金曜日の夜。
飲み会もいいけれど、たまにはひとり映画という予定を入れてみませんか。
「いつもとちょっと違うこと #背伸びの日」がテーマの今月は、少しだけ背伸びしたおしゃれがしたくなる映画をご紹介します。
ブルージャスミン
着まわし上手になりたいときに
ケイト・ブランシェット演じるジャスミンは、ある日突然富豪の夫から捨てられ(夫はなんと10代の留学生と恋に落ちた上に詐欺で捕まる…!)、家族も財産も何もかも失い、サンフランシスコで質素に暮らす妹の家に転がり込んできたところから物語は始まります。
それまでのニューヨークでのセレブ生活からくる異様なまでのプライドの高さから、現実の貧乏生活に耐えられず、ジャスミンは嘘や虚言を重ねて再び玉の輿に乗ろうともがいていく…、といったストーリー。
最初から最後まで、ブラックユーモア漂う大人な作品なのですが、おしゃれ目線で観ると、また違った楽しみ方ができて、わずかばかりの服とアクセサリーをトランクに詰めて妹の家に押しかけてきたジャスミンは、実はとっても着まわし上手なんです(単純に服を新たに買い足すお金がないだけですが)。
白シャツやベージュのパンツなど、いわゆる上品でベーシックなアイテムをうまく組み合わせて、いつも素敵に見せているコンサバティブなファッションセンスはお見事!
精神安定剤を飲みながら玉の輿を狙う姿は、女性のしたたかさや痛さそのものなのですが、持ち前のセンスのよさで、ギリギリの品を保っている気がします。
もちろんストーリーもコミカルでおもしろいので、ぜひ観ていただきたい作品です。
出演/ケイト・ブランシェット、アレック・ボールドウィン
DVD¥1,800+税
2013年、アメリカ映画
発売・販売元/株式会社KADOKAWA
ティファニーで朝食を
クラシックなスタイルを取り入れたいときに
オードリー・ヘプバーン演じる高級娼婦のホリーと、引っ越してきたばかりの駆け出し作家ポールの、ニューヨークを舞台にしたおしゃれなラブストーリー。
朝、ティファニーの店の前でデニッシュをかじりながら始まる、あの有名すぎるオープニングは、何度見ても印象的です。
完璧におしゃれをしたゴージャススタイルももちろん素敵なのですが、ホリーが窓辺でギターを弾きながら主題歌「ムーン・リバー」を歌っているときのスウェットスタイルや、お金持ちと結婚することを決意して、娼婦をやめたあとのプレーンなニットとパンツスタイルなど、シンプルな格好も抜群にセンスがよくて、いつも感心してしまいます。
私が一番好きなシーンは、物語の最後の方でホリーが婚約者からの別れの手紙を受け取ったとき、「女は口紅もつけずにその手の手紙を読むわけにはいかないもの。」と言って、震える手でオレンジの口紅を塗るところ。
日本中(世界中?)で服装のカジュアル化が進んでいて、それはとても合理的だけれど、口紅を小まめに塗り直したり、背筋がピンと伸びるようなきちんとした服を着ることって、意味はなくてもとても素敵なことだなぁと、改めて気づかされます。
何度見ても、また見たくなる、宝物のような映画です。
出演/オードリー・ヘプバーン、ジョージ・ペパード
ブルーレイ¥2,381+税
1961年、アメリカ映画
発売・販売元/パラマウント・ピクチャーズ
COPYRIGHT(C) 1961 by Paramount Pictures and Jurow-Shepherd Production All Rights Reserved.TM, ? & Copyright (C) 2011 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ココ・アヴァン・シャネル
もっと自由におしゃれを楽しみたいときに
ファッション・デザイナー、ココ・シャネルの伝記映画で、孤児として育ちながら、伝説のデザイナーへと成長していくまでを、『アメリ』でおなじみのオドレイ・トトゥが演じています。
女性は馬に乗るときもドレスを着て、横に座って乗っていた中、ココは男性の服をアレンジして馬に跨って乗ったり、漁師の服をヒントにボーダーのカットソーを作ったり、ファッションを武器に、きついコルセットと大きなスカート、過剰に飾られた帽子から女性たちを解放していく様は、見ていてとてもすがすがしい気分になります。
そして、ファッション誌やアパレルブランドが提案する流行に右往左往するのではなく、おしゃれってもっと自由で自分らしさを大切にしていいんだということを気づかされるはず。
イギリス軍大尉のアーサー・カペルとの美しくせつないラブストーリーも、秋の気分にぴったりな1本です。
出演/オドレイ・トトゥ、ブノワ・ポールブールド
Blu-ray ¥2,381+税/ DVD ¥1,429+税
2009年、フランス映画
発売・販売元/ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
金曜日のごほうびアイテム
ベッドルーム用のお花
気がつけば夏の暑さは一気に過ぎ去って、すっかり秋の気分。
少し寂しい気もしますが、お花の持ちがよくなるのは嬉しいですよね。
土曜日の朝目覚めたとき、たっぷりのお花が目に入ると、なんだか素敵な週末が過ごせそうな気持ちになるので、金曜日の夜は自分のためにお花を買うように心がけています。
写真は、雨の日だったこともあり、この倍のボリュームでなんと1000円で売っていたバラ。
1000円でこんなにぜいたくな気持ちになれるなんて、お花のパワーは計り知れません。