大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。
この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。
今日ご紹介するのは、こんなお悩みです。
暖かくも客観的な回答をいつも拝見しており、村上さんならどんなふうに考えられるのだろうと思い切って相談メールを送りました。
3つ年下のパートナーと1年交際の後、昨年11月から同棲しています。
同棲少し前から、私の家族と彼との関係に彼が悩み、そのたびに私と深刻な話し合いを行うことが何度かありました。
私の家族は両親含め親戚全員彼を歓迎しており、実際実家に招いたり、親戚の集まる食事会に誘ったりなど積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれています。
しかし二人の生活のことには口を挟んでこず、必要なときに必要な支援をくれる、手前みそですが、相当よい家族です。
客観的にみると、私の家族は世間で言われるところの富裕層の部類です。彼は工場で夜勤もするような仕事についており、彼はそれを気にしています。
私は彼の人柄で自然に付き合い始め、同棲をしました。家族も彼の人柄に惹かれ、彼の仕事や学歴がどうであれ関係ないというスタンスです。そういう話題も自己紹介や話の流れで自然にでた時以外はしません。
しかし彼は何かと、私の家族との交流時「自分は見極められてるのではないか」「見合わないのではないか」「できればそんなすごい人とは関わりたくない」などの言葉で、言われても思われてもないことで被害妄想的になり、わたしにその不安をぶつけてきます。
わたしがいくら、家族がどんなに彼を受け入れてるか説明しても、「君は家族の肩をもつんだね」「僕の味方をしてくれない」と論点がずれてしまいます。何度も同じようなことで話し合いになり、そのたびに彼は自分が変わらなければならないことをわかっている、(過去にいじめにあったり離婚を経験したりと、彼自身に人を素直に信用できない素養があるということなのですが…)と言うのですが、先日も同じ内容で夜中まで話し合いになり、疲れてしまいました。
仕事で自信がないならいまからいくらでもつけられるし、私との前を見てくれるなら受け入れられてることを素直に喜び、足りないところはこれから返していけばいいと思うのですが、そういう考え方には至らないようです。
私は両親や家族が大切で、結婚するにあたりお互いの家族を大切にすることは絶対条件です。善意を否定され続けると悲しいことも何度も伝えてますが、いまのところ変わり映えしない彼との結婚に悩んでいます。
どのように考えれば彼と一緒に歩めるのでしょうか。
(34歳・会社員)
あと2日で、今この原稿を書いている家から引っ越します。
賃貸で許される範囲で3年かけて色々とDIYを楽しんできたので、昨日ついに現状復帰をしたところリビングの真ん中に掘りコタツがカムバック…!(板で埋めてラグを敷き、その上にソファを置いていました)
自分の持っているインテリアとは合わなかったので迷いなく選択しましたが、いざコタツがある生活はなかなか良くて、家族の会話も増えるし、今もぬくぬくしながら朝のコーヒーを飲んでいます。
さて、長くなりましたがお悩みをお送りいただきありがとうございます。
目の前にある事実が同じだとしても、相談者さんと彼から見えている景色は随分と違うかもしれませんね。
彼のこれまでの経験やコンプレックスもあるかもしれませんが、もしかすると彼が自分自身“こう在りたい”と思っている理想と現状が違うことに腹立たしさもあり、周りがポジティブにとらえるほどに卑屈っぽくなってしまっているのかもしれません。
卑屈になってしまっている時、彼の悩んでいる部分に同調して「でもさ、それは変えていけばいいよ!ほら〜だし!」とか正論でポジティブなことは、もしかすると余計溝を作ってしまうかもしれません。
2人の会話の中で“今の彼が足りていない”ということが当たり前のような前提で進むことは、彼のプライドを傷つけることでもあるはずです。
