、別の道を歩き出すことになった身近な人と、これから先どのような関係でいて、何を大切にしながら、どんな経験を与えられるのかということに向き合えると、今より楽になるかもしれません。

子どもをもつこと以外でも、家族として与えられる影響はたくさんあります。

道はとても長いので、別の道が見えなくなるまで、もしくは今の道の相談者さん自身の楽しみ方が確立するまでには、もう少し時間がかかることもあるかもしれません。

だけど、自分とそれ以外の道、と思うのではなく、ご友人のこともお姉さんのこともそれぞれが色々な選択肢の中から今の道を選んで、ある意味1人で歩いているのだと思ってみてください。

今は子どもの有無によって、自分とは違う道、と思ってしまっているかもしれませんが、実はみんな1人なんだと思います。

そう思えると、子どもの有無にかかわらず、新しく共感できる部分が新しく見えることもあるかもしれません。

相談者さんの年齢的に、まだしばらくは周りから出産の話を聞くことも多いかもしれませんが、子どもをもたない生き方で、スタイルを確立しながら謳歌している人もたくさんいます。

日本の風潮的に、後者の方は考えを表明することで、誰かを否定しているようにとらえる人もいれば、心ないコメントをする人も多いので、あまり発信を見かけないかもしれませんが、私の周りにも、あぁ、格好いいなぁと思う歩き方をしている女性がたくさんいます。

(女優の山口智子さんが、子どもをもたない生き方についてこたえられているインタビュー、おすすめです…!)

相談者さんが人生で追求したいことや、大切にしていることを深めて、子どもをもつということ以外で、身近な人や、社会に対して与えられることはたくさんあります。

相談者さんの歩き出した道を、応援しています!

良い1年になりますように。

 

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