NEXT WEEKEND DATE

「普段から、ワインを手軽に楽しんでいますか?」
そんな問いかけに、どれほどの人が手を挙げるでしょうか。

日頃足を運ぶスーパーやセレクトショップ、
ちょっと背伸びしていくレストランや雑誌でだって、
ワインに触れられる今日このごろ。

ですが、どうしても難しいというイメージが
先行してしまうような気がします。

日本酒やビールだって、
産地や造り方で味の個性があることも知っているけれど
一旦難しい知識は置いておいて、
味を素直に楽しめているはず。

でも、ワインとなると
レストランでワインリストを解読するのにもひと苦労。

産地やぶどうの品種、ヴィンテージといった情報を
「知らぬは恥」なのでは…と意識してしまって
気になるけれど、諦めてしまう。

そんな経験は、誰しも1度はあるのではないでしょうか。

殊に「自然派ワイン」と言われると
とたんに頭の中がクエスチョンマークでいっぱいに。
「自然派ワイン」って、いったい何者なのだろう…?

 

自然派ワインの世界へ踏み出し、楽しむイベントを開催しました!

そんな、難解そうに見える自然派ワインの世界を解きほどくべく
先日NEXTWEEKEND HOUSEにて
はじめての「自然派ワイン」を学ぶイベントを開催しました。

6月16日開催!『#週末野心学 vol.1 はじめての「自然派ワイン」の会

3種類のワインを飲み比べながら
自然派ワインの魅力に迫ったイベント当日。

この記事では、
イベントにてみなさまに学んでいただいた
自然派ワインの魅力と、
そのストーリーをご紹介したいと思います。

どうやって踏み入ったらわからないけれど
知れば知るほど楽しい、ワインの世界。

最後まで読んだあと、手に取るワインが
いつもと少し違って見えたら素敵です。

 

ワインはもともと、全て”自然派ワイン”だった?

そもそも、ワインとはどんなお酒なのでしょう。

ワインは、その土地(=テロワール)で
その年の気候と向き合いながら出来たぶどうを
人の手で収穫・醸造し瓶に詰めた、
いわば「農作物」であると言います。

「農作物」と聞くと、
普段食べている野菜や果物、お米といった
身近な存在がパッと思い浮かびますよね。

普段手に取る野菜が無農薬なのか、有機野菜なのか
どこで育ったものなのか
その背景に注目する人が多いですが
それは、ワインにも当てはまること。


Photo: Makiko Doi
▲津金のワイナリー、ボー・ペイサージュの畑にて、鈴木さん。
イベントでは、キャッシュオンワインとして「ボー・ペイサージュ シャルドネ2016」をお楽しみいただきました!

ずっと昔から野菜もぶどうも
自分たちの土地の気候や土の質と向き合いながら
自身たちで消費できる量を造っていました。

しかし、現代のように世界中でワインが楽しまれるようになると
生産や品質を安定させ、長距離輸送ができる
技術が発展していきました。

昔ながらのワインのように
自然に敬意を払いながら自身の立つ土地やその年の天候を
アーティストがキャンパスに描くように
「天・地・人」の3大要素を瓶に閉じこめたワインが
“自然派”として親しまれているのです。

 

自然派ワインの魅力を語ってくれた、週末の達人はこちら

今回、そんな自然派ワインの世界を紐解いてくれたのは
自然派ワインに魅せられて、造り手を訪ねることをライフワークとする
アタッシェ・ドゥ・プレスの鈴木純子さん

雑誌NEXTWEEKEND2018春夏号
『ほろ酔いピクニック特集』にて
おすすめワインをセレクトしてくださいました。

今回のイベントでは、教科書に載っているような
「天然酵母が…」「酸化防止剤が…」といったお話は一切せず

鈴木さんが実際に出会い、共に過ごした造り手の
人柄や個性を語ることを通して
ワインの楽しさを教えてくれました。

自然派ワインを楽しむための大切な鍵となる
彼らの人となりとは。
イベントでテイスティングしていただいた
3本のワインを通して、ご紹介したいと思います。

 

