身近な持ち物に刺繍をすることで、いつもよりちょっと彩り豊かな日々を送ってみませんか。
このコラムでは、オリジナルの刺繍デザインと、そのアレンジを毎月お届けしています。
今月は新年の抱負にもぴったりなアルファベットのメッセージ刺繍をご紹介します。
“See the good”は「良いものに出会う」という意味。
良いもの、良い人、良い出来事を結んでくれるようにという願いを込めて、刺繍で抱負を綴ってみませんか。
・刺繍糸
・刺繍枠(今回は直径15.5㎝のものを使用)
・布
刺繍のための基本道具、糸の使い方は、こちら。
今回は、チェーンステッチの1種類です。
①チェーンステッチ・・・鎖型をつないで線を描くステッチ。
面を埋める表現にも使用する。
1.【1】から糸を出し、【2】(【1】と同じところ)に入れ、【3】から針先を出し、糸が針の下を通るように掛けて引く。
2.鎖型が1つできる。
3.【4】(【3】と同じところ)に入れて【5】から針先を出し、糸が針の下を通るように掛けて引く。
4.これを繰り返していく。
鎖の大きさを揃えるときれいに仕上がります。
ステッチのコツ
チェーンステッチで角をきれいに表現するときのコツ
今回のデザインの中にある“e”のように途中に角がある文字は、角がしっかり鋭角に見えるように刺すと綺麗に見えます。
【1】から【2】の方に刺し進める時、まず【1】の終点で一度刺し終えてしまいます。
そして最後の鎖型の中央(チェーンの先端)から針を出し、【2】の方向に刺し進めていきます。
直角に曲がる部分(赤丸の部分)をそのまま糸を続けて刺してしまうと、角が浮いてしまいすっきり見えません。
こうした少しのコツでデザインがぐっと綺麗に見えますよ。
文字の刺繍は書き順を意識しましょう
今回の図案の“th”や“g”のように途中で交差する文字の場合、素直に書き順通りに糸を重ねて刺繍することで、違和感の無い自然な仕上がりになります。
こんなふうに、刺繍枠を額縁としてそのまま飾るのもおすすめ。
そんな時は、裏も綺麗に仕上げましょう。
1.刺繍する布を広げ、上に刺繍を重ね、刺繍枠の外側約3㎝の位置で布を断ちます。
2.布端から1㎝程の位置をぐるりと1周ぐし縫いし、内枠が隠れるように糸を引き締め、玉どめしたら完成です。
見えない部分ではありますが、綺麗に仕上げた方が飾るときも気持ちが良いです。
今回おすすめのアレンジは、チェーンステッチに別糸を巻きつける「巻きつけチェーンステッチ」。
その名の通り、チェーンステッチに糸を巻きつけるだけで、まるで別のステッチのような仕上がりになりますよ。
1.1つ目の鎖型の横から別糸を出し、2つ目の鎖型に別糸を通します(布地はすくいません)。
この時、針穴側から通すことで、ステッチや布地を刺して傷めてしまうのを防ぐことができます。
2.3つ目以降も同じように繰り返していきます。
▲今回の図案の“S”に巻きつけるとこうなります。
▲裏返すと、布地には刺していないのが分かります。
今回はシンプルなデザインですが、布地の柄、糸の色次第で何通りもの表情を見せてくれます。
それぞれの暮らしに馴染む、ベストな組み合わせを見つけてみてくださいね。