NEXT WEEKEND DATE

こんにちは。
雑誌NEXTWEEKENDの出版元である世界文化社で、編集を担当しているD坂です。

4月14日に発売予定の雑誌NEXTWEEKEND2017春夏号に先がけて、3回に分けて雑誌の特集ページの作り方をご紹介してきました。

企画・準備編はこちらから
撮影・入稿〜印刷編はこちらから

連載3回目の今回は、私がNEXTWEEKENDを編集するときに気をつけていることを書いてみたいと思います。

提案に深みを持たせること


NEXTWEEKENDの提案する世界観はもしかしたら、見た目がおしゃれなだけでしょ?と思われてしまう側面もあるのかなと思っています。

ただ本当はひとつひとつコンセプトをしっかり考えていて、きちんと取材に基づいて作っているので、そこをお伝えできるように、さらっとした誌面になりすぎないように心がけています。

例えば、写真や文章に結構細かく小見出しやキャッチコピーをつけたり、構成も最初の見開きページがイメージ写真メインだとしたら、その次のページではHOW TOや取材記事をしっかり入れたりしながら、リアルに役立つ情報でバランスをとっています。

ビジュアルはとことん素敵で、ちょっぴり非日常を感じさせるけれど、中身もきっちり丁寧に考えられている、という理想に少しでも近づけるように、これからもまだまだ試行錯誤していきたいと思っています。

少しのユーモアを混ぜること

NEXTWEEKENDが日々提案しているコンテンツやメンバーの皆さん自身のキャラクターを客観的に見ていて、かっこつけすぎずに、いつも笑いが溢れている感じがしていて、その雰囲気が誌面からも上手く伝えられたらいいなと思っています。

具体的には写真の切り抜きカットをところどころに混ぜて動きを出したり、写真の選び方もあえて決まりすぎていないカットを選んだりして、おてんばな感じが出せるように心がけています。

時には相手にゆだねてみること

連載の1、2回目でご紹介させていただいた通り、1冊の雑誌を作るためにはとてもたくさんの方の力が加わっています。

「こういうページにしたい」というイメージを明確に持つことはとても大切なことですが、譲れないポイントだけを伝えた上で、あとはそれぞれの分野のプロの腕にある程度ゆだねるということも時には大事だとはと思っています。

例えばスタイリストの方に服を集めてモデルさんのコーディネートを考えてもらうとき。水色のスカートに白いシャツを合わせたい、などと具体的にオーダーしすぎてしまうと、きっとそのスタイリストさんは完璧にその要望に応えてくださるはずですが、想像以上のものは生まれにくくなります。

なので「自転車に乗るけれどアウトドアっていう感じではなく絵本から飛び出てきたような女の子のイメージ」くらいの、要点は押さえつつ、ざっくりとした感じで伝えるように心がけています。

もちろんスタイリングだけでなく、写真、ヘアメイク、文章のトーン、デザイン、すべてにおいて共通で、プロの方々が最大限力を発揮できる場を作ることが私たちの仕事なのかなと思います。(と書きながらも、なかなか上手くできていないことも多く、毎回反省しています……)

ちなみに今回の号を作っていて、イメージを伝えるのに、歌や歌詞で例えるというのが結構使えるかも?という発見がありました。
「cover story」という特集で、デザイナーさんに方向性や雰囲気を伝えるとき、なかなか上手い言葉が見つからなくて悩んでいたのですが、ある歌の歌詞がぴったりで、その歌詞をメールでお送りしたら「なるほど」と言っていただけて、あのページができました。
(それが何の歌だったのかはまたいつかどこかで……)

こんな風に3回に分けて雑誌の特集ページの作り方をご紹介させていただきました。

手に取ってくださった読者の方が、ほんの一瞬でも幸せな気持ちになってくださったり、何か新しいことを始めてみようというきっかけになれたら、それ以上の喜びはありません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

編集D坂さん
雑誌NEXTWEEKENDの出版元である世界文化社で働く女性編集員。
やわらかい見た目に反して熱いハートと根性を持つ、縁の下の超力持ち。
4月14日に発売予定の雑誌NEXTWEEKEND2017春夏号に先がけて、
一冊の本ができるまでの裏側や制作風景をご紹介してもらいます。

Share On