NEXT WEEKEND DATE

こんにちは!
NEXTWEEKENDコミュニティマネージャーの永田 尚子です。

この連載「突撃!隣のWeekender」では、私たちと一緒にNEXTWEEKENDを作っている47都道府県の日常編集者「Weekender編集部」の中から、私たちが毎月提案している月間テーマにぴったりのメンバーにインタビューをしていきます。

今月の月間テーマは
「あれもこれも」な、この季節 #秋のしわざ 】。

旬のものが美味しい時期にちなんで、テーブルコーディネーター/プロップスタイリストとして、食まわりを中心にスタイリングのお仕事をされたり、初心者向けうつわ選びのバイブル「はじめてのうつわえらび」をnoteで連載されている菅野有希子さんをフューチャーしました。



お名前:菅野有希子(すがの ゆきこ)さん
Weekenderになった年: 2015年
住まい:東京都
生年月日:1983年1月30日
職業:テーブルコーディネーター/プロップスタイリスト
商品撮影のスタイリング、撮影、VMD、コラム執筆、レッスン講師など。
食や住などを含むライフスタイル提案のスタイリング。
note:@yukiko130
Twitter:@yukiko130
Instagram:@yukiko130

「テーブルコーディネーター」は、食卓をコンセプトに合わせて作りこむことかな?と、なんとなくイメージが湧くと思うのですが、ちょっと聞きなれない「プロップスタイリスト」についてご紹介します。

簡単に言うと、小道具を使って空間を素敵にプロデュースするお仕事。

例えばシャンプーの写真を撮る時に、タオルやヘアブラシを添えて、植物や泡をあしらうなど、その商品が活きる演出をそこに生み出す人のことです。
最近では、こんなスタイリングをされたそう。

▲ヘアケア製品で有名な @milbon_FYB_MAG さんのインスタアカウント。
みんなで「どのヘアケアが好き?」と持ち寄ってワイワイしてる、ホテル女子会的なイメージでスタイリングされたそうです。

 

さて、そんな菅野さんに早速、いろいろと伺っていきたいと思います。

 

1. 食まわりのスタイリングを仕事にするには?


なおこ:
読者の中には「好きを仕事にするには?」に悩んでいる方も多いと思います。

有希子さんが、好きなことを仕事にされるに至った経緯を聞かせてください。

菅野さん:
私のオススメは、とにかく「自分探しをしないこと」。
人に褒められたことを深掘りしていくのがいいと思います。

私も夕食の写真をフェイスブックにあげたらいいねとコメントがたくさんついた、みたいなささやかな「褒められ」から始まっていて。

それを続けているとそのうち料理…?いや、食器かな?と気づいたり。

褒められる、深掘りする、その中で特に何が好きか得意か振り返ってみる、違うなと思ったら他に褒められたことをやってみる、以下エンドレスみたいのがいいと思います。

あとは、好きなことを「仕事」にしようと思って、一歩踏み出す時に「お金と時間をかけすぎないこと」が大事。

もし「違うな」と思ってもすぐ軌道修正できるくらい、負担にならない程度にチャレンジしてみる。

私も一番最初はブログなど、隙間時間やいつもの生活プラスアルファでできることからはじめました。

カメラだって最初はiPhone、慣れてミラーレス、やっと最近プロ仕様に変わったばかりです。
いきなりコストをかけず少しずつトライしていく。

私の場合、最近は、Instagramの「#ゆきスタ」というハッシュタグで、自分なりのスタイリングのコツを投稿していました。

すると、読んでくれた方が「おいしそうな盛り付け方」や「ふわくしゅ布の使い方」などを実践してくれたりして、その投稿にまた「#ゆきスタ」のタグがつけてくれていて。嬉しかったなぁ。

そんなInstagramの地道な投稿がきっかけで先日製作に携わらせてもらったのは、料理家 谷尻直子さんの「HITOTEMAのひとてま」(主婦の友社)というレシピ本。

ある日突然、「はじめまして!谷尻直子です。」と、ご本人からDMをいただいて、最初は信じられなかったんです。

オリジナルのハッシュタグを作って、自分の提案を日々コツコツと溜めていたことや、憧れだった方の投稿に「いいね」を押していたことがご縁でやってみた方お仕事に繋がるなんて、夢のある時代ですよね。

▲「Instagramのおかげで初の書籍スタイリングという夢が叶った話」より

 

「はじめてのうつわ選び」という初心者向けの器選びをまとめたnote連載をはじめたきっけは、「レシピ情報は山のようにあるのに食器のこと調べても全然出てこない!」とモヤモヤしていた主婦一年目の頃の気持ちを思い出して、あの頃知りたかったあんなことこんなことを今の自分ならこう答える、という風に書き始めました。

代表作は「うつわ界のユニクロ黒スキニー 超初心者向け!最初に買うべき食器5選」という記事で、一人暮らしや結婚など新生活を始める方に、まずこれさえあればOKな商品と理由(すぐに買えるリンクもあり!)がウケて、250近い「スキ」(noteの読者からの評価ボタン)が付きました。
あぁ、やっぱりみんな知りたかったんだなと。

私が誰かの役に立てることってなんだろう?と考えた時に、一番の読者はあの頃の自分かなと思えるようになったきっかけでした。

この連載は、いつか本になったらいいなあ〜なんて夢みながら書いてますが、まだ出版のしゅの字もありません(笑)

 

2.日頃のインプットはどのように?