ワインを”人となり”から紹介します

1.タケダ・ワイナリー / サン・スフル白 ミナ ペルホネンラベル 2017

“ワイナリーの経営者でありながら、自分は主婦でもある。
だから、美味しいワインがもっと手軽になるように
ボトムラインのワインのクオリティこそ上げていきたい。”

そう語ったという、5代目当主として栽培・醸造を手がける
タケダワイナリー当主、岸平典子さん。

「良いワインは良いぶどうから」をモットーに、
1920年から続く歴史あるワイナリーを、
山形県上山市にて経営しています。


▲こちらのエチケットは、ミナ ペルホネンのセレクトショップ 「Call」でのみ販売するスペシャルモデル!
タケダワイナリーとミナ ペルホネンの特別な厚意によりイベントでふるまわれました。

今回のワインのエチケット(=ワインラベル)は、
岸平さんが大好きだというファッションブランド、
ミナ ペルホネンのデザイナー皆川明氏直々の描き下ろし。

実は鈴木さんもミナ ペルホネンが好きということもあり
イベント等で岸平さんに出会うと
お互いのファッションをチェックし合うそう…♩


▲ミナ ペルホネンに身を包む、岸平典子さん。

そんな可愛らしい一面と
先代の社長である自身の父親と互いの信念を巡り
時には対立してきた岸平さんの芯の強さが、
いつだって美味しいタケダワイナリーのワインに現れている気がします。

 

2.アレクサンドル・バン / ピエール・プレシューズ サン・スフル 2015

豊かな自然に恵まれた、フランス・ロワール地方。
そこで、2007年にワイン造りを始めたアレクサンドル・バンは
「自分のワインには日本食が一番合うと思う」
と豪語するほどの親日家。


▲自身の畑にてお花を摘み、小さな花束をプレゼントする、アレクサンドル・バンご本人。

そんな彼のワインには、大きな「A」の文字が。
一目見たら忘れられない、印象的なこのエチケットには
彼の哲学が込められているといいます。

ひとつは、ワインは自分の作品である、という造り手としての思いを込めて
もうひとつは、誰が製造したかという顧客への説明責任を込めて
画家が作品に加えるように、
自分の”サイン”を入れているのだとか。


▲今回イベントにて試飲したワインには

彼の息子さん(ピエール君)の名前がつけられています。素敵!

自身が作るワインへの責任や、
大切な家族への愛情の印を刻んだ彼のワイン。

なんと中生代ジュラ紀後期の地層から成る畑から生まれた
凝縮したぶどうの旨味が
日本の出汁と絶妙にマッチするそう…!

そんな、彼の土地らしさも
ワインとしての見事な個性として楽しむことができる
ふかめる日にぴったりなワインです。

 

3.マタン・カルム / マーノ・ア・マーノ 2014

無口でささやかに話す、奥に秘めたるタイプながら
100%手作業にとことんこだわり情熱を捧げる、
マタン・カルムというワイナリーを手がけるアントニー・ギィ。

彼は、フランスのルーション地方・ベレスタ村というところで
ワインを造っているのですが
その畑は、トラックや機械が入れられないほど急斜面!


▲この傾きは、実際の斜面の傾きなのだそう。
車も入れないため、摘んだぶどうを運ぶだけでも大変!

機械の代わりに、
一つずつ手作業で摘み、かつ痛まないよう
通常より小さいサイズの収穫箱を使うほど
丁寧に、繊細にぶどうを扱う彼。

ワインの名前も「マーノ・ア・マーノ」
=スペイン語で「手と手」と付けています。


▲「この色を覚えておいて。これが僕のワインの色だよ。」
と鈴木さんに伝えたように、

うっとりするような色が特徴の彼のワイン。

ちなみに鈴木さんは、アントニーに
「日本人研修生第1号」としてスカウトされ、
収穫と醸造を手伝ってきたのだとか。

それも、アルザスのワインサロンで出会った時に
ワインの造り手と信頼を築き続ける
鈴木さんの姿を見て
この人なら、と思ったからこそ。

人となりを知った上で、信頼できる人を受け入れ
ワイン造りに向き合う彼の姿勢は、
どんな仕事をしていても真似したい信念です。

 

週末の達人に聞いてみました

ワインの造り手の個性を熱く語ってくれた、鈴木さん。

イベントにてこそっといただいた質問に
この機会に答えていただきました!

