大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、楽な仕事で、どんどんつまらない自分になっていないかと悩む相談者さんからのお悩みです。
萌さん、こんにちは!
今年の春、結婚して大好きな主人と幸せな日々を過ごす25歳です。
保険会社で事務職をしています。
毎日18時の定時ぴったりに帰れるというスーパーミラクルな職場環境に囲まれて、早3年が経ちました。
以前はテレビ関係の職についていたため、ほぼ24時間営業で、大好きな仕事でしたが、労働時間や給料の面で将来に不安を覚え、転職できるうちにしようと思い、今の職に縁あって採用して頂きました。
今の職についてから、今まで参加できなかった友達との予定や、習い事を始めたりと、プライベートが格段に充実しています。
ただ、今の仕事は2時間で終わる仕事を8時間かけてやっているような感じです。
上司に仕事がほしいと言っても「今の仕事だけやってくれれば大丈夫だから」の1点張りで。
自分が給料泥棒に感じて、すごく嫌だし、なにもできない1時間って1分ってすごく長くてつらくて。
なにより他の仕事がもらえないのは、自分が仕事のできない人間だ、と思われているからなのではないかと思うと「存在価値のない人間」と思ってしまいます。
社内への持ち込みが厳しいため私物の持ち込みは、ほぼ禁止となっています。
ネットも制限があるため、ネット観覧はできません。
また、電話番は私しかおらず1コールで取ることと言われているためほぼ席も立てません。
1日のうち、睡眠が8時間、仕事が8時間、プライベートが8時間。
たった24時間しかなくて貴重な8時間をとてつもなく残念な8時間を過ごしている気がして、仕事がスキルアップしていくにつれ、自分の自信へもつながっていく前職と比べてしまい、自分がつまらない人間になっている気がして、だんだんつらくなってきました。
直接、人と会って会話するのも郵便や宅急便の配達員さん以外と会話をしない日もあります。
でも定時に上がれて、土日祝休みで、正社員なんて、なかなかない…と思うとやっぱり転職することに戸惑ってしまいます。
主人は「仕事は8割で頑張ればいいんだよ。考えすぎ」と言っています。
友達に相談しても「暇でいいじゃん、最高じゃん」と言われるし、主人にも私の仕事の愚痴ばかり言うのも嫌だし…
萌さんみたく、自分の芯をしっかりもった女性になりたい。
なりたいなりたいじゃなくて、行動に、一歩行動にうつせたら見える景色も、感じる空気も違うんだろうな〜!
最後までありがとうございました!
(25歳・女性・会社員)
なんだか演説のような締めくくり…!笑
これを書いてらっしゃるうちに、もはや若干解決していたりして。
なんて、失礼しました。
改めてお悩みの投稿ありがとうございます。
色々モヤモヤとされているようですが、3年間もその日々を送ることができているのだったら、すごく向いていない訳ではないような気もします。
「石の上にも三年」というように、3年続けることで、見える景色が変わるのは分かっていても、やっぱり本当に自分に合わなかったり、その先に展望がなければ、3年って長いですもん。
相談者さんが1日を8時間ごとに3分割して、しっかり他の時間を充実させて、上手にバランスを取ってきたんだと思います。
とはいえ、ここへ来てちょっと辛いということですよね。
大至急何かを変えなくちゃいけない状況だとは思いませんが、おっしゃるように自信がなくなっていっているのだとしたら、実はこれ、結構なんとかした方がいいかもしれません。
世の中には、相談者さんのように今の状況で悩まずに「私の仕事って、なんて楽なんだろう。これでお金をもらえるなんて最高だ!」と、心の底から幸せを感じる人もいると思います。
そして相談者さんは、自分はそうではなくて、元々テレビ関係で働いていて、本来の自分は今の姿ではない、もっと仕事ができるのに、と思っているかもしれません。
ただ、人って環境に合わせて思考が変わるんですよね。
私のことを芯がある女性と書いてくださっていますが、実は自分で会社を始める前に私も色々ありまして…。
具体的な仕事内容は伏せますが、ある会社でインターンをしていた時のこと。
とにかく「選べない、意見を言えない、考えさせてもらえない」部署への配置でした。(絶対的な存在の人の側近みたいな立場だったのですが)
そんな仕事ある?って話ですが、あったんですよね。
ランチのメニューを決める時も、絶対的なその人が決めたものに対し、みんなが「同じで」と言う中、1人で「Bメニューで!ご飯は麦飯にしてください!」なんて言った日には、全員から睨まれるという。
役に立とうとして手を挙げると、必要以上のことはしなくていいと言われ、場を和まそうとジョークを言うと、注意される。
もう、状況が今までの自分の常識と違い過ぎて、(あと、自分のキャラにも合わなさすぎて)人生経験と思って、もはや楽しんでみようと客観的でいたつもりでしたが、ある日家族で焼き肉に行った時、「タン塩いる?」と母親に言われて、私、こたえられなかったんですよね…。
「あ、みんなと同じで」と、心の底からこたえてたんです。
いつだって食べたいものがはっきりしていて、ご飯を何膳も食べていた私が、たった2ヶ月のインターンで「選ばない・意見を言わない・考えない」を繰り返した結果、自分の意見が、自信が、気持ちそのものが、本当になくなってしまったんです。
ちなみに結局そんな(私的には大きな)事件が起きたこともあって、インターンは早々に卒業させていただきました。
(その反動で、以降突っ走ってしまったのかな、と思っているので、今では感謝していますが…)
なんだか極端な例になりましたが、いずれにしても、人は簡単に変わるし、簡単には変われないんです。
この2つは反対の言葉のように見えて、実は、川の流れのように、常に楽な方に向いているんだと思います。
だから理想の自分になるためには、川を逆流する鮭のように、我慢したり、頑張ってみたり、そんなことは多少必要なんだと思います。
相談者さんのお悩みとちょっとずれてしまっていますが、今、自信が失われつつあるのだとしたら、少しずつ修正しないと、「本来の自分」の姿はなくなり、今の相談者さん自身が、「新しい本来の自分」になっていくかもしれません。
プライベートや習い事が充実していると書いてらっしゃいますが、たとえば、せっかく時間があるならその延長線上で、ちょっと別の社会を作ってみてはどうでしょうか。
副業のようにお金を稼がなくても、趣味の延長でワークショップを開いてみるとか、ちょっと憧れの人のアシスタントに名乗り出るとか、社会の役に立つことは沢山あります。
うちの会社でも、イベント時などは、普段は全然違う仕事をしている社会人インターンの方が沢山手伝いに来てくれます。
もしかしたらそれが派生して、仕事になることや、転職のきっかけになることだってあるかもしれません。
それと同時に、何か別の形で社会と関わると、今8時間を費やしている仕事のことを客観的に見ることができるはず。
安定した企業における組織の作り方とか、繁忙期と閑散期における人間の心理の変化とか笑、私が今相談者さんの立場だったら、色んなことを観察して、本にしたいと企んだりするかも笑。
色々言ってしまいましたが、結婚されたばかりの相談者さんに、大至急環境を変えて転職を勧めることはしたくありませんが、自信が失われないようにするための調整は必要です。
誰かの役に立つことや、何かを選択する数は率先して増やしてみてください。
きっとモヤモヤも晴れて、今見えないものが見えるはずです。
応援しています!
最後に…。
先週、私の住む北海道にて胆振東部地震が起きてしまいました。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
私の家も余震がある中、停電が続き、心細い日々でした。
大好きな北海道に、1日も早く日常が戻りますように。
これ以上被害が拡がりませんように。
心配してくださったかた、SNSでコメントありがとうございました。
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