なおこ:
スタイリングという仕事は、あたかもそこに誰かの生活をイメージさせるようなシーンを生み出す必要があり、自分のライフスタイルからかけ離れた提案ももちろんあると思います。

そんなときのためのインプットの方法はどうされていますか?

菅野さん:
SNSや読書、映画などはもちろんですが、お店のディスプレイや広告など町歩きも良いインプットになることが多いです。

雑誌はdmagazineで女性誌やライフスタイル誌だけでなく男性誌など自分とは違う読者層のものも読んだり。
意外な色使いやグッズなどがヒントになることも。

また、流行りのものばかりでなく古典や定番こそ学びが多いもの。
美術館や重要文化財、図書館などにも足を運ぶようにしています。

具体的には、過去にスタイリングさせてもらった「キリンビール株式会社オンラインショップDRINX SPRING VALLEY BREWERY 父の日限定BOX」の商品撮影。

こちらは、父の日向けということで、珍しく男性的なスタイリングを担当させていただきました。

 

3.秋冬の食卓を簡単に
ワンランクアップさせるポイントは?


なおこ:
有希子さんの記事を読んでいると、うつわひとつこだわるだけで、いつもの食卓がごちそうになることを実感します。

そこで、是非読者の方に向けて、誰にでもできる秋にぴったりのコーディネートテクを教えてください。

 

菅野さん:
夏は涼やかなガラスや薄く繊細なうつわが活躍しましたが、少し肌寒くなる秋は食器もほっこり温かみのあるものが似合うと思います。

ぽってりした厚みのある陶器や、茶系などこっくりした色のお皿を使ってみるのもいいと思います。

和洋アジアのうつわMIX


金継ぎした和食器の平皿、ロンドンポタリーのティーポット、ベトナムのバチャン焼き小皿。

いろいろ混ぜ混ぜして食卓に乗せるのが好き。

新しい食器を買い換えるのはちょっと…という方は、テーブルリネンの色味を落ち着いたものに変えたり、木のカトラリーなどを足してみても雰囲気変わると思いますよ。

 

須田二郎さんのカトラリー


握った時のしっくり感、木肌のなめらかですべすべした感じ。
絶妙なカーブやくびれ。

とにかく使ってみた心地よさが素晴らしくて自然と手にとってしまうカトラリーです。

 

おまけコラム:
音声メディアに挑戦中!

菅野さん:
「日本の家事をもっとゆるくしていく!主婦を家事から解き放つ!」をコンセプトにし、毎週月曜日に配信している音声メディア「ずぼラジオ」。

同じWeekender編集部の友人が突然やりたい!と言い出して声をかけてもらい、楽しそうだねと2つ返事であっという間にスタートしました。

毎月1回集まって、15分×4本をiPhoneで収録し、編集なしで、週に1本ずつ公開しています。

SNSでしか私のことを知らない人には近寄りがたいイメージを持たれているみたいなので、とぼけてるリアルな自分をありのままに伝えられるところが気に入っています。

 


1.小さなことでもやってみて、褒められた方向に深堀し、違ったら方向転換をする。 

2.日常では触れることのないジャンルの情報も引き出しに溜めておく。 

3.テーブルの季節感は、食器を買わずともリネンの色やカトラリーの素材で出せる。

 

いかがでしたか?
本当にやりたいことって何だろう?とふと思うこともあったりしますが、「自分を探してきます!」みたいに思いリュックを背負って旅に出なくてもいいんですよね。

今は「やってみたこと」をすぐにSNSで公開できる楽しい時代。

「いいね!」と言われたら、何が得意なのか?どこが好きなのか?少しずつ深堀りして、違うなと思ったら進む方向の角度を少し変える。

その繰り返しで自分を導いていくように、得意なことを洗い出していくというのが菅野さん流の「好きを仕事にする方法」。

子どもの頃に「大きくなったら何になりたい?」と聞かれては、「ケーキ屋さん」「お花屋さん」などと答えていたように、決められたリストの中で自分の知っているものから選ぶものだと思っていました。

今は、今日から小さく始められる「好きの追求」、その先に仕事を作りだすことができるんですね!

NEXTWEEKENDの提案は、まさに「季節の楽しみと小さな工夫」。

どれも今週末に挑戦できる距離なので、「今日はかぼちゃをくりぬいてグラタンを作ってみようかな?」など、気になる記事を見つけて、実践して、発信してみることから始めてみませんか。
知らなかった自分の興味や得意分野が見つかるかもしれません。

そんな菅野さんの叶えたい今月の野心「 #秋のしわざ」は、「作家さんの展示会に行って、いい感じのうつわを手に入れたい」だそうです。


写真は、菅野さんの秋の味覚たっぷりないつかの夕飯。
菊の花のお浸し、いちじくの白あえ、さつまいもの味噌汁…
どんな美味しいものを乗せようかと考えながらのうつわ探しは、幸せなごちそう時間ですね。

みなさんのwishlistも、是非「#秋のしわざ」「@nextweekend_jp」を付けて、シェアしてくださいね!

 

Weekender編集部」って?
⽇々をより良くしようと貪欲になりながら、共にNEXTWEEEKEND を盛り上げていく全国各地のメンバーの集まり。
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