NEXT WEEKEND DATE

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

今日ご紹介するのは、子どもが産まれた後の夫婦関係について不安を感じている相談者さんからのお悩みです。


萌さん、こんにちは。
杏ちゃんの可愛い写真を拝見し、いつも心が癒やされています。
今、付き合って1年の彼がいます。
お互いどこか似ている部分が多く、「価値観が合うな」と感じており、二人の将来を前向きに考えることが出来ます。
最近、そんな彼にほんの少しだけ不安になることがあったので相談させてください。
彼と私の共通の友人に、めでたく子どもが生まれ、出産祝いと称し友人宅を訪問しました。
彼は、赤ちゃんを見るや、とても幸せそうな顔をして、友人の子どもを抱っこしていました。
とても微笑ましい光景で、ほっこりとした気持ちになったと同時に、一抹の不安を感じました。
もし、彼との子どもが出来たなら、今私に注いでくれている愛情と優しさが、一気に子どもに向いてしまうのではないだろうか。
愛情の比重が大きく変わってしまうのが怖いです。
まだ、結婚すらしていないうちから、こんな相談をするのはどうかと思いましたが、性別に関わらず子どもが生まれると愛情の対象が移りかわり、夫婦関係が冷めてしまうという話を良く耳にします。
私にはまだ先の話ですが、ぜひ今の萌さんに聞いておきたいです。
愛すべき対象が増えたことによる変化は多々あると思います。
夫婦関係をより愛情深きものにしていくために意識していることがあれば教えてください。
(27歳・女性・会社員)

お悩み投稿ありがとうございます。

いただくものの中で、答えやすいものとそうでないものがあるのですが、こちらは後者…。
(自分で選んでおいてすみません!)

経験済み&ある程度の確信付きというのがやはりいちばん答えやすいのですが、まさに自分が現在進行形のこの出産育児シリーズは(勝手にシリーズ化)「いずれ自分の意見も変わるかもしれませんが」というのを前提に聞いていただけたらと思っています。

まず、子どもの誕生で夫婦の形が変わるのは間違いないと思います。

会話の内容を始め、交友関係や旅先に買い物、二人の興味がガラリと変わって、お互いこれまで知らなかった部分に出会います。

ただそれは、相手がこれまで隠していた部分なんかじゃなくて、初めての子育てを前に相手自身も初めて知る自分のことだったりもします。

お互いが「初めての自分」に出会っていく過程は、これまでの二人にはない経験で、そこで一緒に同じ方向を向きながら同じことで笑ったり泣いたりできたら、それは絆がぐっと深まる貴重な経験になると信じています。

子育てが始まってまだ半年程度の私でも、毎日新しい自分の感情に出会って、そして感動します。

相談者さんは彼の気持ちが変わってしまったらどうしよう、と、自分の気持ちは不動のものだということを前提に相談してくださっているようですが…、

おそらく色んな意味で大きく気持ちが変わるのは女性側の方だったりする気がします。

自分のお腹が少しずつ膨らんで、最終的に自分から人間が出てくるって本当に驚くべき経験でした。

分娩を終えて数時間後、自分の部屋に娘が運ばれてきたあの朝の気持ちは、一生忘れたくないなと思っています。

今は、彼の気持ちが移ってしまうことが少し嫌だったりするかもしれませんが、子どもをものすごく可愛がっているのを見ると、自分が可愛がられているのとほぼほぼ同じような気持ち、いや、むしろそれ以上に嬉しくなったりもします。

これはどういう気持ちなのか結構説明がしづらいのですが、たった50センチくらいのサイズで産まれてくる小さな赤ちゃんの中に、自分たち夫婦二人の血だけではなく、「会いたいなぁ」と思っている天国の祖父母だったり、二人の両親の血まで入っているということ。

実母と義母の血が混ざり合っている人間なんてこの世でこの子しかいないんだ…!と思うと、なんだか本当に不思議で、そしてそんなお互いの家系図の合併みたいな存在を愛しそうに可愛がっているのを見ると、じわじわと込み上げて来る喜びがあります。

だからご寵愛の移行は、きっと大丈夫。
子どもを精一杯愛することで、お互いもっと相手を大切に思うはず。
それに可愛がってくれない人より、よっぽど幸せなことだと思いますよ。

後は、先ほどちょっと書いた通り、自分をしっかりと含めた上で、変わっていく気持ちを前提に、少しだけリニューアルされた良い関係を作っていくことが重要だと思います。

細かいことを言うと、私の中では「大変さをアピールしない」とか「ありがとうを沢山言う」とか色々ありますが、私は結構、出産するまでの二人の歴史に支えられているところもあります。
(授かり婚の場合は、それはそれで、そこから深く新しい歴史を刻めるとは思いますが)

二人で大事にしてた時間とか、造語とか、変な遊びとか変な踊りとか変な呼び名とか変な顔とか…。

変なばっかりですが、要は二人でじゃれてきた色々を「そんなことやってる場合じゃない」なんて廃止してしまうと、どんどんと流れが変わって関係が変わってしまうかもしれませんが、そういうことを小まめに差し込むことで、パパとママになった以前に、自分たち二人がいて、だからこの子が産まれたんだ。
という当たり前のところに戻れる気もします。

まだご結婚前の相談者さんがこれを聞くと、そんなの簡単なことに思えるかもしれませんが、想像以上にお互い「パパ」「ママ」になろうと無意識に頑張ってしまったりもするので…。

良い感じでお互いがそれを崩してあげながら、二人で楽しめたらいいですよね。

今はとにかく、そんな時に楽しめる「二人の遊び」を沢山開発して、そして結婚することになったら、どんな家族にしたいかを話し合って…。
二人らしいステップを踏んで行けたら、きっと大丈夫です。
大切にしたいなと思える彼のこと、大事にしてくださいね。

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