NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。

私は大学を卒業し、大手と言われるような企業に就職しました。若手のうちから海外出張に行かせていただいたりそれなりに仕事に力をいれて熱心に働いていたと思います。

ですが同時に入社後数年で結婚し出産をし、プライベート面でも早いスピードで進んできました。 出産後に仕事も復帰し、フルタイムでいわゆるワーママとして可能な限りで育児も仕事もどちらもやってきました。

そんな日々を過ごす中、第二子を妊娠していることがわかりました。特に主人は強く望んでいたので喜んでくれてもちろん嬉しい気持ちです。一方で会社に目を向けると、同期の女性や後輩たちの海外出向が決まった話しがどんどん溢れてきて、頑張れと応援する気持ち半分と、自分も結婚や出産をしていなかったらそうなれたのかなと、なんともモヤモヤした気持ち半分でいます。

職場で直接的にお母さんだからという態度や扱いを受けているわけではありませんし、会社としてもかなり働きやすい環境を整えていただいていると感じています。しかし第一線でバリバリと、というところからは遠い存在になっているのは事実で、少し悲しく感じています。

今が幸せではないということはなく、聞かれれば幸せと思いますし、ないものねだりだなと思っているのですが、萌さんだったらどう気持ちを消化するのかなとお尋ねしたくご相談させていただきました。

ホットコーヒーを淹れて、梨の皮をむいてブドウと一緒に器に持って、クーラーのいらない朝の部屋…!秋が好きすぎる…!と、1年ぶりにやってきた秋にときめきながらパソコンを開きました。今年の夏も本当に暑かったですねぇ。

さて、お悩みをお送りいただきありがとうございます。第二子のご懐妊もおめでとうございます。どれだけ“ないものねだり”を言葉で理解していたとしても、30代前後の女性は特に、「あの時こうしていたら別の日常があったのだろうか」のパラレルワールドが見え隠れして、気持ちが安らかになることはなかなかないですよね。
これに関しては、見るものを変えるのが一番です。

劇作家のオスカー・ワイルドの名言に「楽観主義者はドーナツを見て、悲観主義者はドーナツの穴を見る」というものがありますが、同じものを見ていてもどこに注目しているかは人によって違います。これがその人なりの視点であり価値観です。
相談者さんが、早々に結婚も出産もしなかった道はそれはそれで楽しかったかもしれません。でも、別の道を選んだ相談者さんにとって、そちらの道を求めることは目の前にあるドーナッツの穴を見ているようなものです。

前提として、どちらの道にもその道なりの良さがあるとあらためて理解してください。どちらも楽しいし、どちらもそれなりに悩みはあるし、どちらが勝ちでも負けでもありません。
別の道を選んでいたら、今度は今相談者さんが過ごしている日常をどこかで羨ましいと思っていたかもしれないな、ということはご自身でも分かっていると思います。自分の選ばなかった選択が常に見えている、というのは“モヤモヤ”と呼ばれるその感情が当たり前にセットなのです。

その上で、今相談者さんが選んだ道にある自分なりの楽しみを沢山見つけることに集中してみてください。世間一般に言われている「育児の喜び」とか「夫婦円満の秘訣」とかそういう物差しではなく、「あぁ、この瞬間好きだな、幸せだな」という相談者さんなりの喜びです。
また、その生活があるからこそ見える、ひとり時間の中での楽しみにも注目してください。

それがあればあるほどに、自分の道が「結婚して子どもを産んだ人の道」という一般的なコース名ではなく、複雑な、相談者さんならではのオリジナルでスペシャルなコースになっていき、比較しやすいパラレルワールドとの距離はどんどん離れていくはずです。

目の前にあるドーナッツの美味しさに気づくかどうか、こんなに簡単なことなのにこんなに難しいなんて、人間って本当に面倒な生き物ですが、そんな葛藤すらも俯瞰の目線を持って「やれやれ、可愛い生き物だなぁ」なんて楽しんでいけたらいいですよね。(突然達観しすぎですねw)

応援しています!2回目のご出産も楽しんでくださいね。

 

お悩み募集中!

「編集長がこたえます!」では、みなさまからのお悩みを募集しています。

大きな声では言いづらいけどちょっと誰かに聞いてほしい…

そんなお悩みがある方はぜひ以下のフォームからご投稿ください。

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※すべての質問に回答できるわけではございません。
また、頂いたお悩みはNEXTWEEKEND/村上萌の発信する他のコンテンツで使用させて頂く場合がございますこと予めご了承のほどよろしくお願いします。

「編集長がこたえます」が本になりました

人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!

NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。

その名も「深夜の、かけこみ横丁」。

「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」

身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。

横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。


▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。


▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。


▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。

「深夜の、かけこみ横丁」
著者:村上萌
発行元:カエルム株式会社
仕様:176ページ/B6版製本
定価:1760円(本体1600円)
流通:全国書店、ネット書店
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