こんにちは。
NEXTWEEKEND代表の村上萌です。
ちょっと長くなりますが、帰り道の電車の中とか、一人のランチの時なんかに読んでもらえたらすごく嬉しいです。
そもそもの、私たちの思い
めちゃくちゃ改めて…の話になるのですが。
我々NEXTWEEKENDは、基本的に「あ、これ次の週末にやりたいかも…!」と、皆様に思ってもらえるような提案を沢山したいと思っていて、
それによって「なーんだ、自分が“いつか”と思っていたことって案外“次の週末”にできるじゃん」という気づきで、
誰かの週末が、ひいては誰かの人生が豊かになったらいいな、と願って、このサイトも日々企画&編集をしています。
企業やブランドとの取り組み
そんな中、私たちが是非これは皆様に紹介したい!と思うブランドや企業とは、
都度企画を考えて様々な取り組みをしてきているのですが(これに関してはまた改めて喋りたいです)、
今回は、近年私たちのパートナーとしてご相談をいただくことが多い地方自治体との取り組みについてちょっとお話させてください。
みなさん今、どこに住んでますか?
出身地は今、どんな状況ですか?
育った環境や住む環境によって、地方での暮らしを想像できる人とそうでない人がいると思いますが、
今回は、長野県にある人口4000人ほどの川上村という小さな村の話をします。
長野県川上村という小さな村について
小さな村ですが、ご存知の方は多いかもしれません。
というのも、実は日本のレタスの7割の生産を占めるのがこの村。
村のほとんどは農家で、そしてレタスという需要のある野菜を扱っているだけに、そこの方々が生きていくのに困ると言うことはありません。
川上村が抱える問題
ただ、あまりにもレタス農家として大成功している場所だからこそ、これまでの歴史や伝統、周りの目も気になって、
レタス以外のことで自己実現をするのが難しそう、というのが私が最初に感じたことでした。
なにしろ、お互いが車のナンバープレートを見れば誰か分かるという、とても安全だけど、正直勝手な動きができない生活です。
3年前の出会い
この村に初めて訪れた3年前、村の女性たちに向けて小さなワークショップを行いました。
集まったのは、ほとんどが村外からレタス農家に嫁いできた15人ほどの女性たちでした。
「Discoverkawakami」と題して、村の良いところを挙げながら、
それを商品や事業にするにはどんな方法があるかをブレストするような内容でしたが、
その時はレタス以外にはほとんど挙がることがありませんでした。
みんなが村を嫌いなわけではありませんでしたが、全体的に自分の意見に自信があるわけではなく、
何かに挑戦することを諦めている人が多い印象を受けました。
自分の生活を諦めてしまうこと
「もっと〜なところに住んでいたら」「もっと〜な人が近くにいたら」
そんな風に思って、楽しそうなSNSの投稿や誰かの活躍を眺めていることって誰にでもあると思います。
だけど大事なのは、自分がその生活で何をするのかということ。
これからもその場所で暮らすのか?それともそこを離れるのか?
前者だとしたら、楽しんだ方がいいじゃないかというのが私の考え。
結婚生活だって、職場環境だってなんだってそうだと思います。
待っていても生活や環境は勝手には変わらない、だとしたら、自分が変わるしかない。
そんなことどんな啓発本にも書いてあるし、言葉では分かっているけど、
「自分の生活では無理」と他人事にしてしまう、そういうことってすごく多いと思います。
見える景色が変わっていくまで
そこで3年前のこの日、川上村の女性たちと #Discoverkawakami という1つのハッシュタグを作りました。
インスタをやることすら、遊んでいるようで罪悪感があるという人もいたほどですが、
それぞれが少しずつ投稿し始めた川上村の光景は、当然全部違って、そしてとても美しいものでした。
ドラマや映画のように、ある日突然、出会う人や、環境が変わるということは実生活ではほとんどありませんが、自分が変われば見える景色が変わるんです。(これほんと)
3年経って、少しずつ変わっていきました
たった15名ほどの農家のお嫁さんたちが始めたこの #Discoverkawakami での投稿は、今では700件を超えています。
そんなアウトプットを見て、みんなの生活にはもちろん無いものは沢山あるけど、そのおかげで手に入るものが沢山あるんだということに気づき、
それをNEXTWEEKENDでは色々な形で記事にしてきました。
▼NEXTWEEKEND2017春夏号より
カフェのない小さな村から教わる「お茶によばれる」楽しみ方
▼ウェブ記事
「標高1,200mの村から教わる、家電に頼らない生きかた」
▼ウェブ記事
「日本一のレタス畑から届いた、泣けるほどきれいな空の顔」
こうして、村の女性たちと協力し合いながら色々な要素や素材を集め、
誰かに「暮らしの工夫」として少しでも役に立つ情報と思ってもらえるように編集作業をしてきました。
インプットとアウトプットという言葉がありますが、この2つはどちらかが欠けても成長できないと思っています。
発表する場があるから吸収できるし、吸収したから発表できる。
その繰り返しで研ぎ澄まされていくんだと思います。
インプットを続けた女性たちの中には少しずつアイデアを形にする人が出てきました。
川上村で年に一度開催される「KAWAKAMI IDEA FOREST」というアイデアコンテスト
(ちなみに私、毎年審査員をやってます!)
これに出場することも村の女性たちにとってはものすごく勇気がいることですが、
この3年そこでアイデアを発表し、そして少しずつ村の事業となっていくものも増えました。
その一例がこちら。
「森の手当て屋さん」として商品開発した白樺のハーブコーディアル。
(村の女性の一人、川上知美さん考案)
1番近い病院まで片道一時間かかるという川上村。
北欧では古くから栄養源や薬用などとして使用されてきた白樺の樹液を使って作ったコーディアル。
3人のお子さんを持つお母さんならではの優しいアイデアは、旦那さんと二人、白樺林で幹にドリルで穴を開けて採取しているそう。
こんな風に、その土地の良さを活かしてレタス以外の製品もできました。
「いつか」じゃなくて「次の週末」
冒頭で少しお話しした、NEXTWEEKENDは「いつか」と思っていることを「なんだ、次の週末にできるじゃん」と気づかせたいという思い。
川上村との取り組みも同じ気持ちでやってきました。
今の環境を「どうせ」と諦めてしまっている中で、実は1番身近にいる自分が変われるんだということ。
小さな変化ですが、一人の変化は隣の人を変え、そして少しずつ常識を変え文化を変えていきます。
3年間で明らかに少しずつ変わってきた川上村、長くなったので【後編】に続きます。
「Community Project」とは?
NEXTWEEKENDの「季節の楽しみと小さな工夫」というコンセプトのもと、他企業や他ブランドと共に、今より少し楽しい生活を考えていく記事広告コンテンツです。
プロジェクトごとにオリジナルの共通言語(ハッシュタグ)を設定し、企業/ブランドとNEXTWEEKEND、そして読者である女性たちで、理想の生活を叶える“コミュニティ”を一緒に作り上げていきたいという思いが込められています。