NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、育休復帰後、社内へ疎外感を感じている相談者さんからのお悩みです。

萌さんこんばんは。
いつも萌さんの絶妙な前向きツィートや投稿に励まされています…!
色々なことが起こりますが、1つ1つ乗り越えていく萌さん。
僭越ながらずっと応援しております。
今日は、眠る息子を抱えながらこちらに書き込んでいます。
(ここ2日くらい体調が悪く、降ろすと新生児のようにギャン泣きします…)
もう思い切って相談するしかない!と思った内容は、育休復帰後の職場についてです。
もうすぐ生後8ヶ月になる息子を保育園に預けながら、4月に育休から職場に復帰しました。
私の職場は、いわゆるベンチャー企業で、産休・育休を取得するのも復帰するのも私が初めてでした。また、勤務時間が時短となったため産前とは業務内容がガラッと変わりました。
会社側は何もかもが手探りな中、産前産後と温かく対応してくれて、とても恵まれていると感じています。
復帰した現在も、息子がまだ体調不良になることが多く私が休みがちになっていても快く理解を示してくれています。
それにもかかわらず、私自身の心の中は最近モヤモヤと曇っています。
原因は、ベンチャー特有のガツガツ感について行けてないと感じていること、そのせいで疎外感をかなり感じること、子育てしながらの働き方に共感してくれる誰かが社内に居なくて心もとないこと…。(多いですね…)
また、男性社員が多い我が社なので、子育てなどの状況を少しでも知ってもらおうと社内で使っているアプリで情報や気付きなどを発信しているのですが、それもどの程度まで発信したらいいものか迷ってきています。
「こんなに大変なんだ」とアピールしたいわけではなく、ただ知識として知ってほしいのですが、伝え方が難しいと感じています。
とても長くなってしまいましたが、萌さんの会社でもおそらく育休で復帰した方がいらっしゃるかと思いますし、萌さん自身もそれを経験してらっしゃるかと思います。
その中で、会社として何を大切にしているか、何に気をつけているかなどを可能な範囲で教えていただけると幸いです。
また、私の今のこの状況に対してアドバイスをいただきたいです。
(26歳・女性・会社員)


いやぁ。暑くなってきましたね。

北海道から大阪に引っ越してきて迎える初めての夏に、結構緊張しています。

さて、お悩みの投稿ありがとうございます。

産後復帰の後は、そもそも自分の時間の使い方や、価値観すら変化して、これまでと同じ環境の中、自分だけが変わってしまったようで、きっとみんな悩みますよね。

相談者さんは、ベンチャー特有のガツガツ感についていけないと感じながらも、ちゃんと社内に情報発信したりと自分のできることを模索されていて、立派ですね…!

男性が多いとはいえ、女性は他にもいらっしゃるようですし、今後の女性社員のため、また男性社員の方が奥さんに対して理解できるようにするためにも、今自分なりに工夫してやっていることはしっかり続けてほしいと、勝手ながらに思います。

あと大事なのは、相談者さんのモチベーションと、その発信方法ですね。

モチベーションに関して、その環境だと孤独になってしまうことはきっとあると思うので、まず同じように産後復帰して働いている人たちと会話できるといいですね。

根本的な解決にはならなくても「自分だけじゃないんだな」とか「こんな考え方もあるんだな」と思うだけで、随分と心は楽になるはずです。

(最近私の周りでもこういう悩みを持っている人がすごく多いので、これはコミュニティが必要だなと感じ、このテーマでオンラインサロンを始めようかなと思っているくらいです…!)

会社の中では特殊だとしても、社会には同じような課題を抱えながら働く人が沢山いるんだと思います。

知り合いにいればいいですが、いなければハッシュタグで繋がる、でも、そういう講演に行って参加者と仲良くなる、なんて方法もあるので、なるべく同じ心境・境遇の人と頻繁に情報交換をすることが、心の健全に繋がる気がします。

もう一つの発信方法についてですが、今相談者さんの社内の方々があまり産後復帰の女性に共感していない中で、近況を発信しても辛いアピールみたいでやりづらいとのことなので、これはベンチャーならではの試みかもしれませんが、個人の意見を会社の働き方改革に向けるべく動いてみてはどうでしょうか。

たとえばうちの会社には、毎週金曜日の定例会議の中で「ナレッジ共有」という時間を設けていて、社員が1週間で得た面白いニュースや情報をお互いにシェアするようにしているのですが、最近はこのナレッジ共有の時間に、当番制でナレッジテーマの出題をして、それに沿って情報共有をするようにしています。

先日総務が当番だった時に、「他の会社のユニークな制度をシェアしよう」というテーマがあり、全員の発表が終わった後、社員それぞれがどんな制度に興味を持っていて、どんなことを理想としているのかがわかり、私自身も勉強になり、早速制度に取り入れたものもいくつもありますし、お互いで自分にとっての理想の働き方を考えるいい機会になったと思っています。

いち社員の声として伝えるのはもちろん、それを制度にするためにはどんな方法をとれば不公平にならないのか、他の会社の事例などでうまく伝えられると、その効果と併せて伝わりやすいかもしれません。

このナレッジ共有という時間すらも、社員の声から生まれたものでした。

また、今は働き方改革を応援してくれる国の支援も厚く、会社に導入する制度によっては、助成金が出るものも多くあります。

社員のためになることで、それを国に支援してもらえるというのは、経営者にとってはかなりありがたいことだと思います。

うちの社内もちょうど今ライフステージ変化の時で、私を含めて3人が産後復帰していて、

現在妊娠中の人もちらほらといたりするので、私自身自分の経験をもとに、かなり頻繁に新しい制度を取り入れています。

就業規則って、一度決めたらバイブルのように在り続けるものではなく、時代の変化や会社の価値観に合わせてどんどん変えてもいいと思うんです。

うちは他にも、全ての社員が毎日30分シエスタの権利を持っていたり、

(使われることはすごく頻繁ではありませんが、私自身が妊娠超初期にコアラのように眠かったので、これで有給を使ってしまうのもみんな大変だろうな、ということで制定。また、これが妊娠中の方の特権にならないよう、全社員への権利としました)

みんなが土日を使って美容院に行って、休みがほとんど1日のみになるのを見て、通常の有給とは別に、1ヶ月に3時間は美容休暇というのを作っていたりします。

こんなふうに相談者さんが今抱えているモヤモヤを少しでも減少する方法を、制度として変えられないか考えてみること、これはきっと後に続く人たちの希望になるはずです…!

ものすごく大きな会社だと、新しい制度を取り入れるのには時間がかかるかもしれませんが、初めて産後復帰をした人の目線はベンチャー企業にとってとてもありがたい人材のはずです。

今までと同じように頑張って、みんなに合わせようとするのではなく、これから同じような人たちが続くためには?と考えて、良い働き方を見つけてくださいね。

一緒に頑張りましょう…!

 

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