宅配業者も悲鳴をあげるほど、通信販売が爆発的に普及してきた現代。
最近思うのは、世の中とっても便利になって、「ここでしか買えないもの」ってもうほとんど無くなったんじゃないか、ってこと。
例えば地方限定のお菓子も、物によっては近所のスーパーやコンビニでも手に入ったり、もちろんネットでも買える。
大好きなお菓子がいつでもどこでも食べられるのってとても嬉しいことだけど…
「どこで買った」という事実に対する価値ってだんだん薄れてしまうんだろうか、なんて感じることが少し増えた気がします。
“これ日本でも買えるけどこっちの方が安いね” という賢い買い物も素敵だけど、“ここでしか買えないもの” に出会うために時間とお金を使いたい。
そしてポートランドは、それができる場所なのでは。
そんな気持ちで、まだ見ぬ何かを「GET」する旅に行ってきました。
なんとポートランドには消費税がなく、いいものが安く手に入ることで知られています。
アメリカ国内からも買い物でポートランドを訪れる人が多いのだそう。
私たちが滞在中に周ったお店は1日あたり10店舗以上。
その中で心に留まったあれこれを、今回「GET」の視点から少しだけご紹介します。
それぞれの「好き」を集めた場所
それぞれの「好き」を集めた場所。
ポートランドにあるたくさんの魅力的なお店を一言で表現するならば、こう。
例えば、ポートランド北西部にある、SCHOOLHOUSE ELECTRIC & SUPPLY(スクールハウス・エレクトリック&サプライ)。
100年以上前のレンガ造りの工場の中で、照明やカードの製造から 家具など様々な家庭用品の販売までを行っています。
元は創立者のブライアン氏が、使われなくなった倉庫で長年眠っていた鋳造照明の型を発見したことが始まり。
それ以来彼のチームでは、歴史ある先人たちの作品を心から愛し、その価値を未来永劫守っていこうという信念のもと、オリジナル製品に加え、様々なクリエイターによる「物語がある製品」に囲まれた独自の店づくりを続けているのだそう。
どこを見渡しても理想の生活のワンシーンを切り取ったような店内は、整然としているのに温もりが感じられる。
なんと店内にはカフェも併設されていて、コーヒーの香りを愉しみながら「こんなテーブルクロスがあったらいいなあ」なんて思いを巡らすことができるんです。
商売においても型にとらわれず、来た人に楽しんでもらうことから自分たちの「好き」を伝えていくそのスタイルが、世界に評価されるポートランドの良さなのだと実感しました。
2181 NW Nicolai Street Portland,OR 97210
TEL :503-230-7113
営業時間:月曜日~日曜日:9:00~18:00
店内にずらりと並んだ塩やチョコレート、ビターズ、そして色とりどりの花が美しいこちらのお店は、The Meadow(ザ・メドウ)。
創業者のマーク・ビターマン氏がヨーロッパを旅していた際に、ピレネーのとある道中で食べたステーキの絶妙な塩加減が彼の好奇心の始まりなんだとか。
店内で一際目を引くこちらは、ヒマラヤン・ソルト・ブロック。
完全なるピンクの岩塩のかたまり(!) 大小様々なプレートは、板状だけでなくボウル型になっているものも。
なんとそのままお皿がわりにステーキやサラダ、カルパッチョ、フルーツなんかを乗せて食卓に並べられるんです。
塩がじんわり溶けて料理に味がなじんでいくというアイディアに魅了され、NEXTWEEKEDメンバーもお土産用に小さいサイズをいくつも購入していました。
彼の著書「ソルト・ブロック・クッキング」は、その新しいスタイルが評価されてベストセラーにもなったのだそう。
食を心から愛し、「好き」を突き詰めた先でたくさんの人に新しい楽しみを提供しているThe Meadow。
その上店には毎日必ず新鮮なお花を飾り、要望があればアレンジメントもしてくれるなんて…
粋すぎて言葉が出ません。
こちらはダウンタウンからほど近い地区にある、PORCH LIGHT(ポーチライト)という雑貨屋さん。
この店もまさに、オーナーであるケイランの「好き」がぎゅっと詰まった場所。
店内にはシンプルで古典的なデザイン、そしてハンドメイドが大好きな彼女が集める「実用的で美しいもの」ばかりが揃っていて、本当に宝箱のよう。
ジュエリーやコスメ、おてんばな雑貨や家庭用品まで幅広く取り扱っています。
何周しても飽き足らず、NEXTWEEKENDメンバーの滞在時間、この旅で最長だったような気が…。
隅から隅まで見尽くした末にメンバーがゲットした、理想の寝室を叶えてくれるソケット。
早速大活躍です。
ちなみに今回のツアーのテーマは『自分の“好き”を知る4泊6日』。
ポートランドのお店は、自分の好きをよく知った上でそれを形にした、まさに私たちのバイブルのような存在でした。
また来たくなる、会いたくなる「人」がいる
