KAOZOKUGOTO NOTEは、世界が新時代に突入した2020年に、それぞれの自宅から繋いだ会議の中で発足した“家族のチーム化”を掲げたプロジェクト。
家族間で伝えること、残すことを促すためにつくってきました。
4年目を迎える今、累計約2000の使い方を知る中で、事務局から発送される時には全く同じだったノートは、各家族の在り方とともに唯一無二のノートとなり、私たちが想像していた使い方を遥かに超え、尊い存在へと育っています。
未来の自分と、大切なひとのために。
今より少し、自分の人生を好きになるために綴る、KAZOKUGOTO NOTE(愛称:ファミノ)。
この連載では、ノートがどんなふうにそれぞれのご家族の中で使われているかとともに、使っていくうちに訪れた家族の変化をご紹介します。
ユーザーコミュニティ「KAZOKUGOTO NOTE CLUB(旧FAMILY NOTE CLUB)」限定で過去配信した「ファミノ新聞」よりインタビューを抜粋してお届けします。
※2024年2月公開分より
ファミノユーザー まゆさん
▼家族構成
旦那さん・離れて暮らす大学生の長女・春から高校生の次女との4人家族。北海道在住。
「もう5冊買うことは決めていて、色を迷っています」昨年12月、最後の予約販売開始まもなく事務局に届いた1通のメッセージ。送り主は、北海道に住むまゆさん。
「娘が高校を出るまでの3年で1冊ずつ、残りの2冊は娘たちに将来授ける用」ファミノを手に取って2年足らずで迷いなくそう語ってくださるまゆさんは、どんなふうにノートを育てているのでしょうか。
そこには事務局も思いつかなかった使い方や、家族の絆を深めるヒントがたくさん詰まっていました。
以前もインタビューさせていただきましたが(当時の記事)、おふたりの娘さんのフェーズも変わったいまの使い方やお気持ちを伺ってみたいと思い、今回ふたたびお声かけさせていただきました。
まず改めて、購入に至った経緯をお聞きしてもよろしいでしょうか。
クラウドファンディングのときは使いこなせる自信がなくて見ているだけだったのですが、コロナ禍に思うことがあり2年目の販売で初めて購入しました。元気だった人が突然コロナで亡くなったり、私自身が子どもの頃に大きな病気をしたこともあったりして、明日どうなるかわからないということを強く感じるようになって。
私の言葉を娘が将来見られるように残しておきたい、と思うようになったのが一番大きかったですね。
コロナ禍には命について深く考えさせられましたよね。まゆさんは普段、どのようにノートを使ってくださっていますか。
Thank you forやGood Things Journal、「今の気持ちにタイトルをつける」ページは季節ごとに色や柄が違いますよね。我が家では、このお花のページは長女、イチゴのページは次女、という風に決めて、家族みんなにそれぞれ渡してあるんです。
なるほど。4種の柄を、4人で使い分けているんですね。初めて聞く使い方です!
そのほうが効率が良いかなと思って。足りなくなったら印刷できるので「なくなったら言ってね」って伝えてあります。しまっておいたら、都度「書いて」って言わないといけなくて強制みたいになってしまったので、渡しておいて好きな時に書いて、書けたら回収という形にしました。
ファミノ本体はリビングに置いてあるので、好きな時に見ていいよっていう感じにしています。
次女は忙しすぎてまだあまり回収できていないんですけど、長女は年末に帰ってきたときに書いたページをくれて。スマホに入ってる写真を「ママ印刷して」って頼まれたので、私が印刷して貼りました。友達とした楽しかったことなんかを日記のように書いていますね。
大学生になってからはあまり連絡をくれないんですけど、こういうことしてたんだっていうのが知れて楽しくて「ファミノありがとう!」って思いました。
次女も学校でのことを書いていて、私は食べ物のことが多いですね。これを食べておいしかったとか。夫はいつも長文です。タイヤがパンクしたとか(笑)そういう日常の出来事から、昨年は私が長期間入院していたので、その間は次女とのことをたくさん書いてくれていました。
家族それぞれの視点が一冊に集約される…宝物ですね。娘さんたちは、反抗期とかあったりするのでしょうか?
そうですね、あまり感じないかもしれないです。ママには勝てないんだと思います(笑)
「子どもと使うノート」が出たとき、やっぱり小さい子向けかなって思ったんですけど、次女が書きたいって言ってくれたので買ったんですよ。同じ質問の紙が2枚あったので長女にも渡してみたら、もうすぐ19歳になるにもかかわらず書いてくれて。
まだ字が書けない小さい子の言葉も尊いけれど、思っても口に出して言わなくなった子どもたちの言葉を聞ける、こういう使い方もありだなと思いました。
嬉しい。どんなことを書いてくださっていたのでしょうか。
「不思議に思っていることはある?」っていう質問に次女は「人はなぜ生きているのか」と書いていて、長女は現実的で「東京のマンションなんであんなに乾燥するんだろう」って。
▲北海道からひとり東京に出て暮らしている長女の「今」を知れるページ。
▲「悩みはない!」が気持ちのいい、次女のページ。2人の字の違いも愛しい記録。
おもしろい!雑談レベルの話でも残しておけば、きっと将来いい思い出になりますよね。
私の作った「好きな言葉」という質問には、長女が「やらずに後悔するよりやって後悔した方がいい」と書かれていました。私もいつも娘たちに「失敗も経験だから」「やらないと損するかもしれないよ」って言っていたので、それを長女が書いていて嬉しかったですね。次女は「なるようになる」と書いていて、それはそれで前向きでかわいいなって思いました。
どちらも小さいときには思わなかったことだろうし、また何年か後には違う言葉になっているかもしれないですよね。子どもプランは子どもがまだ小さかったら何冊買えばいいんだろうって思います。
▲今の子どもの世界を残す「Draw your world」のページの、まゆさん流の使い方。
19歳の娘さんの胸の内を楽しく引き出し、そして残せる素敵なコミュニケーション。
お母さんとの交換日記みたいで楽しいと思ってくれているんでしょうか。尊いです…!
