大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、目立つことで、他人から評価されることに不安を持っている相談者さんからのお悩みです。
萌さん、こんにちは。
お悩み相談、毎度共感しながら拝見しています。
私は主婦業をしながら、これまで準備してきたカフェをいよいよ独立してはじめようというところにいます。
趣味兼仕事というと語弊がありますが、そのくらい好きなことなので同業のお店を探したり巡るのも大好きです。
その際に某グルメ評価サイトを私も参考にはするのですが、口コミをみると、中には何様ですか?というほど厳しい評価、意見がたくさん…。
飲食を生業としているだけで、なぜここまで評価されなければならないのか。
もちろん悪いことばかりではなく、お客さんとして正直な意見を書いているだけだとは思います。
けれど、最近の社会は、人が人を簡単に評価する仕組みになっている気がして、一度の失敗も許されない厳しい監視社会のようです。
もちろん商売をするからにはそれなりの覚悟を持っています。
これまで細々と同業で誠意を尽くして仕事をしてきましたし、苦情を言われたことはありません。
けれど、やっぱり人が人を評価することって、とても怖いなと思っています。
そういうストレスと対峙していかないとならないのか、その覚悟がわたしにはあるのか、本来気にしなくていいところがひっかかっているのです。
正解不正解のない評価との向き合い方、心の持ちようについて助言いただきたいです。
萌さんも人前に出られるお仕事ですから、知らない人に勝手に評価されてしまうということも、もしかしてあるのではないか、と勝手ながら思い相談させていただきました。
(34歳・女性・会社員)
東京でも雪が降る寒い週末ですね。
怒涛のイベントが終わったので、常備菜でも作って静かに過ごそうとワクワクしてます。
さて、お悩みの投稿ありがとうございます。
カフェの開業、素晴らしいですね…!おめでとうございます!
そうなると確かに不特定多数の人の評価やコメントは、避けられないですよね。
不安に思うのもよく分かります。
私も、Instagramのハッシュタグで #週末野心 を辿りながら、NEXTWEEKENDの雑誌やその他の著書を、皆さんが楽しく読んでくださっているのを見るが本当に嬉しいのですが、いざAmazonのレビューを見ると辛辣な意見も多かったりして、落ち込むことがあります。
「村上萌は社員をジョギングさせて自分だけ自転車に乗って移動しているらしい」と書かれていた時に、なんだその根も葉もない、というかむしろギャグみたいな情報は…!と思い、それ以降はほとんどマス向けのレビューは見なくなりましたが…。
いずれにしても、自分の思いとは裏腹に色々と意見を言われてしまうのは辛いですよね。
でも、正直なところ、これはある程度したら慣れると思います。
むしろ「どの辺の部分がそう見えたのかな?」とディテールを思い返し、自分が良かれと思ってやったことも、人によってはそう捉えられるんだな、もう少し言葉選びを工夫しよう、と勉強になることもあるし、「こんなことを言うなんて、この人は今どういう状況なのかな」と考えて、批判したくなる気持ちを理解したりと、その積み重ねのおかげで、様々な人の立場を想像できるようになった気がします。
それから、これは私がつくづく実感していることですが、何を批判されるかによって、落ち込み加減って全然違うんです。
たとえば相談者さんのカフェで出す、ものすごい自信作のクレープがあったとします。
一生懸命考えて、材料を組み合わせて作り上げた、他のどこにもないクレープ。
好きでいてくれる人はすごく喜んでくれて、何度も食べにきてくれる。
もしそれを批判されたとしたら、「こういう人もいるんだな」と上記の私のように、落ち込むよりもむしろ参考になると思うんです。
だけど、メニューが何も思い浮かばなくて、何日も眠れなくて、「もういいや」と妥協して、自信もないまま適当なメニューで営業して、リピーターもいなくて、来た人たちが批判を書いて行ったとしたら、もうメニューの話以上に、自分自身が否定されているような気持ちになってどこまでも落ち込むと思うんです。(仮の話だとしても失礼なストーリーでごめんなさい)
どういうことかと言うと、自分が一生懸命考えたことを批判されても、正直参考意見にしかならないんです。傷つくのが勿体ないほど。
だから、しっかり真摯に向き合って営業していけば、大丈夫です。
批判されて傷ついた時に、こう思ったからこうしたんだよな、と、自分の中に戻る指針があれば、批判を糧にしながら成長していけるはずです。
もちろん最初はきっと落ち込むし、こんな文章が世に出てしまっているなんて…!と、心臓がバクバクすると思いますが、クレームは宝というように、中には本当に参考になる意見も沢山あるはずです。
それを元に、今目の前にいるお客さんをちゃんと大切にすることで、結果はついてくると思います。
あまりにも営業妨害のような嘘が書かれていたら、サイトの運営者に相談すればいいと思います。
最後に、口コミサイトを沢山チェックして批判を見るよりも、しっかりとファンを作っていくことが、すごく大きな力になると思います。
クレープの例のように、「でも、美味しいと言ってくれている人がいる」って、すごく自信になるはずです。
相談者さんがどういう形態でカフェをやられるか分かりませんが、チェーン展開をするのではなく個人店なのであればなおさら、ファンが連れて来てくれる人はまたファンになる可能性が多いにあります。
ネットの中にいる、不特定多数の人たちの批判コメントを読んで影響を受ける人よりも、今日来てくれたお客さんが、次大切な人を連れて戻って来たくなるように、と心がけていれば、きっと相談者さんの温かい気持ちが伝わって、良いコミュニティのカフェになっていくはず。
開店準備でお忙しいと思いますが、身体に気をつけて頑張ってくださいね!
応援しています!(むしろ行きたいです)
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