相談者さんは十分に気を遣いながら言葉を選んでいると思いますし、相談者さんの言っていることが正論なことは彼も分かっていると思います。
善意を否定しているわけではなくて、善意をそうとらえるために自分なりに葛藤しているのかもしれません。
だから、これに関しては話し合いをして説得する、分かりあう、というよりは、今なんとなくできてしまっている「“彼”と“彼を受け入れている私たち”」みたいな構図をなんとか変えて、「“彼と私という2人”と、“お互いの家族”」というフラットな構図に戻すイメージを持った上で、まったく別のことに2人で向き合ってみてはどうでしょうか。
たとえば週末のピクニック研究でもいいし、一緒に住む家のDIYをしてみるとか…、恋人として何かしらのプロジェクトに取り組んでみる。そんなことをしている中で「やっぱり、彼の人柄が好きだな」「これからも一緒にいたいし、2人で変わっていける」と感じるなら可能性はあると思いますが、すべてにおいて彼が卑屈っぽくて、一緒に楽しむことすらできないのであれば、これから先共に歩んでいくのは2人にとって試練の道かもしれません。
ちなみに…、相談者さんは考え方も明確で正義感も強く、自身への肯定感もあられる方だと思うので、彼が年下でさらに家族に対して格差を感じてしまっている現状をなんとか変えたいと願っているから、ピクニックをしている途中も「そうそう、その調子!私はあなたのこういうところが好きなんだよ!その感じで家族とも頑張ろう!」のように思ってしまうかもしれませんが、そういう気持ちは一旦滲み出ないようにして、先述したように、まずは相談者さんが構図イメージをフラットに戻しておくことが重要だと思います。
気をつけているつもりでも、今回のような深刻な話し合いが起きている中で、それが解決していないというのは2人の間で変わらない事実なので、お互いにそこでの主張を日常生活の中で確かめ合うような会話や行動が、端々にも出てしまうはずです。
裏テーマとしては、彼にももう一度相談者さん自身に向き合ってもらうような時間を過ごしてほしいなと思います。
もちろんそう長くその期間を作ることはできないかもしれませんが、お互いに一旦問題に触れずに恋人として過ごした時に「これからも一緒にいてくれる?」と問いかけてみたりと、ちょっと違う切り口からもう一回ちゃんと未来について話してみるといいのでは…、と思います。
問題を先送りすることを推奨しているのではなく、今の話し合いの延長で本音を聞き出そうとしても状況は悪化の一方の可能性もあるので、そもそも2人が一緒にいたいと思った本質的なことに向き合うための現状チューニングの提案です。
登場人物の中に誰も悪い人はいないのに、育ってきた環境や価値観、同じことを「正解」だと思うのって簡単じゃないですよね。
2人やご家族にとって、少しでも幸せな未来を作っていけますように!応援しています。
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「編集長がこたえます」が本になりました
人生の変化を迎える全ての女性に贈りたい!
NEXTWEEKENDの人気連載「編集長がこたえます」が1冊の本になりました。
その名も「深夜の、かけこみ横丁」。
「自分が何者でもないことが不安です」
「浮気した夫とのこれから」
「仕事に求めるものを見失いました」
「生きている意味がわかりません」
「セックスレスで、毎晩涙で枕を濡らしています」
身近な人にこそ言えない、人の悩みは十人十色。
今日もきっと、誰かが悩んでる。
横丁で隣に座ったような気持ちで、誰かのお悩みを聞いて、考えて、語って。
気づけば自分のお悩みもスッキリするような1冊です。
▲共感を集めた31のお悩みを掲載
恋愛、人間関係、仕事、子育て、自分自身…
WEBでは選べなかった、深い内容も初公開。
▲悩みを解決する5ステップの思考法&書き込みノート
自分のモヤモヤを客観視することで今やるべきことが見えるかも…!
今自分が悩んでいることを書きこんで整理できるノートつきです。
▲悩んだ日に食べたい、横丁のレシピ
悩んだ日でもお腹は空く。
食べたら明日からちょっと元気になるようなおつまみとお酒のレシピも、お悩みのシーンごとに掲載しました。