この旅で、実は最も印象深く残っていること。
Jacobsen Salt Co.(ジェイコブセン・ソルト・コー)という塩の専門店に着いた時、もうお店の営業時間を過ぎてしまっていて、お店には誰もいない、電気も消えた状態でした。
ただそんなことに気づいていない私たちが店の前を右往左往していると(ちゃんと事前に調べておけば良かったのですが…)
一人の男性が通りがかりに声をかけてくれ、すぐに状況を察して、私たちのためにお店を開けてくれたのです。
迷惑な客のはずなのに、「全然気にしないで!なんでも聞いてね」と、店員さんは終始この笑顔。
じっくり試食までさせてもらい、自分のみならず大切な人へのお土産もGETすることができました。
(左)疲れた人を見つけたらプレゼントしたい、甘さと塩気のバランス◎なソルトチョコキャラメル
(右)レモン、スモーク、コーヒーなど一風変わったフレーバーソルトは贈りたい人の顔がそれぞれ浮かぶ
観光誌にも掲載されるような有名なお店なのに、そんなことには一切媚びず、目の前のお客さんに自分たちの愛する商品を見てもらえることをただ心から喜んでいる、そんな気すらしました。
おもてなしは上手だけれど、少しシャイでビジネスライクになりがちな日本人。
ポートランド式接客に学べることは、たくさんあるのかもしれません。
贈りたい人に想いを馳せながら選ぶ”ここでしか買えないもの”
お店づくりにも接客にも魅力たっぷりのポートランドは、渡米前の予想をはるかに超えるお買い物天国。
愛情たっぷりの店内を回っていると、家族や友人、職場の同僚、大切なあの人など…
普段はなかなか感謝の気持ちを伝えられない人たちの顔が次々と浮かんできて、贈りたいものを選ぶ時間がすごく愛しく思えてきます。
そんな気持ちでたくさんのお店を回ったメンバーが選んだアイテムを一部、ご紹介します。
①Oblation papers&press(オブレーション・ペーパー&プレス)の”The Beer Deck”トランプ
紙の専門店で見つけたこちら、トランプの1枚1枚に世界のビールのあれこれが書いてあるんです!
ビールが大好きな先輩夫婦の晩酌のお供にと、即決。
②Seagrape(シーグレープ)のオーガニックリップクリーム
防腐剤や化学物質を一切使用せず、ポートランドで手作りされたSeagrapeのコスメ。
徹底的にこだわっている商品だからこそ、大切な人に使って欲しいと思い大量購入。
③Noun : a person’s place for things(ナウン)で買ったレターセット
ポートランドの雑貨屋さんに必ずと言っていいほど置いてある、様々なポストカードやレターセット。
その時の気分で選ぶのも旅の楽しみになっていました。
④PorchLight(ポーチライト)の栓抜き
栓を抜くものがなくても持ちたくなってしまうくらいスタイリッシュで洒落た栓抜き。
最近引っ越した友人へのお祝いにしました。
⑤Powells’ City of Books(パウウェルズ・シティオブブックス)で買った33 drops of Hot Sauce
自分が出会った様々なホットソースをチャートにして自分だけの図鑑のようにできる、カスタマイズ精神をくすぐられる一冊。
ポートランド発の遊び心満点なこちらは、常に自前のホットソースを持ち歩いている友人へ。
(他にもコーヒーやビール、チーズにチョコレートなど種類豊富なんです!)
“ここでしか買えないもの” に出会える場所、ポートランド。
日本に帰ってきて2週間ほどですが、「あの店のあれ、やっぱり可愛かったなあ」「あそこにも行っておけばよかったな」なんて、想いを馳せない日がないくらい、すっかりはまってしまいました。
次に行った時はまたきっと全然違うものをGETできるのだと思うと、日本で過ごす何気ない日常も大切に思えてくるものです。
NEXTWEEKEND編集部からのお土産
各種グリーティングカードや文房具、ラッピングアイテムなどを豊富に揃えるPaperSourse(ペーパー・ソース)でメンバーが思わず手に取ったこちら。
「楽しかったこと」「良かったこと」「明日したいこと」などを日々書き留めて、毎日を幸せに過ごすためのプランを立てられる自分だけのカスタマイズノート『HAPPINESS PLANNER』です。
自由気ままに楽しく生きる、ポートランド流ライフスタイルへのヒントが得られるかも。
野心たっぷりのNEXTWEEKEND読者の皆さんなら、きっと素敵に使いこなしていただけるはず!
WISHLIST BOX〜雑誌NEXTWEEKEND 2017春夏号発売記念〜として、雑誌を事前予約してくださった方へのプレゼントとして登場予定。
NEXTWEEKEND STOREで告知しますのでぜ
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