大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、Weekender編集部のみなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、「人見知り」について迷えるWeekenderさんのお悩みです。
SNS上や、文書にすると自分を表現できるのですが、人前に出ると緊張してしまい、初対面の場になると楽しいのになかなか自分から飛び込めないのが悩みです。
そんな自分を変えたくて色んな方と関わる機会増やそうと努力していますが、普段人前に出ることが多い萌さんにご意見頂きたくて相談させて頂きます。
(20代・女性)
こんにちは。今週はポートランドに来ています。
ドアノブとかスイッチホルダーとか、家をD.I.Yするためのパーツが沢山売ってて、なんだかうずうずする、とっても楽しい街でした…!
そして今回のお悩みですが…、人前に出ると緊張してしまうとのこと。
こちらは、「経験」というのがかなり重要な気がします。
私も、今でこそ人前で話す機会が多くなりましたが、昔はとにかく人前が苦手でした。
それは必ずしもステージで話すとかそういうのではなく、ただ複数人で喋ってる時なども同じ。
その時の心理状況を言葉にすると「どう思われてるかな…」「今、私の言ったこと普通かな…」
とか、自分に自信がなかったので常にベクトルが自分に向いていて、変だと思われないことに必死だったような気がします。
だけど、少しずつ変わってきたのは、他でもない2種類の経験数でした。
1種類目の経験は、単に「場慣れ」という意味での経験。
「あの時、あれを一言加えておけばもう少しわかりやすかったかな…?」
「誤解させちゃったかな」「あの人楽しかったかな」とか、そういう1人反省の時間が増えれば増えるほど、「次はこうしてみよう」という改善点が見つかっていきました。
ステージのような場合も同じで、最初は「なんで私なんかが…」と、緊張しつつもどこか投げやりな気持ちでいましたが、回数を重ねるごとに「せっかく来てくれたんだから、もっと伝えたい」と、向き合い方が変わって、普通を目指すよりも、伝えられるようになりたい、とシンプルに思うようになりました。
2種類目の経験は、恋や友達間での人間関係、それから仕事やその他人生すべてにおける自分の人生経験です。
経験を重ねるたびに、「こういうことかな…」と、誰かの話が理解できるようになり、たとえ話や表現の数が増えました。
これは大人になるから当然のことなのかもしれませんが、「変なこと言ってないかな…」なんてことより、自分自身の言葉で相手とちゃんと喋れるようになったということなのだと思います。
この2種類の経験によって、私の中で1番変わったのはベクトルの方向です。
「上手くできるかな…」と自分に向いていたものが、相手の話をより理解して、せっかくならもっとちゃんと交流をしたい、とベクトルが相手側を向くようになりました。
今、緊張するとしたら、初めてのこと、もしくは自分の準備が足りていない時です。
「上手くできるかな」「準備できてないのをバレないようにしなくちゃ」と、弱い自分を隠そうとした時です。
相談者さんも、どこかで「上手にやらなくちゃ」と思ってらっしゃるのかもしれません。
そうであればベクトルを徐々に相手に向けて、自分の成功よりも、自分自身の行動や言動で、誰かを変えることだってできるということを感じてみてください。
自分以外がみんなとってもスマートにこなしているように見えるかもしれませんが、意外とみんな臆病だし、緊張してたりするんです。
経験を増やしながらも、もっと単純に交流自体を楽しんでみてください。
素敵な関係が紡がれますように…!
NEXTWEEKEND編集長 村上萌が、Weekender編集部のみなさまから匿名で募集したお悩みに答えていく連載企画です。月に2回、10日と20日に更新予定です!