「ワインの選び方がなかなかわからないです…」

鈴木さん
『自然派ワインは作られる本数が少ないので、
出会いも一期一会。
気になると思ったら、ご縁だと思って手にとってみるのがおすすめです。

造り手の顔でもあるワインのエチケットにビビッと来たなら、
その造り手と相性が良いということ。
そんなジャケ買いをすることも楽しいです。

まずは味や産地など、細かな情報は気にせずに
好きかも、と思う気持ちを大切にしてみてくださいね。』

 

「自然派ワインの保存方法がわからない」
「一本飲みきれない時はどうしたら?」

鈴木さん
『自然派ワインは、保存料や酵母の添加をせず
或いは最小限の量にとどめ
できるだけ自然に作られています。
なので、開けてから長く、変化を楽しめるものも多いのです。

ワインを開けたら、むしろ少しずつ残し
その変化も味わっていただきたいです。
コルク栓をして冷蔵庫の野菜室に入れておけば、
ご自宅でもゆっくり楽しむことができます。

それでも不安、という方は、
ぜひ購入する際にワインショップに聞いてみてください。
気になることは彼らにどんどん質問して、仲良くなることが
今後のワインライフをより楽しくする鍵になると思います。』

 

イベントのご感想を伺いたいです!

鈴木さん
『遠くは新潟、長野、京都、大阪からいらしていただけたこと
自然派ワインへの関心の高さに、驚きと同時にとても嬉しく思っています。

自然派ワインは、「天(天候)・地(テロワール)・人」
というワインの三大構成要素の中でも
「”人”が自然という抗えない事柄に対し、
どう対峙し、自身の思いを込めたのか」が色濃くでる”農作物” です。

なので自然派ワインを知るには、
造り手を知ることがとても大切なことだと思います。

当日は、そんな造り手がどんなに素敵な人か、
実際に交流を続ける中で、
彼らの魅力をお伝えさせていただきました。
品種や白、赤などのカテゴリではなく、
”美味しいか””好みか”など5感で感じていただければ嬉しく思います。』

 

イベントの様子

大人のブランチ・アカデミー、#週末野心学。
その名の通り、ワインにぴったりな
ブランチメニューもお楽しみいただきました。


▲1番好評だった、大人のフルーツ・ポンチ「マチェドニア」


▲季節の食材を楽しむ、美しすぎる冷製ポトフ。
ハーブを合わせることで
よりワインと楽しめるアレンジに。


▲ワインを片手に、ブランチをお楽しみいただきました♩

テイスティングワインだけではなく、
5種類のグラスワインをお楽しみいただける
キャッシュオンコーナーも登場!
なかなかお目にかかることのない、希少なワインが揃いました。

NEXTWEEKENDからは、季節を楽しむTIPSとして
初夏に飾りたいお花と、
テーブルコーディネートアイテムをご紹介しました。

▼イベント当日ご紹介したお花はこちら
紫陽花だけじゃない。知っておきたい初夏のお花たち

たっぷりと自然派ワインの魅力に触れた3時間は
濃密ながらも、あっという間のひととき。

ご参加いただいた方も、この記事を読んでくださった方も
「次の週末はワインを飲みたいな」なんて思ってくれたら嬉しいです。

 

次回の #週末野心学は 7月14日(土)!

次回の#週末野心学のテーマは
夏のホームパーティーに役立つ、はじめての「メキシカン」!

ファーストフードとしても身近な存在ですが、
実は奥深いタコスやサルサなどのメキシコ料理。
五感をくすぐる食材の組み合わせとともに、
メキシカンカルチャーを学んでいただきます。

詳しくは6月30日(土)にWEBにてお知らせ致します。
お楽しみに♩

 

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