大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、何のために生きているのかわからなくなってしまった24歳の相談者さんからのお悩みです。
私は今年で25歳になるのですが、しばらく彼氏もいないし、仕事と資格の勉強の両立もしんどいです。休みの日くらい楽しく過ごそうと思ったり、お洒落して気分をあげようと思ってもこれはなんのためにやっているんだろう…と考えてしまい、やる気がなくなってしまいます。
しまいには何のために生きて仕事しているのか分からなくなってきました。
どうしたら毎日キラキラと過ごせるのでしょうか。
(24歳・女性・会社員)
こんにちは。昨日の夜、東京から大阪に戻ってきました。
梅雨入りして、どんよりした空…。
正直、全くこたえが決まっていないまま、お悩み公開当日を迎えてしまいました。
「生死」に関してはかなり言葉を選ばなくてはいけないし、私がおこたえしてよいものか悩みますが、実はこのコーナーでも「生きている意味」に関するお悩みをいただくことは本当に多く、(特に夜の時間帯に届くことが多い)今回勇気を出して選ばせていただくことにしました。
とはいえ、言いたいことはひとつで、「生きている意味」なんて誰もわからないと思います。
だって、今この世に生きている人間全てがいつかは死んでしまうのに、死んだ後の人とは基本的にはコミュニケーションがとれない。
色々な宗教や思想がある中で、それぞれが死後の世界を定義しているけど、ほとんどの人がそれを信じているだけで、実際のところは、誰もこの後どうなるのか分からないんです。
その分からないことが前提の中で、毎日スーツを着て仕事をしている人、喧嘩をする人、一生懸命勉強する人、政治家になる人、スポーツ選手になる人、何もしないで悩み続ける人、生まれる人、自ら死んでしまう人、生きたいのに生きられない人。
どんなに偉いおじさんでも、死んだ後にどうなるかは分からないまま生きているんだと思います。
生きている意味だって、同じく誰にも分かりません。
でも、だとしたら、そこに対して明確に言葉でこたえを追求するよりは、「よく分からないけど、せっかく生きているんだったら…!」と考えて、楽しさを見出して、
自分なりの生きている理由を今日から作っていけば良いのではないでしょうか。
生まれた瞬間から死に繋がっている線を生きていくのが人生。
その線の長さは人によりますが、毎日少しずつ短くなっていくのは確かです。
「なんでここに線があるんだろう」と悩むよりは、「どんな線を描こうかな」と、それ自体を楽しめばいいんだと思います。
ちょっとでも太く美しい線を描けたら、その過程では、それなりに感動や葛藤があって、時に他の線と交わりあって、新しい形になることだってあるかもしれません。
もちろん線が細くたって、繋げていくことで、またいつだって新しい形を描けるんだと思います。
だけど終わらせてしまったら、それ以上は描けません。
私にはもうすぐ2歳になる娘がいるのですが、虫を見たらすぐに追いかけて、声が響く場所があれば大声で叫んでこだまを楽しみ、音楽が流れれば踊るし、食べたいものがあれば泣くほど欲しがって、好きな人に会うと抱きついて喜びます。
彼女は今日の予定も知らないまま生きているのに、おそらく生きる意味なんて考えることもなく、目の前の出来事を全力で楽しんでいて、これが人間の本能なら捨てたもんじゃないなぁとつくづく思います。
相談者さんは、お洒落の意味も勉強の意味も分からなくなったと書いてありますが、それはきっとその先にある自分の理想の生活を思い描けていないからだと思います。
今日食べたものが自分の身体の一部になるのと同じで、今日の自分の行動や思想が、明日の自分を作っていくことは明確です。
たとえば、意味なんて考えずに「いいなぁ」と思っているようなレストランとか、旅先に行ってみてはどうでしょう。
「あ、次はこんな洋服を着ていきたいな」とか「こういう人になってまたここに来れたらいいな」とか「次は、こんな人と一緒に来たいな」とか、今の自分が理想とする像が見えてくるはずです。
私は結構そうやって、現実と理想の自分のギャップを感じることで、じゃあ自分は今何をしたらそこに近づけるのかな?と考えるようにしています。
焼肉屋でバイトして貯めたお金を使って初めてニューヨークに行った20歳の時に、わざわざI LOVE NYと書いてあるTシャツを着てタイムズスクエアでノートを書きましたが(今考えるとめちゃ恥ずかしい笑)それを読み返すと、将来こんな人としてまたここに戻ってきたいというのが、結構具体的に書いてあって、きっとその時の自分にとっては沢山の刺激と、新しいやりたいことを見つけるきっかけになったんだと思います。
赤ちゃんが、大人がいないとどこにも行けないし予定も入れられないのと同じで、自分自身の感動や体験、素敵な出会いだって、自分でしか与えてあげることはできません。
理由なんて考えなくていいから、まずは今日「ちょっと嬉しいかも、幸せかも」と思うようなことを1つでもいいから自分に体験させてあげることを繰り返してみてください。
頼んだメニューにアイスをトッピングしたり、タピオカを増量したり、寄り道して初めてのバーに飛び込んでみる、だっていいかもしれません。
そんなことをしているうちに、きっと、明日はこんなことをしてみよう、来月は…!
と、ちょっとずつ先を見られるようになるはずです。
24歳で仕事ができるほど健康な身体で、日本という安全な国に住んでいる。
世界を見渡したら、相談者さんの環境に変わりたいと思う人がどれだけいるか…!
相談者さんや私が生きている今日は、誰かが生きたいと思っていた明日なんだと思います。
せっかく生きているんだったら。の気持ちで、小さなことから楽しみを見つけていけるといいですね。
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