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あんなに暑かった夏が過ぎ、虫の音もいつの間にかセミからコオロギに変わっていて、少しずつ夜が長くなる秋の始まり。

哀しいともワクワクとも違う、この季節特有の何とも言えない雰囲気がありますよね。

そんなちょっぴりせつない気分に浸りたくなるこの季節にぴったりな作品をご紹介したいと思います。

 

『あと1cmの恋』

センチメンタルに浸りたい夜に

ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳からの幼なじみで、ずっと友達以上、恋人未満の関係。
二人の夢は、小さなイギリスの田舎町を離れ、アメリカのボストンにある大学へ一緒に進学すること。
ロージーとアレックスはそれぞれボストンの大学から合格通知を受けたものの、ロージーはある日クラスで人気の男の子と一夜を共にし、妊娠していることが発覚。
お互い想いながら言葉にできず、離れ離れになって……、というストーリーです。

お互い一番大切な存在なのに、すれ違いや運命のいたずら、読まれなかった手紙などにより、近づいたり離れたりを繰り返して一緒にいることのできない二人。
主人公のロージーの何とも言えないせつない表情に何度となくきゅんとしてしまいます。

出産したら里子に出して、半年後には合格していた大学に通おうと決めていた彼女が、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いた時に、やっぱり自分で育てようと本能的に決意するシーンで、女性の強さと美しさを感じました。

『あと1センチの恋 スペシャル・プライス』
監督:クリスチャン・ディッター
出演: リリー・コリンズ、サム・クラフリン
Blu-ray&DVD好評発売中
発売元:ファントム・フィルム
販売元:TCエンタテインメント
Blu-ray1,800円+税、DVD1,200円+税
(c)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH

 

『ブレードランナー2049』


ゆったり過ごしたい秋の夜長に

舞台は2049年のカリフォルニア。
主人公K(ライアン・ゴズリング)は人間社会に紛れ込んでいる、労働用の人造人間 “レプリカント”を処分することが役目の捜査官=ブレードランナー。
そして彼自身も新型のレプリカント。
Kはある重大な秘密にたどり着き、その真相を知るために、かつてのブレードランナー、デッカード(ハリソン・フォード)の行方を追って……というストーリーです。

全体を通したストーリーは、せつないというよりは悲しくてやるせない気持ちになる物語なのですが(しかも3時間の長編なので時間に余裕のあるときに……)、Kは独身男性に尽くすために作られたホログラフAI(ホーンテッドマンションのおばけみたいな感じです)のジョイを恋人のように扱っていて、お互いを想いあっていながらもホログラフなので触れ合うこともできず……、というシーンがとてもせつなくて胸を締め付けられそうになります。
けなげなジョイがとにかく可愛いんです。

『ブレードランナー2049』
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演: ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード
発売中
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
Blu-ray 4,743円(税別)

 

『ゴースト ニューヨークの幻』

温かいココアを飲みながら映画でも、という夜に

恋人モリー(デミ・ムーア)と幸せに暮らし始めた矢先、通り魔に突然命を奪われたサム(パトリック・スウェイジ)。
実はその死はある陰謀によるもので……。
死んでも死に切れないサムの魂はこの世にとどまり、インチキ霊能師(ウーピー・ゴールドバーグ)の力を借りて、愛するモリーを守ろうとするものの……、というストーリーです。

サムからはモリーが見えているけれど、モリーには何も見えず、聞こえず、触れ合うこともできず。
物語のクライマックスで霊能師が「私の身体に乗り移っていいよ」と言ってくれたことから、二人はやっと抱き合うことができ、そのシーンがとっても美しくてせつないんです。

1990年の作品なので、CG技術は今と比べるとまだまだでちょっと滑稽に感じてしまうかもしれないのですが、音楽も含めてすごく素敵な作品です。

それからモリーの黒髪のショートカットに赤いリップにラフなシャツやTシャツ姿がとってもキュートで今見ても可愛くて、流行って巡るんだなぁ、と改めてしみじみとしてしまいました。(デミ・ムーアの横顔が美しすぎる……)。

『ゴースト ニューヨークの幻』
監督:ジュリー・ザッカー
出演:パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグ
発売元・販売元:Universal Entertainment
Blue-ray2,381円+税
TM&COPYRIGHT©1990 BY PARAMOUNT PICTURES.ALL RIGHTS RESERVED.TM,®&Copyright©

 

おまけ:せつなさにもっと浸りたいときに

職業柄、未だに雑誌はよく買うのですが、中でもなかなか捨てられない雑誌があって、2010年のブルータスの「せつない気持ち。」特集も、そんな捨てられない雑誌の中の1冊です。
(“せつなさ”をテーマに1冊作ってしまうなんて、豊かですよね……)。
古本屋さんとかでもし見つけたら、ぜひ手に取っていただきたい号です。

久しぶりにパラパラと読み返していたら、せつないCMの話も出てきていて、個人的には「月桂冠つき」というお酒の、永作博美がシリーズで出ていたCMがせつなくてとても好きなので、こちらも機会があったらyoutubeなどで見てみてください。おすすめです。

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