ファミノがあることで、家族との関わりや感じ方が変わったことはありますか。
次女が部活で悩んでいた時期があり、そのときにちょっと書いてみてって「今の気持ちにタイトルをつける」ページを渡してみたんです。そうしたら、悩んでいた内容が私の思っていたより深いところにあったことや、口には出していないようなことを知ることができました。
知れた上でそっとしておくこともあるし働きかけることもあるんですが、ノートを通じて気持ちを知るきっかけを作れたことがよかったなって思います。
ただ真正面から聞くという以外のコミュニケーションの手段、選択肢が増えたのですね。
そうですね。この小さいサイズの枠が良いのかもしれないですね。タイトルも「楽しかった」とか「やばい」とか「ホッとした」とか単純なんです。
個性が見えて、愛しいですね。最近、印象に残っているのはどんなページでしょうか。
やっぱり年末恒例になりつつある「今年の目標と漢字」ですかね。これは毎年の思い出になるし見ていて楽しいですね。Good ThingsJournalのページに書いています。昨年は私の病気のことがあったので一緒に暮らしていた3人の漢字は「厄」「助」「辛」だったんですけど、離れて東京で暮らす長女は、渋谷の「渋」でした(笑)。
▲同じフォーマットで、家族それぞれの視点を共有できる使い方。真似したい!
あとは、夫が何枚もThank you forのページを持っていったと思ったら、私へのメッセージを書いてくれていたんですよ。普段はそんな風に思っているようには見えないんですけど……。
素敵です…! 普段は表現できないからこそ、ファミノに書くことで伝えていらっしゃるんでしょうか。
最後に、Instagramに投稿されていた、まゆさんが昨年ご病気で入院された際に書かれた「親と使うノート」についても聞かせていただけますか。
「親と使うノート」は娘たちがそれぞれ成人式を迎える20歳になったら渡そうと思って買ったんですが、入院していたときに「このまま私がいなくなってしまったら渡せないな」と思って、具合が良いタイミングで病院に2人分持ってきてもらって書きました。
入院している間に感じたことを書いたり、母親として伝えておきたい言葉を書いたり。2人に同じことを書いたページもありますし、名前を入れて、それぞれに向けて書いたページもあります。レシピページは、リクエストを聞いたら2人ともハンバーグでした。
▲「成人するタイミングか、パートナーができて家を出るタイミングか、まだ渡す時を迷っている」とまゆさん。間違いなく娘さんたちにとって人生の支えになる、ママの直筆の言葉たち
辛いことはあまり残したくなくて、入院中のことはほとんどノートには書いていないんです。
ファミノのタイトルを「Enjoy」にしたんですが、辛いことや痛いことってずっと覚えてるじゃないですか。でも楽しいことってあまり細かいことまでは思い出せないですよね。何年も後に辛いことは読みたくないから、開いたときに笑顔になれるように、これからもファミノには楽しいことを書いていきたいって思っています。
あとがき
インタビューを担当した川島文乃も未就学児2人の育児に奮闘している最中ですが、多くのKAZOKUGOTO NOTEユーザーさんにとって、まゆさんは子育ての大先輩。そんなまゆさんが今、ファミノを通じてご家族との絆を深めていらっしゃる姿は、理想であり希望…。
枠にとらわれず自由に、自分らしくノートの可能性を広げながら育ててくださり、本当に嬉しいです。
と、こちらが感謝でいっぱいなのに、なんとまゆさんの旦那さんがファミノにこんなページを綴ってくださったそうで…!(許可をいただいたので、シェアさせてください。)
「このノートに出会って、妻は心の底から楽しんでいると確信しています」
この言葉に救われると共に、これからもこのノートと歩む皆さんの日々がより良いものになるよう、事務局一同全力で伴走していきたいと改めて思いました。
まゆさん、ご家族の皆さん、本当にありがとうございました!そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします。
KAZOKUGOTO NOTE とは
未来の自分と、大切な人に向けて綴る、 感情のアルバム「KAZOKUGOTO NOTE」。今日の家族の会話を増やし、これまで歩いて来た道をもっと愛しく思い、そして、少し先の未来に、共に希望を持つきっかけとなることを目指すプロジェクトです。
Writer:Yukiko Daigo
Editor:Ayano Kawashima